49er european
SEIKO 49er級ヨーロッパ選手権
レポート&写真:関 一人
日 程:2010年7月3日~10日
開催地:ポーランド・グディニア
日本代表選手:牧野 幸雄・高橋 賢次組(関東自動車工業 株式会社)
参加艇:26カ国 90艇
帯同NTコーチ:関 一人
大会サイト:http://www.49ereuropeans.org/
準備万端。出陣を待つ牧野・高橋組
すでに行われているRS:X級ヨーロッパ選手権の会場であるソポトから東へ15キロ。同じポーランドのグディニアという町で明日5日から日本のSEIKOが冠する49er級ヨーロッパ選手権が始まります。
こちらグディニアはフィンランド、スウェーデンを結ぶフェリーも就航している港町です。ヨットハーバーの隣には軍港もあり、非常に活気、活力のある町でヨーロッパでは避暑地としても有名です。
大会には26カ国90艇の大フリートが集結しました。
TEAM JAPANとして参加するのは不動のNT、牧野幸雄・高橋賢次組(関東自動車工業)です。
彼らは日本では練習相手もいないため、黙々と基本動作やセッティングの違いを感覚で感じる事など、大会前に自分達でやれることをやってきました。
今回は新しいマストとセールを購入、世界のトップ選手と同等の走りが出来るかを試す格好の機会となります。
無事に計測もパスして準備万端で大会に臨みます。
今日4日は明日からのレースに備えプラクティスレースが行われました。
日本では国体などで行われますが、海外の主要な大会では必ずと言ってよいほど行われます。
このレースは運営サイドの練習の意味合いが大きいですが、選手達にとっても非常に良い機会で、選手によって様々な使い方をします。
・運営の癖(ラインの長さの取り方、上マークの打ち方、場所、下マークの設置するタイミング等)を
自分の目で確認すること。
・どの程度のスタートでリコールを取るか。
・他の選手達はその程度のスピードなのか。
等々言い出したらきりがありません。
当然のことながら、選手ごとに考え方、アプローチが違うので1上でやめる選手、1下でやめる選手、はたまた最後まで走るがフィニッシュラインは切らない選手など様々です。
どのような選手も自分達が万全の態勢でレースに臨めるよう、最終調整しているのがプラクティスレースではないかと私は考えています。
プラクティスレースは風向60~80度、風速6~10ノットのシーブリーズのなか、リコールありでスタート。
我が日本チームはスタートこそ失敗したものの、我慢の展開ができて1上を8位で廻航、下マークまでトップ集団にくらいつきました。
2上で2ノット前後風が上がり、左に振れ始めていた事に素早く気がつき、一番左まで伸ばしタック。オリンピックの金メダリストやワールド入賞者をごぼう抜きし、一気に3位へ。
ランニングもそのままの順位をキープしてフィニッシュ。プラクティスレースとはいえ上々の出来でした。
よい順位を取った事ももちろんよかったのですが、何より彼らにレースに対して自信を持たせることが必要と考えていた私にとって、この結果はまさに「わが意を得たり」でした。
自信がついた後、結果がついてくれば「実力」になります。
明日から本番。自分達の戦いが出来る事を信じて、思う存分戦ってほしいと思います。
ビーチから出艇。海水浴場の一画を区切ったビーチからの出艇。大変賑わっています。
1日目
初日、牧野・高橋組 5-9-BFDの37位発進。
まだまだ、ここから勝負!!
上マークは混戦です。ボートハンドリングが重要なポイントになります。いよいよ大会が始まりました。
こちらに来て9日になりますが、毎日朝から快晴。1日も雨が降らす、海の上もTシャツ短パンでコーチング出来るほどの陽気に恵まれています。
ですが、風には恵まれず、そよそよ吹いているシーブリーズでのレースとなりました。
第1レース、風向90~100°、4~6ノットでスタート。
集団はアウターに出来ているなか、牧野・高橋組は真ん中からスタート。
空いている所から1線で出ているのでスタート後もしっかりと伸ばすことが出来、1上を4位で廻航。トップ集団にくらいつきました。
ダウンウインドも以前よりスピード重視にしたことで集団と離れなくなり、抜かすところまではいきませんが同じ様に走ることが少しずつですが出来るようになりました。
82艇中の5位フィニッシュ。順位より内容が良いレースでした。
2レース目は風向100~110°、5~8ノットでスタート。
1レース目の反省を生かし、ブローに先に入る事を心がけていくが、流れに若干乗り遅れ、1上を5位で廻航。スタート後、日本チームの上を走り、20秒くらい早くタックしたAUSチームがトップでした。9位フィニッシュ。悔しい展開でした。
3レース目はブラックフラッグ(BFD)で失格を食らいました。
ラインの真ん中から出ているのに勝負し過ぎてしまい、たった1艇の失格だったので非常に残念でした。(BFD:42点)
今日、上位を取っている選手達は自分が良いと思ったほうに先に展開していき、風を取った時点で次の風を早く取りに行く展開をしている選手達が多い気がします。
当たり前と言ってしまえばそれまでですが、実行するのは非常に難しいことです。
次の展開のイメージがないと出来ないことであり、また自分がいつブローを掴んでいるのかしっかり解っていないと出来ないことです。
・相手にあわせて一緒に走るだけではなく、風と勝負をしていくこと。
・無難なレースをしていく中で、自分がどこで相手と勝負するのか。
がトップ選手達との勝負の分かれ道になっていると感じました。
初日、牧野、高橋組は37位の発進となりました。BFDは余計でしたが、今回、新しいセールでじっくり調整出来たことで、良いフィーリングを得て自信を持ってレースが出来ている印象を持ちました。
自信が付いてきたら悔しさもどんどん増えていきます。
悔しい経験を沢山積み、明日からのレースに繋げていってほしいです。
勝負はこれからです。
■成績(26カ国/82艇)
牧野 幸雄・高橋 賢次組(関東自動車工業)
5-9-BFD 37位
2日目
牧野・高橋組 通算19位にジャンプアップ。
目指せ、ゴールドフリート!
やればできる!! やはり気持ちの良いものです。大会2日目。グディニアに来て初めての雨が降りました。
雨雲の影響で陸から風が吹き、ガスティーで非常に難しいコンディション。上下3周で4レースが行われました。
第4レース、風向300~320°、13~16ノットでスタート。
レース海面が岸に近い事もあり、岸に近い側となったアウター側からスタート。
しかし、有力選手達はブローの残っている右海面有利とみて本部船寄りから即タックで右海面へ。この時点で勝負が決まってしまい、牧野・高橋組は19位でフィニッシュ。スタート前の海面を見る目で勝負が決まってしまったレースでした。
第5レース、風向、風速は同じコンディションだったのですが、雨雲が左にあり300°の風が中心でスタート。この時も集団がポートスタートをしている中、日本チームは上からのスタートをしてしまい、選択ミス。スタートミスの差を最後まで取り返せず22位でフィニッシュ。4レース同様、海面状況を見きわめる目がなく、展開を決めつけてレースをしてしまったことが裏目に出ました。
第6レース、昨日までの良い成績を取れた事を生かし、真ん中から出て良いサイドが解った時点で伸ばす方法に切り替えることをアドバイス。今回は真ん中からスタートしました。
真ん中を走っていることで、先にブローを取れているトップ10には勝てませんが、その後も集団にくらいつく戦略が奏功して12位でフィニッシュ。
第7レース、牧野・高橋組は見せ場を作ってくれました。
スタートは真ん中からスタート。ファーストブローにのったところでタック。集団を抑える形を作ることが出来、1上を3位で廻航。1下のゲートマークで1、2位艇と逆のマークを廻航し、相手優先ではなくブロー優先のコース取りをしたところ、2上はトップで廻航。
その後も抜きつ抜かれつのデットヒートで最終的には3位でフィニッシュしました。
今まで苦手にしていた風域での3位でしたので本人達も大満足のレースでした。
今日のようにブロー性の海面では
・風を見て人よりも早くブローに乗れる場所に船を持っていけるか。
・そのブローに長くのれるか。
・そのブローのリフトをどれだけ長く使えるか。
で勝負が決まってきます。
世界のトップ選手達はコースミスに気付き、修正するタイミングがとても早いのが印象的です。
逆に良いと思えばとことん自分達のポリシーを貫き、コースを取っていきます。
牧野・高橋組も良い時はしっかり出来ています。悪い時にどれだけ早く気が付くことが出来るか。これがポイントです。
明日は予選最終日、2レースが予定されています。
7レースを終えて昨日のBFD42点減点が消滅。通算順位19位に上がってきました。
頑張っています。気を緩めることなく、先ずはゴールドフリートに入る事を目指し、前を見て挑戦していきましょう。
■成績(26カ国/82艇)
牧野 幸雄・高橋 賢次組(関東自動車工業)
5-9-(BFD)-19-22-12-3 19位
( )はカットレース
トップ選手になればなるほど海面を見ている時間は長いです。
3日目
牧野・高橋組 グレード1のレースで初のゴールドフリート!
まだまだ上に行ける!
急激に風が左に振れた直後。操船の難しいこのクラスでは一大事!!最後まで前を見続けていきます。大会3日目。
昨日と同じくガスティーでシフトも加わる非常に難しいコンディションの中、上下3周で2レースが行われました。
第7レース、風向310~320°、14~19ノットでスタート。
49er級は16ノットオーバーの風になると船を操るのが非常に難しくなり、下位グループの何艇かは沈してしまうほどです。
スタート20秒前に急激に左シフトが入りほぼ全艇がポートスタート。牧野・高橋組は集団上側におり出遅れの形となってしまい、1上を28位で廻航。
普段、彼らはこのコンディションならこのまま終わってしまうことが多いのですが、どっこい、今日は違っていました。ランニング、クローズ共に海面をよく見て、集団ではなく風を優先したことで1レグごとに順位を上げていき最終的に13位でフィニッシュ。
ゴールドフリートに入る執念が見えた粘りのある戦いぶりでした。
第8レース、風向300~310°、12~18ノットでスタート。
ゼネリコを繰り返し、3回目にブラックフラッグでスタート。初日の悪夢もあってか、彼らは無難に出ようとしたせいか積極性を欠き、2線でのスタートとなってしまい、このレースも30位で上マークを廻航。苦しい展開となりますが今日は後から追い上げるレース展開。
あわてず、自分達を信じ、風をしっかりと見ることができ、奮起の18位でフィニッシュ。
暫定順位で計算し、カットレース以外の得点の平均点が12.6点。49er級はゴールドフリートが25位までと決まっており、予選は2グループなので順位を予測すると25、6位。ドキドキしながら成績表を見ると……25位にJPNの文字が!!!!
皆で『ウォー!!』と大騒ぎ!!!
グレード1レースで初のゴールドフリート入りを確定しました。国別順位も悪くありません。
トップ集団の成績を見ると、悪いレースの差が最終的な順位の差となっているのが良くわかります。
ヨットレースはミスした人が落ちていく戦いです。
レースをしている人でミスが全くない人はいません。
トップの選手でもミスはしています。
ミスをどれだけ減らせるか。
ミスにどれだけ早く気が付くことが出来るか。
ミスのケアをどれだけできるか。
まさにここなのです。
今回の予選シリーズは幸いにゴールドフリートに残るというよい結果となりましたが、課題も沢山あります。
今日で明確になったものもありました。
明日からは決勝グループ。
しかもグレード1での決勝。
初めての戦いです。
現ランク最後尾からの戦いになるので果敢にチャレンジしていくのみです。
一つでも前へ向かって挑戦していきましょう。やればできます。
■成績(26カ国/82艇)
牧野 幸雄・高橋 賢次組(関東自動車工業)
5-9-(BFD)-19-22-12-3-13-18 25位
( )はカットレース
4日目
ゴールドフリートの洗礼
後半2レース、8m〜9mの風に苦戦
写真一番右のFRAがリコールでした。他の選手も攻めているのが解ります。49erでこれを維持するのは非常に難しいです。暫定1位の選手なので黄色のビブを着ています。大会4日目。
本日から決勝ラウンド。決勝ラウンドは3グループに分かれ、上下3周で4レースが行われました。
第9レース、風向305~320°、5~9ノットでスタートするも途中で風がなくなりノーレース。
2上まで8位廻航していたので残念なレースとなってしまいました。
気温が上がり、暖かくなってきた所に10°~20°、10~13ノットの風が入り、仕切り直しでスタート。
この風だと牧野・高橋組は他艇に対して遜色ないスピードを持つことが出来ているので両選手とも周囲を見る余裕があり、1上を5位で廻航。ランニングは若干角度を落とせないようで徐々に順位が落ちていってしまいますがクローズで盛り返す展開となり、何とか9位でフィニッシュしました。
初のゴールドフリートで上々の滑り出しをみせます。
ですが世界のトップ選手達が集まる戦いは甘くはありません。
第10レースは真ん中から絶好のスタートを見せましたが、痛恨のリコール・OCS。
半艇身出ているかどうかという微妙な位置でした。
第11レース、風向10°~20°、14~19ノットと風速が上がり、波長は2メートル、波高は1,5メートル。49erはランニングの際、波を乗り越えていくので波長が短いとバウが刺さり易く、非常に難しいコンディションでした。
2上を8位で廻航するもジャイブで痛恨の沈。残りのレグでも挽回する事が出来ず、22位で終えました。
このレースでジブシートが切れてしまい、交換を余儀なくされましたが予備のジブシートを積んでおらず、予備のメインシートを改良してなんとか事なきを得ました。
風が強くなり、本部船が移動していたことでレースとレースの時間が普段より多かったことも幸いしました。
第12レース、風向10~25°、10~16ノットと風が少し落ちたコンディションとなりましたがスタートを失敗。このレベルだとスタートの失敗を補うのは容易ではなく、1上から下位でのレース展開。徐々に上位と差を広げられ17位でのフィニッシュとなりました。
今回、グレード1で初めてのゴールドフリートでの戦いをしていますが、トップ選手達は船を止めずに走らせる感覚、レースの戦い方を良く知っているなと感心しました。
・どこで集団と勝負するのか。
・どこで自分が一番良い風を受けるのか。
それぞれの選手達がポリシーを持って戦っています。
日本の選手達も出来ないわけではありませんが、基本となること
・船をフラットにすること
・船を揺らさないこと
・スピードを落とさないこと
・風を見ること
・波に合わせること
の差が歴然としており、じわじわと差が広がっていってしまうのが現状です。
具体的にどこが悪いのかは選手達と話をしていくと少しずつですが見えてくることがあります。
今回も世界のトップ選手達と切磋琢磨出来る非常に充実した時間を過ごしていくことが出来ています。貴重です。
残り4レース。海外でしか得られないレース感、展開、速さを体感し、少しずつでも前に進んでいってほしいと願っています。
■成績(26カ国/82艇)
牧野 幸雄・高橋 賢次組(関東自動車工業)
5-9-(BFD)-19-22-12-3-13-18-9-OCS-22-17 24位 国別14位
( )はカットレース
5日目
決勝ラウンド2日目。
3レースともオールシングル
この真剣さが伝わりますか?写真右上のアドバルーンにビデオが付いており、空中からレース撮影をしています。大会も5日目を迎えました。
決勝ラウンドも2日目。本日は上下2周で3レースが行われ、本日の牧野・高橋組は素晴らしいパフォーマンスを見せくれました。
第14レース、風向80~85°、5~9ノット。
昨日までの反省から自分達が確実に出られる真ん中からスタートし、左海面へ。今日のコンディションでは海外の選手達より上り角度があるようでそのままよい所まで伸ばす事が出来、1上を6位で廻航。その後も順位を守り切り、6位フィニッシュ。本人達も『よく上ります。』と言い切れるボートスピードだったようです。
第15レース、風向80°~90°、4~8ノット。
14レース目のスタートが1.5艇身程度へこんでいたこと、ランニングの乗艇位置が他の選手より体半分前にあることを伝え臨んだところ、またもや真ん中から抜群のスタート。
しかしX旗が揚がり、一番出ていた選手が戻っても旗が下りず、不安がよぎります。今大会は上マークでリコール艇が呼ばれ排除されるシステムなので、私はドキドキしながら上マークへ。彼らはヤバいと思いつつ、ふっ切ってレースをしていたそうです。
14レースと同じく、左海面を使い、伸ばしきったところでタック。左海面の風が若干強いようで1上を4位で廻航。ランニングで他の選手にかぶせられ、集団より早めにジャイブしてしまったのが裏目に出てしまい、下マークは7位で回っていきますが2上でまたもや左奥まで伸ばすことに成功。5位へあがり、そのままフィニッシュ。
リコールしていなかった安心感とランニングの乗艇位置を後ろにしたことで風下へ落としやすくなり、他艇と同じアングルで走れるなど精神的に楽にレースが出来た様子でした。
第16レース、風向70°~80°、5~7ノット。
気を良くした牧野・高橋組、このレースも真ん中の空いている所から出ようとしますが、スタート30秒前に他艇に入られてはじかれてしまい、最後尾からポートでスタートし、右海面へ。集団は前レースまで良かった左海面へ展開していきます。周囲の艇がすべていなくなった後、他艇のクルーがオンデッキでふらふらしている中、1艇だけ二人ともトラピーズに乗っている。
『もしかして…』と思いつつ上マークへいくと何と5位で上マークを廻航。
その後も順調に廻航し、フィニッシュへ向かいますが、トップがフィニッシュした直後、一気に風がなくなり、全艇ストップ。我慢大会となります。
潮流が本部船からフィニッシュアウターへ向かって1分間に10メートル前後流れていたのでアウター周辺は大混戦。日本チームは混戦の中何とか6位でフィニッシュ。
しかしレース委員会からアウターボートにぶつかったとプロテストされ、審問しましたが結果は出ず、明日再審問となりました。
(第16レースの6位は現段階では暫定となります。)
本日だけの成績だと3本の指に入る好成績。自分達の得意なレース展開が出来たこと。相手に負けない風域を作ることが出来たことは一歩前進です。
明日もまだ1レースあります。最後まで前を見て進みます。
■成績(26カ国/82艇)
牧野 幸雄・高橋 賢次組(関東自動車工業)
5-9-(BFD)-19-22-12-3-13-18-9-OCS-22-17-5-5-6 19位 国別11位
( )はカットレース
最終日
牧野・高橋組、世界の強豪相手に
大健闘の総合19位
抜群のスタート! ラインのイメージがしっかり出来ていました。上側に見えるのは別グループのランニング。日本でも見たいです。大会6日目、最終日です。本日はフリートレースが1レースと上位10艇によるメダルレースが行われました。
レース前、前日の審問の続きが行われました。気になっていたフィニッシュの際のマークタッチについての審問です。日本チームの外側にいたカナダチームを呼んでの再審問だったのですが、カナダチームが十分にルームを与えなかったという認定となり、カナダチームが失格。日本チームは昨日の順位が正式順位となりました。
第17レース、風向90~95°、4~6ノット。
先日から絶好調の牧野・高橋組、本日も素晴らしいスタートを見せてくれました。写真の通りなのですがラインは風向に対してイーブンに打たれていたのに上側からはっきり見える位置でスタートしているのは集団がへこんでいてもしっかりラインが見えている証拠です。
ブローが真ん中右から入ってくる海面で上が少しずつ伸びていく中左サイドに展開していき、1上を10位で廻航。ランニングも昨日の反省を生かし、乗る位置を後ろにしたところ、他の選手達と同じように走れるようになり、順位をキープ。
2上でのコース展開も他の選手に惑わされることなく、自分達のポリシーを貫き左海面の展開、8位へあがり、そのままフィニッシュ。最終レースもシングルでまとめる素晴らしいレースをすることが出来ました。大健闘の総合19位です。
今大会、今までと全く違うレースをすることが出来ました。前回から変わったのは新しいセールとチューニング。艇速が少しでも他の選手達と近いものにすることが出来れば十分戦える。
このチームになってから「やってきたことが間違いではない」ということが確信できた大会でした。
日本で1艇で基本動作、基本練習を反復して行ってきた成果と感覚が良くなってきたことで微妙な違いの理解が出来るようになったことが大きいと思います。と、言ってもまだまだ発展途上のチームです。
これからも前を見て進んでいってくれると思います。伸びしろは無限です。
次は8月の英国・スカンジアの大会です。
今大会期間中の応援を有難うございました。
■成績(26カ国/82艇)
牧野 幸雄・高橋 賢次組(関東自動車工業)
5-9-(BFD)-19-22-12-3-13-18-9-OCS-22-17-5-5-6-8 19位 国別11位
( )はカットレース