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Day4


Australia Youth Championship 2014


オーストラリアユースチャンピオンシップ 2014

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Report & Photo : 橋元 郷(帯同コーチ)



チームJPN、最終日に力を発揮!
辻アンナ選手4.7級女子1位!


1401_Australia_youth_CS-24.JPG▲佐藤1位、辻2位で第8レースを1、2フィニッシュ!!
レース4日目 最終日
大会最終日、前日に1レースのみで終わったことが相当に悔しかったのか、運営側は何度も「今日は3レースやる」「絶対に予定の10レースを実施する」と繰り返し、かなり気合いの入ったコーチミーティングで始まりました。しかし、その気合いとは裏腹にレース海面は3~4m/sの軽風コンディション。気温が上がると前日のように風がなくなってしまうのではないかという不安に包まれ、10時から始まったラジアルのスタートは、ISAFユースのAUS代表権が懸かっているためか、何度もゼネリコを繰り返します。その結果、4.7が最初にスタートしたのは11時前のことでした。

これまでの3日間を通して、日本選手は軽風コンディションでは全員、艇速がよく、必ずと言っていいほどよい順位で回ってきます。この日の第1レースも期待して見守っていると、佐藤が1上をトップで回航、他の3選手も10位以内で1上を回航しました。その後、全員いい順位をキープし、辻に至っては最後のフリーで2位まで追い上げ、佐藤1位、辻2位のJPN girlsのワン・ツー・フィニッシュでした。フィニッシュ後は、JPNセーラーの底力にAUSセーラーのコーチ陣からも拍手や賛辞が飛び交いました。

その後の2レースでは、3~4m/s前後の軽風が辛うじて吹き続き、辻がこれまで通りのいいスタートと安定したボートスポードを活かし8-9でまとめ、最終日でジャンプアップし、総合11位、女子で1位という素晴らし結果でレースを締めくくりました。

中島、玉山、佐藤の3選手は相変わらずスタートはいいのですが、左海面からのいい風を拾いきれなかったり、浅い水深に起因する複雑で乗りづらい波に捕まったりと、シングルフィニッシュへの厚い壁に最後まで阻まれてしまいました。

1401_Australia_youth_CS-25.JPG▲この日の第1レース、佐藤が1上抜群のトップ回航!!
水深の浅いレース海面と日々風向が変わり先の読みづらい風に苦しめられた4日間でしたが、トップ10の選手たちは、上りのレグではピンエンドは狙わず、真ん中海面の左右サイドを上手く使い分け、1上までのデータを元に2上までで必ず追い上げたりと、リスクを減らし前に出るための言わば当然のことをしていたのは印象的でした。

18時からの閉会式では、オーストラリア470級コーチのビクター・コバレンコ氏などがプレゼンターとしてスピーチを行い、レーザー4.7級総合11位の辻は、女子部門で1位となりメダルを授与されました!  選手たちはレースで満足できた点、上手くいかなかった点、その他の現地で感じた様々な思いと経験を胸に会場を後にしました。

選手のコメント
中島成興「今回の海外遠征では、海外の選手と比べてリーチングでのボートスピードがなく、何艇も抜かれてしまったので、もっと練習をしたいと思います。また夏のワールドでは、海外選手に負けないように頑張りたいです。」

玉山裕登「スタートは全体的によかったのですが、最後の3レースでいつもよりスタートが決まらず、その後の展開が苦しくなってしまいました。日本に帰ったらスタートを徹底的に練習したいと思います。今回が初めての海外遠征だったのですが、レース中あまり緊張せず走れたので、良かったです。」

辻アンナ「色々な風の中で海外レースができていい経験になりました。女子1位になれたことはとても嬉しいのですが、手応えがあまりなったので、次回また大会に出た時は総合で表彰されるように頑張りたいです。」

佐藤春菜「初めの2日間は強風で、満足する走りができずとても悔しい思いをしました。風が落ちてきた3日目以降は、オーストラリアの選手と同じくらいの走りができたのでよかったです。もっと強風の練習をしてどの風域でも安定して走れるようにしたいです。8月のワールドでは上位に入れるように頑張ります。」

最後に
今回の冬季遠征計画は、必ずしもAUSユースチャンピオンシップで勝つことだけを目標としているのではなく、今年日本で開催予定の4.7級世界選手権やその後の国際大会でのさらなる躍進の礎となる経験を積むことを目標の一つとしています。
日本のユースセーリング界の代表として「経験する機会」を与えられ選手たちには、計10日間の遠征で得られた数多くの経験や様々な思いを糧に成長すること、そして、その機会を得られなかった他のユース選手たちに自らの経験を伝え、ともに切磋琢磨していくことを切望します。
遠征先のオーストラリアはもちろん、世界各国どこの代表選手を見ても同様ですが、ここでの「成長」や「切磋琢磨」とはレースでいい結果を出すことだけではありません。そこには「スポーツマンシップ、シーマンシップの下で、他の選手や後輩選手から目標とされ、手本となる選手になる」ことや、JSAFジュニアユース育成強化委員会の目標でもある「社会に貢献できる人間になる」という大きな意味が含まれています。
私自身も今回の遠征に帯同し、改めてその意味の大切さを認識しました。ユース選手の皆さん、より大きな目標に向けてこれからもともに頑張りましょう。

最後になりましたが、今回の遠征を計画し支援してくださった多くの方々、保護者の皆様、応援してくださった方々に心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


●最終成績【全10レース終了/全65艇※( )内はカットレース
○中島 成興
 14位 19-(52)-(34)-7-16-12-15-6-16-19
○玉山 裕登
 12位 9-10-(BDF66)-15-5-(38)-11-11-22-14
○辻 アンナ
 11位 36-19-21-(43)-2-(39)-4-2-8-9
○佐藤 春菜
 27位 (55)-(48)-33-42-30-34-12-1-15-17

●成績表サイト:
http://www.sscbc.bvit.com.au/site/yachting/event/61803/overall_2.html
●大会サイト:http://www.youthchamps2014.org.au/

1401_Australia_youth_CS-26.JPG▲フィニッシュ後4人で集まり、レース内容や風の情報等を話し合います
1401_Australia_youth_CS-27.JPG▲ビーチ手前の桟橋では、子どものアシカがお出迎え
1401_Australia_youth_CS-28.JPG▲ビクター・コバレンコ氏(左)からレーザー4.7級女子1位の表彰を受ける辻
1401_Australia_youth_CS-29.JPG▲3月和歌山でのISAFユース選考への招待を受けたAUS420・ラジアル選手たち

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day3



軽風でよく走る日本選手たち


1401_Australia_youth_CS-19.JPG▲レース海面へ向かう中島。もうひとつふたつ、がんばりが欲しいところです
レース3日目
朝から吹いている東風がなくなり、前日と同じように南に振れ、シーブリーズが昼頃に入るという予想がコーチミーティングで提示され、信号旗をよく注意するようにとのことでした。また、レース最終日は風が弱くなるという予報で、できるだけレースを消化しておきたいため、これまで同様3レースを実施する旨も通知されました。

しかし、予想に反し、午前中東風は5~6m/s前後で安定して吹き続け、上マーク60°で予定どおり10時にラジアルがスタートし、続いて4.7も……と思いきや、風が左に20°振れてAP掲揚後コース変更、再スタートとなりました。しかし、1上まで来る頃にはさらに左に振れ、結局10°まで50°も振れ、しかも風速が落ち、C旗に次ぐC旗でマークを変更しながらフルコースを走りました。

混乱するレース展開でしたが、軽風のレースではここぞとばかりに、日本選手はよく走ります。上マークを辻が4位、玉山が11位、佐藤が12位、中島が15位で回航し、ほどよい風域だったため全員シングルで入れるかと思いましたが、やはりもう一押しがありません。
レース後半は、昨日までの強風のイメージやこのレース前半のまだ風がある時の感覚が残っていたためか、風が落ちてもセールセッティングが固かったり、乗る位置が後ろ過ぎたりと、状況変化への対応が今ひとつのシーンが多く見られました。
全員がフィニッシュするころにはさらに風は弱くなり、1時間ほど海上待機の後、AP/H掲揚でハーバーバック。その後4時になっても風が入ってこないため、結局AP/A掲揚で、3レース実施予定が本日は1レースのみの実施となりました。

残るは3レース
現地入りして5日目、これまでで最も日差しが強く気温も30度近くまで上がったため、シーブリーズを期待しましたが残念でした。それでも、陸上で待っている間、選手たちは1月の真夏を楽しんでいたようです。

その後、私はオーストラリアヨット連盟プログラムマネージャーのDonna Jones氏との話し合いのため選手のみアパートへ戻り、夕食のカレーやサラダの準備をしてもらいましたが、大変美味しく、食べ馴れた味で、最終日へのエネルギーを補充できたようです。
明日はあっという間に最終日。ユースチームジャパン、残り3レースにすべてを注ぎます。


●成 績【3日目/7レース終了】※( )内はカットレース
○中島 成興
 15位 19-(52)-34-7-16-12-15
○玉山 裕登
 13位 9-10-(BDF66)-15-5-38-11
○辻 アンナ
 21位 36-19-21-(43)-2-39-4
○佐藤 春菜
 39位 (54)-48-33-42-30-34-12

●成績表サイト:
http://www.sscbc.bvit.com.au/site/yachting/event/61803/overall_2.html
●大会サイト:http://www.youthchamps2014.org.au/

1401_Australia_youth_CS-20.JPG▲スタート直前の玉山、風下に十分なスペースを確保して上手に出ていきます
1401_Australia_youth_CS-21.JPG▲スタート後の佐藤(JPN左)と辻(同右)
1401_Australia_youth_CS-22.JPG▲百戦錬磨の運営陣にも風のコントロールまではできません…
1401_Australia_youth_CS-23.JPG▲結局AP/Hでハーバーバック。その後AP/Aでこの日はわずか1レース

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day2




真の力が出始めた2日目


1401_Australia_youth_CS-14.JPG▲第5レース2位(女子1位)でフィニッシュする辻
先々に起こることを想定し、備えているか
いつも通り8時前にビーチに到着すると、東の風10m/sほど。朝のコーチミーティングで風が収まるまで1時間ほど陸上で待機する旨が伝えられ、この日はAP旗でのスタートとなりました。

その後、10時にAP旗が降下され、選手たちはいっせいに慌ただしく準備をし、出艇していきますが、日本人選手は準備や着替えに時間がかかり、最後の方の出艇となりました。
日本の選手たちは英語ができないというハンディはありますが、レースの進め方や使われる旗の意味に違いはなく、AP旗が降りてから出艇するまでに出遅れる理由はありません。また、ビーチに到着した時点でレース海面まではクローズの上りで向かうことになることを確認しており、レース海面へは時間がかかるということも伝えてありました。レースに対して自らのできることをすべてやっているのか、先々に起こることを想定し備えているかが、本日最初の反省ポイントとなりました。

スタート前、60°~70°、9m/s前後の東風。水深が非常に浅いながら潮が強いため、大きな波が下から突き上げてくるようでした(アンカーを落として測ったところ、本日のスタートライン付近は水深5m前後でした)。

残るは4レース
本日の第1レースはレグが長めになり、コースはインナーループ1周でした。これまでの6レースを通して言えるのですが、毎回スタートは4人ともよく、このレースも風とルームを確保しながら上手に出て行きました。
しかし1上までの約10分のハイクアウトで徐々に置いて行かれている印象です。厳しいところですが、体力のなさは明白です。4選手とも中団に混じって1上へ来ますが、強い潮に押し戻され、なかなかマーク回航ができず、次々に苦しいタックとマークタッチを繰り返します。結局4選手とも中位以降でフィニッシュ。

本日の第2レース、風が若干落ちて約5m/s平均になったレースでは、1上マークを辻が2位、玉山が7位、中島、佐藤も10番台中盤までで回航しました。
しかし、前のレース後に注意した上マークでの潮を考えたアプローチに失敗し、佐藤は約20艇も抜かれてしまいました。その後、辻は2位で、玉山は5位でフィニッシュしました。
1上まで全員がいいコースとボートスピードで上がってくる光景を見るのは気持ちがよいもので、チームジャパンの真の力が出始めているように感じました。

しかし、本日の第3レース……これも全員がいいスタートを切りましたが、再び風が強くなり、1上までで約30°右へ振れたため、これまで左海面有利だった戦略が崩れた選手が多くなりました。結局65°から95°へ上マークが変更され、フルコースを走り切りました。最後まで諦めなかった中島が12位でフィニッシュするも、その他の選手は中位に沈みました。

あっという間に本日までに6レースを終え、残り2日で4レースとなりました。日本人選手には充分過ぎる風力と運営の巧みさが相まって、テンポよくレースが進みます。苦しい戦いながらも、それぞれにいい走りが見えてきた選手たちに、残り4レースを精一杯がんばり、楽しんでもらいたいと思います。

感心したこと
毎朝のコーチミーティングでは、コーチと運営側が活発に意見交換をしています。今朝は「今大会の規定である40分のターゲットタイムが真にAUSユース選手権大会として正しいのか」「ホストクラブが設ける最大風速(25knt/s)の制限を大会期間中のみ一時的に取り払えないか」などが話し合われ、大人たちが子どもたちのために真剣な顔で、正にレースを作っているという感じを受けました。

また、安全上の理由と公正さを図るため、海上では運営の無線を開放しており、コーチ陣は運営のやり取りや流れを聞くことができます。スタート時や風向の変化への対応、何かしらの突発事故が起こった時(起こりそうな時)など、本部船と各運営艇の息の合った連携作業、レース委員長からの的確な指示には毎回感心するほどです。

●成 績【6レース終了】※( )内はカットレース
○中島 成興
 20位 19-(52)-34-7-16-12
○玉山 裕登
 16位 9-10-(BDF66)-15-5-38
○辻 アンナ
 25位 36-19-21-(43)-2-39
○佐藤 春菜
 43位 (54)-48-33-42-30-34

●成績表サイト:http://www.sscbc.bvit.com.au/site/yachting/event/61803/overall_2.html
●大会サイト:http://www.youthchamps2014.org.au/

1401_Australia_youth_CS-15.JPG▲AP旗降下後、選手もコーチも大急ぎで出艇します。
1401_Australia_youth_CS-16.JPG▲レースそっちのけで、コーチ陣が見ているものは…
1401_Australia_youth_CS-17.JPG▲航路標識の脚にたくさんのアシカが!!
1401_Australia_youth_CS-18.JPG▲潮が強く、上マークでは押し流されてしまいます

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day1




最初のレグをいかに上手くまとめるかがポイント


1401_Australia_youth_CS-09.JPG▲初めての快晴!! でも海上はフリースを着る寒さ
1月7日
いよいよレース初日。6時に起床し朝のルーティンをしっかり行いました。
レース期間中は毎朝8時からコーチミーティング、10時スタートのため、早めの出発になります。
レーザーが出艇するビーチでは、前日の予報よりも少し強めの南風が5~6m/s、海面ではもう少し吹いているようでした。
コーチミーティングでは、安全面やレスキュー体制について入念に運営側とコーチ陣の擦り合わせが行われます。選手を見守る大人がその認識を統一してからレースを始める姿勢は「さすが」の一言でした。

現地入りして3日目にして初めて出艇し、いきなりのレースとなりましたが、10時のスタート予定は海上でAP旗掲揚の延期となり、30分ほど練習する時間を取ることができました。不規則にシフトする陸風、雲から吹き降ろす変則的なブロー、海岸に沿って流れる強めの潮の感覚をつかもうと、全員必死にスタートまでの時間を使いました。

この日行われた3レースともに風向160°~170°、平均7m/s、ブローで9m/s強。4.7はインナーループを2周するコースで先頭艇フィニッシュが40~50分と、比較的短いレグで設定されました。

3レース終了
第1レースでは玉山、辻が思い切りの良いスタートを決め、玉山は集団を引っぱり右海面へ、1上を11位で回航し、順位を落とすことなく9位でフィニッシュ。中島も苦しみながら10番台でフィニッシュ。女子2選手は、雲から長い息で吹き降ろされるブローの群れに苦しみ、厳しいレース展開でした。

第2レースは潮の影響もあり大きくラインがへこみました。みなOPの経験が長かったこともあり(辻は現役OPセーラー)、スタートは出遅れることなくいいスタートを切っていますが、強風での上りに苦労し1上の順位がよくなく、フィニッシュまでその順位から抜け出せません。レグが短く、前を抜くチャンスが少ないため、いいスタートの後に最初のレグをいかに上手くまとめ、いい順位に付けるかがポイントのようです。

第3レースは、1回のゼネリコ後、ブラック旗掲揚。ブラックと潮でへこんだラインからうまく出た玉山が風の振れに上手く合わせながら、3位で1上を回りました。しかし、1下へ向かうレグで痛恨の沈と下マークタッチでズルズルと順位を下げてしまいました。しかも陸に上がってからBFDだったことが判明し、玉山は一瞬がっかりしていましたが、その前の2レースは上々のできだったため、気持ちは上手く切り替えられているようです。佐藤も少しずつ順位を上げてきているので、明日からに期待です。

明日のレース2日目も3レースが予定されています。若いユース選手たちは本日の反省を糧に明日も頑張ります。

レース初日を終えての選手コメント
中島成興「思った以上に風が強く、コントロールができなかった。ここから自分の目標に向かってがんばります。」

玉山裕登「レースはいい感じだったが、リコールしてしまったので明日からはラインをしっかり確認したい。」

辻アンナ「スタートは思い通りに出られたが、フルハイクの状態を工夫し、明日からはシングルを取れるようにがんばります。」

佐藤春菜「風が強くて思い通りに走れなかった。明日からは風の振れや周りの動きを見てコースをしっかり引きたい。」

●成 績(1日目/全3レース)
○中島 成興
 36位 19-52-34
○玉山 裕登
 32位 9-10-BDF66
○辻 アンナ
 27位 36-19-21
○佐藤 春菜
 47位 54-48-33

●成績表サイト:http://www.sscbc.bvit.com.au/site/yachting/event/61803/overall_2.html
●大会サイト:http://www.youthchamps2014.org.au/

1401_Australia_youth_CS-10.JPG▲APで延期の時間を利用して海面チェック
1401_Australia_youth_CS-11.JPG▲男子は仲良く揃って出艇
1401_Australia_youth_CS-12.JPG▲不規則な風をもたらす雲には要注意
1401_Australia_youth_CS-13.JPG▲第3レース玉山1上3位で回航するも…

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

AYCS2014②




練習なしで本番に突入


1401_Australia_youth_CS-05.JPG▲この日雲が晴れることはありませんでした
1月6日
6時30分に起床。この日も肌寒いことに少しがっかりしながらストレッチ、朝食、おにぎりの仕込みをして会場に向かうと、前日と風向が真逆の南風13m/sほどの風が吹いていました。南風と言ってもオーストラリアの場合、南極側から吹いてくるため冷たい空気を運んできます。午前中は出艇禁止のため、選手達は各艇の整備を行いました。

11時からはスキッパーズミーティングが行われ、運営側からは様々な注意がなされ、選手、コーチからは多くの質問が挙げられていました。今大会は、Mornington半島の隣り合う2つのクラブが共催してレース海面も分かれているため、なにかと制約が多いようです。14時から予定されていたプラクティスレースについては、風の状況を見て実施を判断するとのことでしたが、その後、昼食を食べている所でAP/Aが掲揚され中止が決定しました。このためレース初日を前に、チームジャパンは一度も海で練習できない状況になりました。艇も風もあるだけに残念ですが仕方ありません。

後にAUSコーチに話を聞くと、AUSのラジアル/4.7選手はほぼ全員が前の週に行われていたAUSナショナルに参加しているため、運営側もあまり積極的にプラクティスレースを行わなくてもいいという雰囲気があったと言います。

選手たちの目標
ともあれ、この日の18時から行われた開会式で大会本番の幕が開きました。この中で、Yachting Australia(AUSヨット連盟)のパフォーマンス・ディレクターであるPeter Conde氏らのスピーチ、今年から導入されたASADA(「AUSスポーツドーピンク機構」のドーピングweb研修で合格しなければ大会へエントリーできない)の説明などがあり、オーストラリアユース大会の最高峰、ISAFユースワールド代表を決する大会にふさわしい開幕となりました。

現地入りして丸2日が経つも、一度も練習できていない状況にもどかしさを感じながら選手たちは翌日の第1レースを迎えます。最後にレースを前にした選手の目標を紹介します。

中島 成興表彰台に乗れるようにがんばります!

玉山 裕登半分以上を目指します!

辻 アンナ海外の選手に走り勝てるセーリングをする!

佐藤 春菜実力を出し切って悔いの残らないレースをする!


●大会サイト:http://www.youthchamps2014.org.au/

1401_Australia_youth_CS-06.JPG▲正午、AP/A掲揚でプラクティスレース中止が決定
1401_Australia_youth_CS-07.JPG▲Peter Conde氏(左3)、Mark Robinson大会マネージャー(右)とともに
1401_Australia_youth_CS-08.JPG▲開会式では"Sushi"も用意され、大人気でした

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

AYCS2014①




日本から4.7セーラー4人が参加


●日 程:1月5日~1月10日
6日 計測・プラクティスレース・開会式
7日〜10日 レース (10レース予定)
10日 閉会式
●開催地:ブレアゴリー ヨット スコードロン Blairgowrie Yacht Squadron
     (オーストラリア・メルボルン郊外)
●出場選手:
○レーザー4.7級 男子
中島 成興 (神奈川県立舞岡高校・江ノ島フリート)
玉山 裕登 (私立名古屋高等学校・蒲郡フリート)
○レーザー4.7級 女子
辻 アンナ (青山学院中等部・江ノ島フリート)
佐藤 春菜 (神奈川県立七里ガ浜高等学校・江ノ島フリート)

●帯同コーチ:橋元 郷
●大会サイト:http://www.youthchamps2014.org.au/


1401_Australia_youth_CS-01.JPG▲ホストクラブ前で記念撮影
先輩たちから現地情報を入手
ISAFユースワールドなどに向けた強化プログラムとして計画・実施されたオーストラリアへの冬季海外遠征も今回で4回目となりました。
特に今年は佐賀県・唐津で開催される"レーザー4.7級世界選手権"へ向け、日本選手のレベル向上をめざし、国際感覚を磨くため、男女計4名の4.7セーラーが参加しました。

1月3日に成田に集合し、シドニー経由で4日午後にメルボルン空港から車で2時間ほどのMornington半島にあるブレアゴリー(Blairgowrie)に到着しました。選手、コーチ5名で一つのアパートメントに宿泊し、朝昼食などは自炊しながら計7日間の共同生活です。

到着した4日午後からは、買い出しやレース会場となるヨットクラブの下見程度に留め、成田を出発してから24時間近い移動の疲れを取りました。
また、この日の夜はAUSナショナルレーザー選手権に出場し、すでにレースを終えた飯島コーチと女子ラジアルチームがホテルを訪れ、現地の情報や風の傾向等を伝えてくださいました。ユース選手たちは、先輩たちの突然の訪問で元気をもらったようです。

1月5日
起床、ストレッチ、朝食、昼食のおにぎりの用意を終え、レース会場へ向かいました。
受け付けを終え、コーチボートを受け取り、現地の人に話を聞くと、「今年はとにかく最悪な夏だよ。いつもはこうじゃないんだ」と口を揃えて言います。その言葉通り、厚く黒い雲は低く、陸では厚めのジャケットを着て、海上は海風15m/s以上の大荒れ。
この日は事前練習を予定していましたが、荒天のためクラブが出艇許可を出さず、練習ができませんでした。幸先良いスタートとは言えず、選手は少し消化不良ぎみでした。
しかし、明日はスキッパーズミーティング、プラクティスレース、開会式が予定され、いよいよ大会が始まります。
4人の選手へ熱い応援をよろしくお願い致します。



1401_Australia_youth_CS-02.JPG▲チャーターボートセッティング中
1401_Australia_youth_CS-03.JPG▲コーチボート係留用のアンカーが流れ、皆で大慌ての対応
1401_Australia_youth_CS-04.JPG▲到着2日目は近くのイタリアンで食事

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

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●2011.8.62011年 レーザー4.7級世界選手権 レポート
●2011.8.32011年 レーザーラジアル級ユース世界選手権 レポート
●2011.8.22011年 470級ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.252011テクノ293級 ウインドサーフィン U-17クラス世界選手権 レポート
●2011.7.25レーザースタンダード・ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.18ISAF ユースワールド2011 レポート
●2011.7.10東日本大震災 JSAFチャリティーフラッグ&ステッカーキャンペーン レポート
●2011.7.4ボードクラス 関西水域・ユニバーシアード派遣前 強化合宿 レポート
●2011.7.4ボードクラス 関東水域 強化合宿 レポート
●2011.6.23レーザーラジアルユース・4.7世界選手権代表選手強化合宿 レポート
●2011.6.10ダッチユースレガッタ2011 レポート
●2011.5.172011 ISAFジュニアユースワールド日本代表選考会 レポート
●2011.1.292010年 九州水域ジュニア・ユース強化合宿 レポート
●2011.1.142010年 ユースナショナルチーム候補合宿 レポート
●2011.1.11オーストラリアユースチャンピオンシップ レポート
●2011.1.72011年 420級世界選手権大会 レポート
●2010.12.242010年 470級ジュニア世界選手権 レポート
●2010.9.162010年 スナイプ級西半球および東洋選手権大会 レポート
●2010.9.162010年 第23回全日本420級選手権大会 レポート
●2010.9.8関西・四国・中国水域強化合宿 レポート
●2010.8.28関東水域強化合宿 レポート
●2010.8.28第1回 ユースオリンピック大会 レポート
●2010.8.2420級世界選手権大会 レポート
●2010.7.27レーザーラジアル ユースワールドチャンピオンシップ レポート