Day4
2015 Australian Youth Championships
2015 ユース全豪選手権
Report & Photo by 飯島 洋一
(オリンピック強化委員会)
大会最終日
▲最終日、気合い入れての出艇。
最終日もフリーマントル・ドクターは吹かず、陸風で強弱、シフトが激しい中でレースは行われました。アウターループ付近の風は110度、インナーループ付近の風は160度で、目の前の風に惑わされて走ると、その後で後悔することになりました。
今日は4.7の菅沼が8‐8とシングルを2つ取り総合でも16位と順位を上げ、4.7クラス女子2位として閉会式でメダルを受け取りました。彼女はレース期間中に課題(シフティコンデションでのコース引き、ダウンウインドテクニック)を修正し、尻上がりに成績を上げました。コースも自信を持って引き、ダウンウインドも「レーザーらしく」なってきました。今後の活躍に期待したいと思います。
ラジアルクラスは2レースのカットが入ることから最終日2つ上位をとればシングルに入れると西尾も意気込んでレースに臨みましたが、先週のナショナルからの疲れも溜まっているのでしょうか、シングルをとることができずに終わりました。
期間中、シーブリーズが吹いたのはたったの2日間で、コーチ陣は少し肩すかしをくらった感じです。しかし、選手達は4日間で10レースを行い、強烈なシフト、ガストの中で十分に楽しむことができたと思います。
海外遠征の中で選手に伝えることができることは限られてきます。そんな中で今回はターゲットを絞ってこの遠征を行いました。
①ダウンウインド……毎日吹くいい風の中でダウンウインドのテクニックの習得
②スタート……………レベルの高いレースでのスタート
③レース時の生活……船の準備、クーリングダウン、自炊、洗濯、栄養等
これらのすべてが選手に伝わったとは思いませんが、最終日の選手のダウンウインドの走りを見る限りでは少なからずいい経験ができたのではと思っています。
最後になりましたが、今回の遠征にてご理解とご協力をいただいた御父兄、関係者の皆様にはこの場を借りて御礼を申し上げます。 ありがとうございました。
●成績
レーザーラジアル
○西尾 勇輝(和歌山県立桐蔭高校)
総合13位 9-11-6-(37)-9-(29)-13-13-12-25
○豊島 以知朗(大島商船高等専門学校)
総合36位 37-(41)-24-16-33-(38)-33-26-36
○児玉 洋輝(岐阜県立大垣東高等学校)
総合26位 32-31-15-12-(34)-26-34-26-(BFD)-17
○林 佳奈(日本工業大学駒場高等学校)
総合42位 39-35-37-38-(40)-39-40-38-35-(42)
○荒木 陽菜(佐賀県立唐津東高等学校)
総合38位 36-36-35-(39)-38-37-35-(43)-24-30
レーザー4.7クラス
○岩城 海都 (鹿児島県立開陽高等学校)
総合8位 22-(23)-11-11-9-4-4-4-21-7
○亀井 嘉文(Mardoch High school)
総合33位 30-20-(38)-23-26-25-30-25-30-(33)
○菅沼 汐音(市原市立ちはら台西中学校)
総合16位 (34)-30-29-16-30-13-513-8-8
●大会サイト:http://www.fsc.com.au/sailing-events/2015-australian-youth-championships/
▲ラジアルで総合13位の西尾。
▲本日オール8位で女子総合2位になった菅沼。
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day3
大会3日目
▲上マーク回航直前の児玉
本日も昨日と同じ様な気圧配置のフリーマントルです。フリーマントル・ドクターはどこに行ってしまったのでしょうか? 南東の風でシフティー&ガスティーの難しいコンデションで3レースが行われました。風は6ノットから16ノットと強弱があり、左右からガストが入ってきます。
今日は4.7チームが頑張りました。岩城は4-4-4として総合7位、菅沼も13-5-13として20位に上がりました。2人の共通点は右、左へと変わりまくる風の中、スタートを失敗しても今の風の状況を把握し、無理せずリフトを走り続けたことです。
ただ、岩城は昨日と同様、スタートでの失敗を今日も繰り返す場面がありました。目標としている世界選手権での上位入賞のためには、スタートは必ず克服しなければなりません。もう少し集団がラインを形成する時間帯を考慮したスタートが課題です。
フリーマントルでのレースも残り1日となってしまいました。明日は今日までのレースでの反省を活かしたレースをしてほしいと思います。
●選手コメント
岩城:「風が振れ過ぎていてよくわからなかったので、シンプルにリフトを走り続けました。」
菅沼:「3レース目では上マーク間違えていた集団を抜きました。今日は少し成績が良く楽しかったです。」
●成績
レーザーラジアル
○西尾 勇輝(和歌山県立桐蔭高校)
総合12位 9-11-6-(37)-9-29-13-13
○豊島 以知朗(大島商船高等専門学校)
総合35位 37-(41)-24-16-33-38-33
○児玉 洋輝(岐阜県立大垣東高等学校)
総合27位 32-31-15-12-(34)-26-34-26
○林 佳奈(日本工業大学駒場高等学校)
総合42位 39-35-37-38-(40)-39-40-38
○荒木 陽菜(佐賀県立唐津東高等学校)
総合39位 36-36-35-(39)-38-37-35-43
レーザー4.7クラス
○岩城 海都 (鹿児島県立開陽高等学校)
総合7位 22-(23)-11-11-9-4-4-4
○亀井 嘉文(Mardoch High school)
総合30位 30-20-(38)-23-26-25-30-25
○菅沼 汐音(市原市立ちはら台西中学校)
総合20位 (34)-30-29-16-30-13-513
●大会サイト:http://www.fsc.com.au/sailing-events/2015-australian-youth-championships/
▲6位でフィニッシュした菅沼。
▲艤装する亀井
▲本日オール4位で総合8位に浮上した岩城
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day2
大会2日目
▲第1マーク回航中の岩城。
今朝は昨日のように陸寄りの風が吹いていました。しかし、天気図をみると等圧線が混んでおり、経度風の影響が強いことがわかりました。
これは昨日と少し何か様子が違うと思い、地元オーストラリアのコーチに聞いてみると「今日は昨日と違って陸の風になるから、シフティー&ガスティーになるよ」とのこと。案の定、昨日とはうって変わって強弱のあるコンデションになりました。
強いところでは16ノットくらい入るのですが、風のないところでは6ノットくらいになってしまうという、非常に難しいコンデションでした。
日本人選手は風が少し弱まり絶好のチャンスでしたが、レベルの高いスタートについていくことができません。日本のレースよりもこちらの方が皆ラインに着くのが早く、日本のペースでいると入るスペースがなくなってしまいます。ほとんどの日本人選手は出遅れでスタートしました。
そんな中、西尾のみ無難にスタートをこなし、シフトに翻弄されながらも今日はシングルを2つ取りました。
●選手コメント
西尾:「シフティーなコンデションで先週のナショナルでは混乱しましたが、今回は落ち着いてコースを引きました。先週よりも少し良くなりましたよね? 2レース目は、勝ちたいがあまり、集団から離れて勝負に出てしまって失敗しました。欲張らなければ10番くらいに入れたのに……」
岩城:「スタートで出られません。みんな待つ位置が高くて……」
明日も今日と同じような天気予報です。風に翻弄されるでしょうが、よく見て誰よりも先に風を取りに行ってほしいと思います。
●成績
レーザーラジアル
○西尾 勇輝(和歌山県立桐蔭高校)
総合10位 9-11-6-(37)-9
○豊島 以知朗(大島商船高等専門学校)
総合33位 37-(41)-24-16-33
○児玉 洋輝(岐阜県立大垣東高等学校)
総合26位 32-31-15-12-(34)
○林 佳奈(日本工業大学駒場高等学校)
総合42位 39-35-37-38-(40)
○荒木 陽菜(佐賀県立唐津東高等学校)
総合40位 36-36-35-(39)-38
レーザー4.7クラス
○岩城 海都 (鹿児島県立開陽高等学校)
総合11位 22-(23)-11-11-9
○亀井 嘉文(Mardoch High school)
総合27位 30-20-(38)-23-26
○菅沼 汐音(市原市立ちはら台西中学校)
総合30位 (34)-30-29-16-30
●大会サイト:http://www.fsc.com.au/sailing-events/2015-australian-youth-championships/
▲海上でアドバイスをうける林。
▲ラジアルで日本人トップの西尾。
▲ミーティングを終え、船に向かう選手たち。
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day1
大会初日
▲レースに向けて艤装中。
「Welcome to Fremantle!!!!!!」今日のフリーマントルはまさに風がこのように言っているような状況でした。風は教科書通りのシーブリースで午後から涼しい強風がレース海面に入りました。1レース目は5~6mの風だったものの2レース目は20Knotを超える風が入ってきました。日本チームは強風が得意な西尾以外は前を走ることができません。正直なところ、レース前このフリーマントルドクターを走り切れるか?と心配になっていたのですがそんな心配を吹き飛ばすように日本人選手はフリーマントルドクターを満喫しました。クローズ、ダウンウインド共にスピードがオーストラリアの選手とは違います。クローズホールドでは「力強さ」、ダウンウインドでは「スピード感」の差を感じます。先週の大人のナショナルのレポートでも書きましたが、これはやはり「強風」での経験の差しかないと感じます。本当にこの毎日のように吹くフリーマントルドクターが恨めしく思います。明日の天気予報も、もちろん「フリーマントルドクター」今日の反省を活かして明日のレースに臨んでほしいと思います。
●成績
レーザーラジアル
○西尾 勇輝(和歌山県立桐蔭高校)
総合10位 9-11
○豊島 以知朗(大島商船高等専門学校)
総合39位 37-41
○児玉 洋輝(岐阜県立大垣東高等学校)
総合33位 32-31
○林 佳奈(日本工業大学駒場高等学校)
総合38位 39-35
○荒木 陽菜(佐賀県立唐津東高等学校)
総合37位 36-36
レーザー4.7クラス
○岩城 海都 (鹿児島県立開陽高等学校)
総合21位 22-23
○亀井 嘉文(Mardoch High school)
総合24位 30-20
○菅沼 汐音(市原市立ちはら台西中学校)
総合30位 34-30
●大会サイト:http://www.fsc.com.au/sailing-events/2015-australian-youth-championships/
▲狭いところから出艇するため、非常に込み合います。
▲フリーマントル・ドクターが吹く中、第2レースがおこなわれました。
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
AYC
オーストラリア・フリーマントルでYachting Australian Youth Championshipsが開催されます。この大会は毎年オーストラリアの各クラスの全豪選手権の後に開催されるユースの全豪選手権です。
▲Fremantle sailing Clubの前で日本選手が全員集合(西尾は写っていません)
●開催地:オーストラリア・マンジュラ Mandurah Australia
●大会日程
1月5日~6日:受付、計測
1月7日~10日:レース
1月10日:閉会式
●出場選手
レーザーラジアル男子
○豊島 以知朗(大島商船高等専門学校)
○児玉 洋輝(岐阜県立大垣東高等学校)
○西尾 勇輝(和歌山県立桐蔭高校)
レーザーラジアル女子
○林 佳奈(日本工業大学駒場高等学校)
○荒木 陽菜(佐賀県立唐津東高等学校)
レーザー4.7クラス男子
○岩城 海都(鹿児島県立開陽高等学校)
○亀井 嘉文(Mardoch High school)
レーザー4.7クラス女子
○菅沼 汐音(市原市立ちはら台西中学校)
●帯同役員とチームサポート
○飯島 洋一(オリンピック強化委員会)
○岡 美江(兵庫教育大学)
●大会サイト:http://www.fsc.com.au/sailing-events/2015-australian-youth-championships/
日本セーリング連盟は毎年、この大会と日本のISAF YOUTH WORLD代表選考会の2つのレースをお互い行き来するAUS/JPN Youth Exchange Programを行っています。
今回は日本から11月の全日本選手権での上位選手ラジアル男子2名、女子2名、4.7各上位1名が、寒い日本を飛び出し常夏のオーストラリアにやってきました。また、地元フリーマントルで留学をしている西尾、亀井の両選手もこの前に行われた全豪選手権に続いて参加します。
レース地のフリーマントルはセーリングをしている人ならばほとんどの人が知っているように1987年にアメリカズカップが行われた場所です。夏はフリーマントル・ドクターという涼しい風が決まって午後から吹きます。これはインド洋の冷たい海水と猛暑の陸地の気温差が生み出すシーブリーズです。今回の大会中の天気予報も期待を裏切らないいい風が吹く予報です。
選手達には目先の成績にとらわれずさらに先の目標を見据えこのフリーマントル・ドクターの元で大きく成長してほしいと思います。
▲プラクティスレースの前に練習を行いました。
▲出艇に向けて艤装中。
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)