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Day6


420 WORLD CHAMPIONSHIP VALENCIA SPAI


2013年 420級世界選手権

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Report & Photo:飯島 洋一(JSAFオリンピック強化委員会)




岡田圭樹組 10位 小泉維吹組19位で大会閉幕
全参加選手 進化を見せ 来年の唐津ワールドに向けて励み



1307_420WC-23.jpg▲メダルを獲得した岡田組
【7月30日・第6日・大会最終日】
 泣いても笑っても大会最終日です。
レース海面に向かう選手たちには、
●海風特有のゆっくりとしたシフトに合わせるように。
●スタートで出ること。
●バレンシアの海を満喫してくること。
を話し、送り出しました。
 最初弱かった風もいつものように徐々に右に振れ、強くなってきました。1レース目は6~8ノット、2レース目は10~12ノットの中で行われました。

 男子は岡田圭樹組が6-(26)として総合10位。小泉維吹組は21-11として総合19位で大会を終えました。岡田・宮口のチームには10位のメダルが授与されました。

【岡田圭樹コメント】
 「上位の選手とはマーク付近でのせめぎ合いでの立ち上がりのスピードというか、マーク付近でのスピードが違います。まっすぐ走るのだったら負けていないのですが…。精進します」

【小泉維吹コメント】
 「ユース選手はともかく、(OPENのカテゴリーなので)大人が速すぎます。見てくださいこの成績。決勝になったらボロボロになってしまいました。頑張ります」

【重由美子コーチ総括】
 「長いコースでゆっくりとしたシフト。決してどちらかサイドが極端に有利ではないコンディション。この大会ではしっかりシフトに合わせ、タックをしていくことが大切でした。日本ではコースが短いから、シフトが一回で上マークに行ってしまいます。そうした意味で経験が足りなかったのかもしれません。でも、みんな本当によく頑張りました。補助対象選手はもちろん他の選手も予選で下位フリートに落ちても腐らず、日々上達していました。2015年世界選手権は日本の唐津で開催されます。そこで日本からワールドチャンプを出したいですね」


1307_420WC-24.jpg▲大健闘の深沢組
 女子はきょうも深沢・馬渡組が頑張りました。14-6の最終日でしたが、2本とも第1マークから大きく順位を上げて奮起のフィニッシュでした。とくに最終レースは前日のリコールを反省し、セーリングの教科書に載せたいぐらいの100点満点のスタートを切りました。ラインを見続け、自艇の風下のスペースに入ってくる船を見つけてガードし、そしてまたスペースを自分で作る。加速も抜群でした。ふたりはこのシリーズでリコール2回、沈1回とスコアを崩しましたが、ほとんどのレースでシングルを走っていました。正直、私自身もここまでやるとは思ってもみませんでした。今回の走りを忘れずに次に向かってほしいと思います。

 一方、下位フリートの男女選手もよく頑張りました。仁井谷・吉永組2位(シルバー)榊原・楠瀬組4位(ブロンズ)千葉・秋元組1-6(シルバー)、中山・池本組4-3(シルバー)田中・高野組(シルバー)7-3。本当に彼ら、彼女たちはシリーズ中に上達が見られました。

 今回は目標としていたメダル獲得には及びませんでしたが、男女ともに健闘する姿を見て今後420級がインターハイ、国体種目になり、皆が420に乗るようになれば近い将来、表彰台に日本人選手が上がる日も近いと思います。ただ、今回強く感じた「吹いた中での乗り込み」と「経験」を十分に積んだ条件付きです。

 このバレンシアでの経験は参加選手の良い思い出となるに違いありません。
 アパートでの共同生活。皆で協力した食事の準備。船が軽くて計測が通らず慌てて重りを載せて再計測をしたこと。長いコースに走りづらい波。ゆっくりとした周期変動の風などなど。海外遠征ならではです。
 今回の参加選手は今後次のステージに上がる者、来年の420ワールドを目指す者、学業に専念する者、道はそれぞれです。バレンシアの海でのセーリングは彼らに大きな経験を与え、すべてが次のステップに役立つことばかりでした。さらなる飛躍に期待したいと思います。

 私自身、7月10日に日本を発ちISAF Youth Worldとこの420ワールドに帯同してきましたが、大人の遠征に比べ10倍大変な遠征でした。その代わり10倍楽しく、10倍勉強になり、10倍の感動をもらいました。このような貴重な経験をさせてくれたユース選手たちに本当に感謝しています。

 最後になりましたが、畑違いのダブルハンドクラスの遠征帯同ということで準備、対応に関して行き届かないことが多々あり、選手、保護者の皆様にはなにかとご心配をおかけしたことをお許しください。加えて、今遠征に関して協力、応援いただいた皆様にも御礼を申し上げます。ありがとうございました。


最終総合成績
男子:参加110艇
小泉・有岡(光高等学校)
 19位 2-5-4-9-(BFD)-5-17-22-20-19-21-11
○岡田・宮口(玄海セーリングクラブ)
 10位 9-7-9-2-3-8-22-16-21-7-6-(26)
○榊原・楠瀬(玄海セーリングクラブ)
 91位 27-12-26-12-(BFD)-29-29-19-29-35-4
○仁井谷・吉永(琵琶湖ジュニア)
 69位 13-36-2-12-(BFD)-29-31-34-31-33-2
○高竹・槇原(広島セーリングスクール)
 99位 28-24-(36)-28-23-29-15-31-24-23-19
○太中・出口(慶應義塾高等学校)
 103位 27-36-22-34-14-28-21-29-27-31-(BFD)
○斉藤・刈込(福島県セーリング連盟)
 107位 (36)-36-34-35-29-31-26-32-30-32

女子:参加77艇
○深沢・馬渡(湘南白百合学園高校・七里ヶ浜高校)
 26位 (OCS)-6-3-16-8-23-7-36-22-OCS-14-6
○中山・池内(玄海セーリングクラブ)
 46位 19-27-14-30-5-23-(DNC)-27-8-22-4-3
○田中・高野(関西大学第一高等学校・B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
 54位 (35)-29-22-30-35-24-19-20-22-10-7-3
○村瀬・石川(広島セーリングスクール)
 75位 34-30-25-27-36-34-(BFD)-36-DSQ-32-32-33
○力石・澤田(KGセーリング)
 66位 25-(BFD)-30-24-24-31-24-30-12-36-BFD-13
○千葉・秋本(宮城県セーリング連盟)
 68位 33-34-34-35-29-34-DNC-(DNC)-16-33-1-6
○元津・濱本(長崎工業高等学校)
 74位 33-(36)-33-26-35-36-23-24-33-34-18-32

●大会公式サイト:http://events.sailracer.org/eventsites/default_s420.asp?eventid=124480

1307_420WC-25.jpg▲第11レースのトップフィニッシュで涙。トップでも涙。リタイアでも涙。乙女心は難しいです。
1307_420WC-26.jpg▲決勝に入り苦しんだ小泉・有岡組
1307_420WC-27.jpg▲男子優勝のスペイン最終日に逆転です。
1307_420WC-28.jpg▲女子優勝のイギリス。強風でのスピードが目を引きました。
1307_420WC-29.jpg▲10位でメダル獲得の岡田・宮口組
1307_420WC-30.jpg▲国際420協会会長を囲んで日本チーム

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day5



岡田圭樹組 ゴールドF初のシングルを取り 総合9位に上昇
深沢瑛理組 幻の9位 2回目のOCS
大会もあと1日


1307_420WC-20.jpg▲女子上マーク回航
【7月29日・第5日目】
 大会5日目。しっかりといつものシーブリーズが入るまで1時間半ほど陸上待機でした。その間、元ニッポンチャレンジの早福和彦さんが日本チームのバースを訪れてくれました。選手たちの中には世界に飛び出し、活躍を続けている早福さんの話を興味深く聞いているものもいました。

 今日は1レース目7~8ノット、2レース目は13~14ノットの風の中、2レースが行われました。
 男子は岡田・宮口組が21-7とし総合順位を前日の11位から9位と2番上げました。ただ、レグの間で順位を落とすケースがあります。そこは反省して最終日に臨んで欲しいと思います。小泉・有岡組も20-19として順位を下げてしまいました。ゴールドフリートの戦いは甘くありません。ここで頑張らなくては世界が見えてきません。

 女子はゴールドフリートの深沢・馬渡組が22-OCSでした。OCSは大会2回目です。2レース目は第1マークを20位で回航し、ダウンウインドで16位まで順位を上げ、その後のクローズでは総合3位の赤ビブを着たイタリアの選手を上突破、どんどん順位を上げ9位でフィニッシュでした。タラレバは言いたくありませんが、本当に残念なレースでした。

「また、やってしまいました。でもクローズが本当に速くなっていて、強風のレースが楽しいです」(深沢)
「ラインも見ることもできましたし、自分ではリコールではないと確信していたのですが…どうしてリコールしてしまうのでしょう??」(馬渡)

【重コーチコメント】
 「岡田、深沢ともに吹いた時のセーリングは見ていても外国選手に引けをとらないくらい格好よく走っています。本当に速く走れていると思います。それだけに2人ともスコアが安定しないのは残念無念の思いです」

 苦戦を続けている日本チームですが日に日に強い風に慣れてきており、上達が見られます。このバレンシアの海でのレースは良き思い出になることはもちろんですが、ここでの1週間は日本での練習の1か月分(もしかするとそれ以上)の練習に匹敵するかもしれません。日本では経験できないような長いコース、レベルの高いスタート、強い風、波を毎日実感しています。彼らはここに来て確実に上達が見られます。今後420は国体、高校総体の種目になりますが、国内だけに目を奪われず、外に出てこうした素晴らしい経験をどんどんして欲しいと思います。

 明日は最終日、各選手思い残すことのないよう思いっきりレースをして、バレンシアのシーブリーズを満喫して欲しいと思います。


【大会総合成績】(第2日目終了時)
男子:参加110艇(ゴールド:37、シルバー:37、ブロンズ:36)
小泉・有岡(光高等学校)
 19位 2-5-4-9-(BFD)-5-17-22-20-19
○岡田・宮口(玄海セーリングクラブ)
 9位 9-7-9-2-3-8-(22)-16-21-7
○榊原・楠瀬(玄海セーリングクラブ)
 94位 27-12-26-12-(BFD)-29-29-19-29-35
○仁井谷・吉永(琵琶湖ジュニア)
 72位 13-36-2-12-(BFD)-29-31-34-31-33
○高竹・槇原(広島セーリングスクール)
 100位 28-24-(36)-28-23-29-15-31-24-23
○太中・出口(慶應義塾高等学校)
 103位 27-(36)-22-34-14-28-21-29-27-31
○斉藤・刈込(福島県セーリング連盟)
 107位 (36)-36-34-35-29-31-26-32-30-32

女子:参加77艇(ゴールド:39、シルバー:38)
○深沢・馬渡(湘南白百合学園高校・七里ヶ浜高校)
 31位 (OCS)-6-3-16-8-23-7-36-22-OCS
○中山・池内(玄海セーリングクラブ)
 51位 19-27-14-30-5-23-(DNC)-27-8-22
○田中・高野(関西大学第一高等学校・B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
 62位 (35)-29-22-30-35-24-19-20-22-10
○村瀬・石川(広島セーリングスクール)
 76位 34-30-25-27-36-34-(BFD)-36-DSQ-32
○力石・澤田(KGセーリング)
 66位 25-(BFD)-30-24-24-31-24-30-12-36
○千葉・秋本(宮城県セーリング連盟)
 73位 33-34-34-35-29-34-DNC-(DNC)-16-33
○元津・濱本(長崎工業高等学校)
 74位 33-(36)-33-26-35-36-23-24-33-34

●大会公式サイト:http://events.sailracer.org/eventsites/default_s420.asp?eventid=124480

1307_420WC-21.jpg▲高竹・槇原組
1307_420WC-22.jpg▲風待ちの間トランプで時間を潰す選手

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day4



強風の4日目 岡田圭樹組 小泉維吹組を逆転 総合11位に
女子・深沢組 悔しい“沈”
強風時は高さよりスピードモードを重視しよう


1307_420WC-16.jpg▲予選トップのイタリアの隣からスタートの深沢・馬渡組。走り勝ったのは日本!!
(7月28日・第4日目)
 大会4日目、陸風の朝を迎えました。経度風(気圧配置による風)です。この風が気温の上昇とともにシーブリーズとぶつかり海上の風は安定しない状況でした。
 11:30にAP旗が掲揚され陸上待機となり、シーブリーズを待つことになりました。
 13:30AP旗降下、各艇一目散にレースエリアに向かいます。しかし、海上は海風と陸風がぶつかり安定せず、420の大集団と運営艇はレースエリアをさまよいます。その後、東寄りの風が入りシークエンスが始まりますが、ゼネラルリコールや風の振れによる混乱でスタートができません。そうこうしている間になんと20ノット近い風が吹き込んで来ました。昨日まで安定したスコアを残していたゴールドフリート(上位37艇グループ)小泉維吹、岡田圭樹両チームともこの風では今までのような安定したスコアを残すことができませんでした。小泉組は17-22で前日の7位から16位に陥落、岡田組は(22)-16で1番上げて11位。岡田組は総合順位でついに小泉組を逆転しました。こうなると小泉組のBFDが効いてきます。

【重コーチコメント】
 「維吹も圭樹もシフトのタイミングに合っていない。維吹はスタート後の最初のシフトの正反対にいるし、圭樹はいいところにいたのにタックせずにそのまま行ってしまうし。二人ともスピードは悪くないのに…もったいない限りです」

 女子のレースでは唯一ゴールドフリート(上位39艇グループ)に進出した深沢が1レース目は昨日までトップのイタリアの選手の隣からスタート。いつ走り負けて逃げのタックをするかハラハラして見ていましたが、走り負けタックしたのはイタリアでした。そのままいいスピードをキープし、ダウンウインドも沈艇を尻目に7位でフィニッシュ。素晴らしい走りを見せてくれました。2レース目はスタートで失敗し第1マークを30位くらいで回っていきます。しかし、2回目の上マークでは18位まで上がってきました。その後、ダウンウインドを懸命に走り一時16位まで順位を上げますが、レグの半ばを過ぎたところで痛恨の沈。最後尾近い36位まで順位を落としてしまいました。なんともはや残念なりです。

【深沢コメント】
 「今日の沈はOCSよりもきのうの23番よりも、悔しい!です。でも、走りは悪くありません。女子選手は強風のクローズホールドはそんなに速くないですね。走り負けませんでした。いつも江の島で中村健次さん(JSAFナショナルコーチ)に『角度を取ろうとするな!!スピードだ!!スピードだ!!』と言われていたので、そのおかげで速くなっていたのかもしれません。また、OP時代から『スピード、スピード』と飯島さんに言われていた意味がやっと分かりました」

 今日のレースを見る限りでは強風のクローズホールドのスピードは男子、女子ともに上位選手に負けていないように見えました。ただ、そのスピードを生かし切れていないのが悔やまれます。やはり、もっともっと乗り込み、20ノットの風で当たり前のようにコースを引いて、見ていて安心できるくらい安定してマークを通り過ぎて行けるように腕を磨かなくてはいけません。軽風では皆できるのですから…。

 今日のレースはスタートが遅れ、選手たちがハーバーを出たのは21:00になっていました。相当疲れて来ているとは思いますが、あと2日!!正念場です。
 ISAFユースワールドで重コーチの言っていた「勝ちへのこだわり」を見せて欲しいと思います。


【大会総合成績】(第2日目終了時)
男子:参加110艇(ゴールド:37、シルバー:37、ブロンズ:36)
小泉・有岡(光高等学校)
 16位 2-5-4-9-(BFD)-5-17-22
○岡田・宮口(玄海セーリングクラブ)
 11位 9-7-9-2-3-8-(22)-16
○榊原・楠瀬(玄海セーリングクラブ)
 86位 27-12-26-12-(BFD)-29-29-19
○仁井谷・吉永(琵琶湖ジュニア)
 72位 13-36-2-12-(BFD)-29-31-34
○高竹・槇原(広島セーリングスクール)
 98位 28-24-(36)-28-23-29-15-31
○太中・出口(慶應義塾高等学校)
 96位 27-(36)-22-34-14-28-21-29
○斉藤・刈込(福島県セーリング連盟)
 107位 (36)-36-34-35-29-31-26-32

女子:参加77艇(ゴールド:39、シルバー:38)
○深沢・馬渡(湘南白百合学園高校・七里ヶ浜高校)
 24位 (OCS)-6-3-16-8-23-7-36
○中山・池内(玄海セーリングクラブ)
 54位 19-27-14-30-5-23-(DNC)-27
○田中・高野(関西大学第一高等学校・B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
 65位 (35)-29-22-30-35-24-19-20
○村瀬・石川(広島セーリングスクール)
 75位 34-30-25-27-36-34-(BFD)-36
○力石・澤田(KGセーリング)
 63位 25-(BFD)-30-24-24-31-24-30
○千葉・秋本(宮城県セーリング連盟)
 77位 33-34-34-35-29-34-DNC-(DNC)
○元津・濱本(長崎工業高等学校)
 73位 33-(36)-33-26-35-36-23-24

●大会公式サイト:http://events.sailracer.org/eventsites/default_s420.asp?eventid=124480

1307_420WC-17.jpg▲毎日すこしづつ上達している田中・高野組
1307_420WC-18.jpg▲昨日までの安定したスコアを残せなかった小泉・有岡組 
1307_420WC-19.jpg▲日焼けで真っ黒な橋本コーチと重コーチ

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day3



男子 小泉組 痛恨のBFDを食らい 総合7位に後退
追う岡田組 4点差に肉迫
女子 深沢組 総合18位にジャンプアップ


1307_420WC-12.jpg▲岡田・宮口組
(7月27日・3日目)
 きょうのバレンシアは予報がズレ、いつものシーブリーズでレースが行われました。1レース目はいつもと同じ軽風でしたが、2レース目は今までで一番強い14~16ノットの風となりました。こうした局面になると、きのうは良い走りをしていた日本チームは苦戦を強いられました。

 男子・小泉組は2-5の着順としましたが、1レース目は痛恨のBFDとなってしまいました。5レース以上を消化したため、これはカットレースとなりましたが、小泉は表面上ポーカーフェースでレースに臨んでいます。総合順位は7位に後退しました。ただ、得点は25点で上位とは大した差ではありません。今日のBFDを気にせず、あしたからもいつもの落ち着いた走りをして欲しいと思います。
 一方の岡田組は3-8とし、一番落ちの12位です。しかし、得点は小泉組に4点差と迫っています。小泉、岡田は性格も得意風域も対象的ですが、二人共それぞれの持ち味を生かして善戦しています。
そのほかの男子チームは吹いた風で思うように走らせてもらえませんでした。

 女子は深沢組が8-23とこなし、第1レースのOCSをカットとして、26位から18位へと順位を上げました。中山組も風の弱い1レース目で5位をとり、満面の笑みとガッツポースを見せてくれました。しかし、彼女らも吹いたレースではいいところがありませんでした。

 男女とも多くの選手の課題はやはり「吹いた中でのセーリング」です。この風になると外国選手は水を得た魚のように走り出します。一方、日本チームは走るのが精一杯といったところです。もっと乗り込んで、船を自分の手足のように操れるようにならなければなりません。肝心のダウンウインドでも動きが小さく船を操りきれず、波に乗れません。
 もっと強い風の中で果敢に練習して、体、ティラー、シートを使いこなし、どんどんスピードに乗せて走る練習をする必要があります。

 明日は今までとは違った風が吹き、あまり強くはならない予報です。
 明日から決勝シリーズです。強い相手たちとの戦いとなる小泉、岡田両組のセーリングが楽しみです。


【大会総合成績】(第2日目終了時)
男子:参加110艇 
小泉・有岡(光高等学校)
 7位 2-5-4-9-(BFD)-5
○岡田・宮口(玄海セーリングクラブ)
 12位 (9)-7-9-2-3-8
○榊原・楠瀬(玄海セーリングクラブ)
 77位 27-12-26-12-(BFD)-29
○仁井谷・吉永(琵琶湖ジュニア)
 64位 13-36-2-12-(BFD)-29
○高竹・槇原(広島セーリングスクール)
 96位 28-24-(36)-28-23-29
○太中・出口(慶應義塾高等学校)
 92位 27-(36)-22-34-14-28
○斉藤・刈込(福島県セーリング連盟)
 106位 (36)-36-34-35-29-31

女子:参加77艇
○深沢・馬渡(湘南白百合学園高校・七里ヶ浜高校)
 18位 (OCS)-6-3-16-8-23
○中山・池内(玄海セーリングクラブ)
 41位 19-(27)-14-30-5-23
○田中・高野(関西大学第一高等学校・B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
 64位 (35)-29-22-30-35-24
○村瀬・石川(広島セーリングスクール)
 69位 34-30-25-27-(36)-34
○力石・澤田(KGセーリング)
 61位 25-(BFD)-30-24-24-31
○千葉・秋本(宮城県セーリング連盟)
 73位 33-34-34-(35)-29-34
○元津・濱本(長崎工業高等学校)
 72位 33-(36)-33-26-35-36

●大会公式サイト:http://events.sailracer.org/eventsites/default_s420.asp?eventid=124480

1307_420WC-13.jpg▲1レース目5位をとりガッツポーズの中山・池内組
1307_420WC-14.jpg▲レースエリア中に浮かぶ巨大クラゲ。バスケットボールぐらいあります
1307_420WC-15.jpg▲仙台より参加の千葉・秋元組

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day2



男子 小泉組 4位キープ 
岡田組 9番ジャンプアップ 11位に上昇
女子 深沢組も上昇気運


1307_420WC-08.jpg▲風を読み切り2位でフィニッシュした仁井谷・吉永組
(7月26日・第2日目)
 朝起きてみるといつものバレンシアではありません。空は薄暗く曇っていました。
嫌な予感がしながらハーバーに着くとAPが掲揚され13:30まで風待ち陸上待機となりました。しかし、さすがはバレンシア! 11:30には青い空が広がり、シーブリーズが吹きはじめました。気温がきのうより少し低かったからか、いつものシーブリーズは入りきらず、前日より幾分弱い4~6Knotの風で行われました。この風になると前を走るのはイタリア、スペインそして我らが日本でした。

 きょうは前日に続いて小泉・有岡が4-9として総合4位をキープ。岡田・宮口組が9-2とし前日の20位から11位へ順位を上げました。一般参加の仁井谷・吉永も1レース目最後のダウンウインドまでトップを走っていましたが、抜かれて2位。続く第2レースも12位としました。女子では深沢・馬渡組が第1レースを3位でフィニッシュ。昨日の反省を生かし、ゆっくりで周期的な風の振れをつかみ、日本チーム頑張りました。

 日本チームの中には初めての420世界選手権でスタートの壁に阻まれ良いスタートを切れず、苦戦を続けているチームもいます。上位を走る選手に比べスタートでの風下でのスペースがうまく作れず、すぐに逃げのタックを打ち、思うようなコースが引けません。上位を取る選手はスペースを作る技術は素晴らしく、自分でスペースを作ります。「絶対に出るぞ!!」という気持ちが見ているこちらにも伝わってきます。苦戦を続けている日本チームはもっと自分から動かなければなりません。そうです。「自分の道は自分で切り拓け」です。このような世界の壁を若い時代から経験し、悔しい思いをし、それを糧に練習に励み、再び世界に挑戦する選手がどんどん出てきて欲しいと思います。日本には国体、インターハイという素晴らしい大会があります。国体、インターハイそして世界選手権。今、JSAFもその道筋を作ろうと英知を集め頑張っています。高校生の夢は広がります。練習は辛いかもしれません。しかし、それを乗り越えた先には世界が用意されています。クレバーに技を磨き、勝負への執念を絶やさず、チャレンジしてください。我々もそのための労を惜しみません。

 明日は予選シリーズの最終日です。5レース超えればカットレースも出てきます。順位の入れ替えも予想されます。風は弱めの陸風予報で海風とはまた違ったレース展開が待っています。少しでも前に。オールジャパン頑張りましょう。

追記:本日の写真は明日のレポートに追加掲載します。


【大会総合成績】(第2日目終了時)
男子:参加110艇 
小泉・有岡(光高等学校)
 4位 2-5-4-9
○岡田・宮口(玄海セーリングクラブ)
 11位 9-7-9-2
○榊原・楠瀬(玄海セーリングクラブ)
 59位 27-12-26-12
○仁井谷・吉永(琵琶湖ジュニア)
 46位 13-36-2-12
○高竹・槇原(広島セーリングスクール)
 96位 28-24-36-28
○太中・出口(慶應義塾高等学校)
 99位 27-36-22-34
○斉藤・刈込(福島県セーリング連盟)
 107位 36-36-34-35

女子:参加77艇
○深沢・馬渡(湘南白百合学園高校・七里ヶ浜高校)
 26位 OCS-6-3-16
○中山・池内(玄海セーリングクラブ)
 48位 19-27-14-30
○田中・高野(関西大学第一高等学校・B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
 66位 35-29-22-30
○村瀬・石川(広島セーリングスクール)
 68位 34-30-25-27
○力石・澤田(KGセーリング)
 65位 25-BFD-30-21
○千葉・秋本(宮城県セーリング連盟)
 74位 33-34-34-35
○元津・濱本(長崎工業高等学校)
 69位 33-36-33-26

●大会公式サイト:http://events.sailracer.org/eventsites/default_s420.asp?eventid=124480

1307_420WC-09.jpg▲風待ちの間日陰で談笑する日本チーム
1307_420WC-10.jpg▲桟橋よりスロープを見て
1307_420WC-11.jpg▲榊原・楠瀬組

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day1



男子 小泉維吹・有岡翼組 2-5の総合4位発進
女子 深沢瑛理・馬渡凪沙組 OCSながら進化の走りみせる


(7月25日・第1日目)
 大会レース初日をいつものような青い空、蒼い海で迎えました。そして、いつものように午前中は軽風です。Bエリアの男子は曳航でレース海面に向かいました。Bエリアは非常に遠く相模湾で例えると、江ノ島から出艇し葉山沖でレースをしているような状況です。
 スロープはいつものように混雑し、レースに間に合わなかった他国の選手もいたようです。

1307_420WC-05.jpg▲両レースシングルでまとめるものの1レースはOCS深沢・馬渡組
 当地の風は昼過ぎから弱い東風が入り始め、時間の経過と共に周期変動を繰り返しながら右にシフトしていき風が徐々に上がってくるパターンです。今日も第1レースは6~8ノット、第2レースは10ノット程度に上がってきて、振れも同じでした。そんな中、軽風を得意とする男子の小泉・有岡組が赤グループ2-5の2位を収め、初日3グループ総合の4 位に付けました。小泉はいつもながら黙々とレースをこなしています。やはりこの風域は本当に速いようです。明日からの展開に期待と注目です。
 また、女子では深沢・馬渡組が7-6と頑張りましたが、残念ながら第1レース目はリコールでOCSでした。そのため初日51位発進となりましたが、走りは改善されています。やはり、直前に行われたISAFユースワールドで胃が痛くなるようなプレッシャーの中でレースを戦い、一皮むけたようです。
 男女ともISAFユースワールド代表選手がレース慣れしたこともあって、良い走りを見せました。きょうの特筆は深沢の第1レースです。スタート1分ほど前に左に振れた風を使い、スタート後に即タック。ポートタックでほぼ全艇の前を通りました。その後右に触れ戻った風に合わせて再びタック。上マークをシングルで回航しました。海風特有のシフトを使い、まさに胸のすくようなコース引きを見せてくれました。OCSを反省しなければなりませんが、このコース引きの感触を忘れないで欲しいと思います。

 初日を終え、同じ地中海で練習しているイタリア、スペインがこの風この波ではやはり速く、男女共上位に多くの選手が入っています。クローズホールドでクルーが前後に頻繁に体重移動している姿が非常に印象的でした。

 明日2日目も同じような天気予報です。同じ海風の中のレースです。きょうこの風のシフトに合わせられなかった選手も明日はバシっと風を読んでほしいと思います。


【大会総合成績】(第1日目終了時)
男子:参加110艇 
小泉・有岡(光高等学校)
 4位 2-5
○岡田・宮口(玄海セーリングクラブ)
 20位 9-7
○榊原・楠瀬(玄海セーリングクラブ)
 62位 27-12
○仁井谷・吉永(琵琶湖ジュニア)
 72位 13-36
○高竹・槇原(広島セーリングスクール)
 76位 28-24
○太中・出口(慶應義塾高等学校)
 96位 27-36
○斉藤・刈込(福島県セーリング連盟)
 109位 36-36

女子:参加77艇
○深沢・馬渡(湘南白百合学園高校・七里ヶ浜高校)
 51位 OCS-6
○中山・池内(玄海セーリングクラブ)
 53位 18-28
○田中・高野(関西大学第一高等学校・B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
 66位 34-30
○村瀬・石川(広島セーリングスクール)
 67位 33-31
○力石・澤田(KGセーリング)
 68位 25-BFD
○千葉・秋本(宮城県セーリング連盟)
 72位 33-34
○元津・濱本(長崎工業高等学校)
 75位 32-37

●大会公式サイト:http://events.sailracer.org/eventsites/default_s420.asp?eventid=124480

1307_420WC-06.jpg▲海から見るバレンシアの町並み
1307_420WC-07.jpg▲バレンシアの大きなハーバー。ハーバーを出るまでかなり時間がかかります

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

420WC



420世界選手権 25日からレース始まる
日本代表 男女14チーム28選手が出場


●開催期間:2013年7月22日~30日
●開催会場 : スペイン・バレンシア
●日程:
7月22日~24日    受付、計測
7月23日        開会式
7月24日        プラクティスレース
7月25日〜30日    レース
7月30日        閉会式
●日本代表選手:
男子(7チーム):
 太中 賢・出口 廣智(慶應義塾高等学校)
 小泉 維吹・有岡 翼(光高等学校)
 岡田 奎樹・宮口 悠大(玄海セーリングクラブ)
 榊原 隆太郎・楠瀬 和旺(玄海セーリングクラブ)
 高竹 義樹・槇原 覚(広島セーリングスクール)
 斉藤 道明・刈込 孝陽(福島県セーリング連盟)
 二井谷 和平・吉永 琢磨(琵琶湖ジュニア)
女子(7チーム):
 元津 志緒・濱本 郁(長崎工業高等学校)
 千葉 都・秋本 美桜(宮城県セーリング連盟)
 力石 晶子・澤田 佳那(KGセーリング(関西学院大学)
 中山 由紀美・池内 仁美(玄海セーリングクラブ)
 深沢 瑛理・馬渡 凪沙(湘南白百合学園高校・七里ヶ浜高校)
 村瀬 美里・石川 満里奈(広島セーリングスクール)
 田中 美紗樹・高野 芹奈(関西大学第一高等学校・B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)

●JSAF帯同スタッフ:
重 由美子(オリンピック強化委員会)
飯島 洋一(オリンピック強化委員会)
橋本 健太郎(光高等学校)
●プライベートコーチ:
伊藤 嘉宣(塩釜高等学校)

●大会公式サイト:http://events.sailracer.org/eventsites/default_s420.asp?eventid=124480


 2013年420世界選手権がバレンシアオレンジで有名なスペインのバレンシアで開催されます。27カ国、187艇の420セーラーが世界一を目指し競います。
当地バレンシアは2007年アメリカズカップが開催され、セーラーにとっては馴染み深い場所です。海沿いには未だにアメリカズカップ参加チームのベースキャンプが並び、長いビーチには世界中からのバカンス客で溢れています。
照りつける太陽、蒼い海、青い空が毎日のように用意され、午後から気持ちのよいシーブリーズが入ってきます。シーブリーズ自体はそれほど強くなく、我々にとっては絶好の風が吹くことが予想されます。

1307_420WC-01.jpg▲日本チームまとまって調整を行いました
 今回日本チームは国内の大会で選抜された男子7艇、女子7艇、計14チーム・28名のかつてない大選手団となりました。これも420が新たにインターハイ、国体に採用されることから日本中の高校生が注目している証しなのかもしれません。これからも多くの選手が世界に目を向けてどんどん挑戦をして欲しく思います。

 日本チームはアパートやホテルで、通常では味わえない集団生活を仲間たちと過ごし、自炊や共同生活を行ないます。また、開会式では大人のレースでは考えられないような盛り上がりを見せます。こうした機会をとらえて、ぜひとも選手たちには大会の成績だけではなく積極的な国際交流を深めて行って欲しいと思います。

 先日のISAFユースワールドで4位となりメダルを逃した小泉・有岡組はこの大会で雪辱を晴らすべく、内に秘めた闘志を燃やしています。一方その小泉組に敗れISAF ユース代表を逃した岡田・宮口組はこの大会での入賞を目指し、黙々と国内で練習を積んできました。会期中は日本チームに有利な風が吹くことが予想され、彼らをはじめとする男女チームの活躍を期待したいと思っています。集中力を切らさず、勝負への執念を燃やせば自ずとよい結果が出てきます。スタート、そしてスピードです。我々帯同コーチもしっかりサポートしていきます。

 日本より皆様の応援をよろしくお願いいたします。

1307_420WC-02.jpg▲ルナ・ロッサのベースキャンプ。セーラーなら誰しも心が踊ります
1307_420WC-03.jpg▲会場となっているReal Club Nautico Valencia
1307_420WC-04.jpg▲14艇28名の大選手団の日本チーム

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

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●2011.8.62011年 レーザー4.7級世界選手権 レポート
●2011.8.32011年 レーザーラジアル級ユース世界選手権 レポート
●2011.8.22011年 470級ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.252011テクノ293級 ウインドサーフィン U-17クラス世界選手権 レポート
●2011.7.25レーザースタンダード・ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.18ISAF ユースワールド2011 レポート
●2011.7.10東日本大震災 JSAFチャリティーフラッグ&ステッカーキャンペーン レポート
●2011.7.4ボードクラス 関西水域・ユニバーシアード派遣前 強化合宿 レポート
●2011.7.4ボードクラス 関東水域 強化合宿 レポート
●2011.6.23レーザーラジアルユース・4.7世界選手権代表選手強化合宿 レポート
●2011.6.10ダッチユースレガッタ2011 レポート
●2011.5.172011 ISAFジュニアユースワールド日本代表選考会 レポート
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●2010.8.28第1回 ユースオリンピック大会 レポート
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