最終日
Edit:オリ特 広報
Photo : 中嶋一成
無事閉幕
470級 原田・吉田組の完勝
他NTもパースへの手応え十分
レーザー級優勝は韓国・HA選手、2位に安田が順当
レーザーラジアル級は蛭田 貫禄の優勝
2位にNT HOPE・土居
出艇を待つ参加艇群原田・吉田組10月23日・大会最終日
前夜の雨風がもたらした南からの高いうねりが終日レース海面に残っていました。気温も20℃を超えましたが曇天。200°方向から来る風は見た目ほどは強くなく、鎌倉沖のシングルハンドクラスは最大でも16ノット、江の島沖のダブルハンドクラス海面は14ノット止まりでした。
こうしたコンディションになると各クラスとも当然のことながら練習量豊富な歴戦の実力セーラーたちが余裕の走りを見せます。とくに五輪種目クラスはNT選手たちが存在感を示し、学連チームとの力量差を存分に見せつけました。NT選手と戦う機会がなかなかない学生世代セーラーにとっては大きな目標となったと思います。また目前に五輪参加国枠と日本代表の座獲得を控えたNT選手らの走りは大一番に向けての準備万端ぶりを物語っていました。
スナイプ級、モス級を含めた全7種目、各世代を通した310名を超えるセーラーが一堂に会した国際レガッタ・江の島オリンピックウィーク2011は近年にない盛り上がりを見せ、成功裏に閉幕しました。
なお、大会成績は公式サイトの英語版サイトに掲載されています。
http://www.f-ssc.com/eow2011results.htm
●470級
3レースが行われ、計8レース消化のため2レースがカットとなりました。絶好調の原田・吉田組は今日も1-1-1。6レーストータル6点の完勝となりました。2位には3-3-2の松永・今村組が14点。3位には前田・野呂組が26点で上位は前日順位と変わりませんでした。4位は女子の吉迫・大熊組が6-5-8の28点で男子NTの渡辺・八山組を抑えて入り、女子1位の栄冠を獲得しました。力強い走りは健在でした。欠場の近藤・田畑組との戦いは12月のパースに持ち込まれました。6位7位には日経大の今村組、土居組が入りました。次代の星として期待が出来ます。
●49er級
前日の4レースにて全日本大会が成立しこともあり、今日は海面のコンディションを考慮してレースは行われず、前日の成績で大会順位が確定しました。唯一のNT牧野・高橋組がパースでいかに戦うか?彼らの活躍に期待したいと思います。
●レーザー級
3レース。アジア大会金メダリスト、韓国のHa選手が2-1-1で圧勝。長身でしなやかな身体は艇と一体化して自在な走りを随所に見せていました。2位はNT安田が4-2-2で入り、3位には2010NTの斉藤大輔、続く4位には同じく永井久規が1-8-5で入りました。現NTの城航太は6位でした。
●レーザーラジアル級
3レース。前日首位のNT-HOPE高校生の土居愛実が強い風でいかに走れるかに注目が集まりましたが、14ノットを超えた今日はNT蛭田香名子と2010NTの長谷川哲子に一日の長があり、前を走らせてもらえませんでした。3-3-4の総得点12点で、優勝を1-2-1の蛭田(9点)に譲りました。次の五輪を目指すためには今の長身にさらなる体重増が課題です。3位には2-1-3と猛追した長谷川が2点差の14点で入りました。
●スナイプ級
本日3レース
1位 加藤・杉浦組 2-3-5 10点
2位 白石・上田組 4-6-4 12点
3位 井上・カワイ組6-2-1 14点
●レーザー4.7級
本日3レース
1位 オカダケイジュ 1-1-1 7点
2位 サトウヒロキ 2-5-9 14点
3位 クニミアヤコ 3-7-3 20点
●420級
本日3レース
1位 角田・古谷組 1-1-1 4点
2位 新谷・馬渡組 2-2-2 14点
●モス級
本日のみ4レース
1位 後藤 1-1-1-1 4点
2位 サカマ 2-2-2-3 9点
3位 鈴木 DNS-6-3-4 23点
渡辺・八山組と松永・今村組のデッドヒート470女子優勝の吉迫・大熊組
レーザー級優勝 韓国のハ選手レーザーラジアル級優勝 蛭田選手
レーザーラジアル級2位 土居選手スナイプ優勝 加藤・杉浦組
うねりの中のスナイプフリート終了後行われた42条講習会
表彰式
470級勝者
2日目
大会開幕470級 ベスト3に男子NT
点差開いて4位に日経大・土居組
レーザー級トップに韓国NTのHA選手、2位にNT安田
レーザーラジアル級トップにNT女子を抑えて
高校生NT HOPEの土居愛実
10月22日・大会第2日
本日から五輪種目の49er級、レーザー級、レーザーラジアル級の3種目、そしてスナイプ級、ジュニア種目の420級とレーザー4.7級の3種目が加わり全7種目が勢揃い。10時過ぎの江の島ヨットハーバースロープは大混雑。大規模大会にふさわしい光景がその賑やかさを物語っていました。
朝からの天気は陽が射したり、小雨が降ったりと一向に安定しません。3海面に分かれた
レース海面は北寄りのいわゆる雨ベタ。11時過ぎに心持ちパフが入り始めてようやくレースが開始となりました。しかしながら走ってはみたものの悩ましい超微風が海面を支配してその振れが選手たちを翻弄しました。470級、スナイプ級の最初のレースはフリートの約半数がDNFとなってしまいました。その後、風はまったくの無風となり南風が入るまで海上待機を余儀なくされました。
天気は回復。14時前になり、沖から180°~190°の弱風が到来、各海面ではレースが再開されました。海面によっては10ノット前後の風が安定して入るようになりましたがそれも15時過ぎのレース終盤になってからでした。
●470級
本日2レース。全5レース消化のため1レースのカットレースが生まれました。前日首位発進の原田組は2レースとも想定外の学生チーム(同志社大)にトップを取られてしまいましたが、微風の中でも安定した走りは健在で2-2、総合得点5点で2位の松永組に8点差をつけ首位を堅持しました。3位にはNTの前田組(18点)、4位には日経大の土居・磯崎組が入りました。初日3位の女子NT吉迫組はDNF-41に沈み総合7位に後退してしまいました。
●49er級
物足りない風の中、4レース実施。唯一のNT牧野・高橋組(関東自動車工業)が2-1-1-1で捨てレース1の得点3点で当然の首位に立ちました。第1レースで牧野組を破ったオリンピアンコンビ中村健次・飯島洋一組が1-2-3-2の2位、同じく関一人・佐々木共之組が3-3-2-3の3位に位置しています。
●レーザー級
3レース。昨年のアジア大会金メダリスト、韓国のHa選手が貫録の2-1-3。勝って当たり前の首位に立ちました。2位は体重を5kg増量したNT安田真之助(鹿屋体育大)が6-4-1で入り、3位には元NTの斉藤大輔、続く4位にはユース世代のNT-HOPE南里研二が4-3-10で入りました。現NTの城航太は23-8-2で出遅れています。
●レーザーラジアル級
3レース。神奈川ユースYCの高校生NT-HOPEの土居愛実が1-1-5を取り、2人の女子NTを抑え総合トップに立ちました。男子高校生セーラーたちを後位に従え走る姿は微風コンディションとは言え「恐るべし女子高校生セーラー」そのものでした。
●スナイプ級
1位 白石・上田組 1-3
2位 加藤・杉浦組 3-2
3位 田辺・目黒組 2-12
●レーザー4.7級
1位 サトウヒロキ 1-1-5
2位 オカダケイジュ 3-3-1
3位 ナカマコウヘイ 4-8-2
●420級
1位 角田・古谷組 1
2位 樋口・高井組 2
1日目
大会開幕
際立つ470級男子 2強のスピード
女子・吉迫組 好調、総合3位発進
10月21日・大会第1日
JSAFと神奈川県連共催の国際グレード2大会、34年の歴史を誇る伝統の「江の島オリンピックウィーク」が始まりました。
大会の詳細は公示http://www.f-ssc.com/2011EOW_NOR_J.pdfをご覧ください。
本日21日は470級(男女混走)のみがおこなわれました。エントリーはJSAF男女ナショナルチーム7チームと2012年470級ジュニアワールド日本代表選考が懸った学連上位校を合わせた53チーム。ナショナルチームは12月の西オーストラリア・パースでおこなわれるISAFワールドを前にした各チーム間の力量を図る大会、学連チームはインカレを前にしたプレイベントといったそれぞれが目標を持った競技会の構図です。
プレ五輪金メダルの注目の女子近藤・田畑組は前々日の練習で田畑が指を負傷(右親指突き指)、大事を取って今大会出場を回避しました。
レース海面・江の島沖は曇天、気温16℃、北寄りの風が平均12ノット~14ノット。ガスト17ノットの絶好のコンディション。
陸からの風のため海面もほぼフラット。風軸20°~35°で予定通りの3レースがおこなわれました。
結果、男子NTの原田・吉田組(アビームコンサルティング)が1-1-1の完勝。2位には原田組に終始肉迫した走りを見せ2-2-2のNT松永・今村組(スリーボンド)。3位には宿敵・近藤組不在の中、男子の上位チームに負けず劣らずのスピードを持って迫力ある走りを見せた女子NT吉迫・大熊組(ベネッセ)が3-3-3で入りました。4位は和歌山インターナショナルレガッタでNTに復帰した前田・野呂組(SPN)でした。
際立つスピードセーリングを見せ3レースとも3位以下を大きく離す男子2強のレース展開ばかりが目立った初日の470級でしたが、学連チームの雄、今村・外薗組(日本経済大)が8-5-5で5位、同じく土居・磯崎組(日本経済大)が7-8-6で7位に割って入ったことは大きな収穫でした。明日以降の走りに注目です。