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Garda regatta


エキスパート・オリンピック・ガルダレガッタ

レポート:斉藤 愛子

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日 程2010年5月12日~16日
開催地:イタリア・ガルダ湖
日本代表選手
 ●470級男子 10ヵ国 29艇
  原田 龍之介・吉田 雄悟組(アビームコンサルティング)
  市野 直毅・吉見 亮平組(ケアマネジメント・栄和)
 ●470級女子 7ヵ国 13艇
  近藤 愛・田畑 和歌子組(アビームコンサルティング)
  吉迫 由香・大熊 典子組(ベネッセコーポレーション)
 ●レーザー級 28ヵ国 95艇
  ホール イアン(フリー)
  安田 真之助(鹿屋体育大学 在学)
  斉藤 大輔(秋田県セーリング連盟)
 ●レーザーラジアル級 15ヵ国 32艇
  蛭田 香名子(豊田自動織機)
  高橋 香(福島県セーリング連盟)
  長谷川 哲子(豊田自動織機)
 ●RS:X級男子 10ヵ国 16艇
  富澤 慎(関東自動車工業)
 ●RS:X級女子 3ヵ国 3艇
  須長 由季(ミキハウス)
 ●49er 12ヵ国 23艇
  牧野 幸雄・高橋 賢次組(関東自動車工業)
帯同NTコーチ:中村 健次・斉藤 愛子・宮野 幹弘・関 一人・飯島 洋一
大会サイト:http://expertolympicgarda.fragliavelariva.it/



12日からエキスパート・オリンピック・ガルダ大会開幕
ナショナルチーム7クラス13名が参加

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5月12日から16日までイタリア・ガルダ湖でエキスパート・オリンピック・ガルダレガッタ(ISAFグレードⅡ)が開催されます。ユーローリンプシリーズの大会で、ロンドン五輪全クラスがおこなわれます。日本からはナショナルチーム7クラス13艇・18名が参加します。

1005_garda_01.jpgイタリア北部のガルダ湖、リバ。ミラノの北北西200km。ガルダ湖はセーリングの盛んな場所で、470、レーザー、レーザーラジアル、49erはリバ、ウィンドサーフィンのRS:Xは2006年に世界選手権が開催されたトレボレがベースになります。

 RS:X級女子は2006年の世界選手権で優勝したアレサンドラ・センシーニ選手(イタリア)が、本日ふらりと大会会場に現れ、急遽この大会に参加することになりました。エントリーは3艇。須長はほとんどマンツーマン状態でワールドチャンピオンと合わせることに意欲を燃やしています。

 RS:X級男子の富澤は2008年に同じ大会で優勝しており、今回はマイアミOCRで負けているアルゼンチンの選手を打破しての優勝が目標です。RS:X級は過日のアイスランド火山噴火の影響をうけ、4月からの遠征を延期、今回が欧州遠征初戦になります。

 470級男女は日本とイタリアのエースがそれぞれエントリーしています。原田組はザンドナ組、近藤組はコンティ組との一騎打ちになるのではないでしょうか。また、男子ではルーカス(アルゼンチン)とスイス(元・アルゼンチンの選手)が、女子では吉迫組が上位争いに加わってくるものと思われます。

 レーザーラジアル級女子もこの大会が欧州遠征の初戦になりますが、強豪のスペイン、リトアニア、メキシコ、イタリア、と上位選手が揃いました。少数(32艇)の大会で、トップセーラーとしっかりレースをすることが目標です。

 レーザー級は100艇近いビッグフリートで、予選2グループです。ワールドカップ4戦のイエール大会(4月末)と比較するとトップ選手の数は少ないものの、層が厚いレーザー級では実力者が揃っていることに変わりありません。イエールの弱い風に翻弄された安田はガルダに着いてから軽風での練習を重ねてきました。成果に期待です。

 49er級は2008年に石橋のクルーで優勝している牧野が今回はスキッパーでの参加です。イタリアのエースであるピエトロにどこまで勝負できるかです。

 気象予報はかんばしくありません。初日から弱い風、雨、変化の多い天気となりそうです。明日から、各エリアのコーチ陣合同でレースレポートを送りします。



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1日目


雨・風に翻弄され、初日は全クラスともノーレース

1005_garda_05.jpg1005_garda_06.JPG風待ちの間に手作り弁当を食べる安田。イタリアの食べ物はおいしいと食欲旺盛です。初日は13時スタート予定ながら、風向が定まらず、海上待機。14時半頃から山の上が黒くなり、前線通過と強い西風、スコールのような雨の来襲となりました。その後はまた無風。16時半まで待ちましたが、結局、レースができずにAP+A旗があがりました。RS:X級はその後も陸上待機でしたが、同じくスタートできずに終わりました。

 今回はC海面にRS:X、B海面にレーザーとレーザーラジアル、A海面に470男女と49erが割り当てられています。一番遠いA海面の艇が14時40分頃から突然、西岸よりに集まり始め、崖下に避難しだしました。地元の選手の話では、「前線が通過すると、レース海面の西側の谷筋から40ノットオーバーのガストが吹きだし、少ししたら止んで、谷筋をはずした崖に近い場所がブランケットになるから、そこへ避難する」とのことで、日本選手もあわてて曳航して西風の陰になる場所へ避難しました。確かに、沖は白波の場所がありましたが、崖下は問題なしで、風をやりすごすことができました。強いところでも25ノット程度で、さすがに40ノットは吹いてきませんでした。しかし、次に来たのは周囲が見えなくなるほどの雨。これには耐えるのみです。まさに高いところから落下してくるような雨でした。

雨が止むと風は北からとなり、しかも弱くなりすぎてしまいました。それだけでも、もう今日はレースができない気配だったのですが、一度、陸へあがった470はレースを引き続きスタートさせようと努力しているレースコミッティーの期待に応えて、猛スピードで曳航されてレース海面に向かっていました。しかし、南西からは次の黒雲がじわりじわりと近づき、不安が。また、あの雨に打たれるのだけは・・・。その後も雲の影響で、風に翻弄され、結局、レースは明日に延期となりました。

明日は、11時スタート予定を9時に変更し、レーザーはグループ分けをなくして1グループでレースをすることになりました。朝、8時(日本時間:15時)には出艇となりますが、早い時間だと山からの安定した風が残っている可能性が高いと思われます。3レースができることを期待しています。

2日目


THE WINDS HAVE ARRIVED. 
いよいよレガッタ開幕。ダブルハンド勢、好発進。

2日目は9時スタート予定でしたが、風がなく、陸上や海上で待機。ようやく10時半から安定した南風10から15ノットが入り始めました。いよいよレガッタが開幕となりました。今日は49erが4レース、その他のクラスは3レースがおこなわれました。
日本チームはダブルハンドクラスが好発進しました。

1005_garda_07.jpg攻めのスタート直後、下スタート即タックのシーンです。この流れに乗れないと大きく順位を落とす事になります。 先ず、470級男子のレースを見ていた中村健次ナショナルコーチの報告です。
『原田組は1マークをそれなりの順位の回航となっても、今年に入ってダウンウインドのコース取りとスピードが良くなり、フィニッシュまでに順位を上げて来ます。自信のなせる技です。市野組は3レース目がリコールでしたが、そのレースはトップでフィニッシュしました。彼らは若さを武器にどんどん前を走る意欲でレースに臨んでいます。当面はこれが良いと思います。女子の近藤組は1レース目、15ノットオーバーの良い風にもかかわらずパンピングフラッグが掲揚されず、スタート直後に当然のごとくキネティクスで走らせていたところ、ロッキングをとられてしまい、42条ペナルティーを受け、順位をおとしてしまいました。470級は男女同時スタート(35艇)で、女子順位は女子の成績だけを抽出してつけています。吉迫組がトップ発進です。彼女たちは、スタート前からの戦略をしっかり立てる事、負けん気をどれだけ出せるかにかかっています』

1005_garda_08.jpg49erの上マーク回航、やっぱりカッコイイ!! ガンバレ牧野・高橋 ガルダ湖は南からの風がアルプスへ向かって谷筋をあがってくる場所です。地形の影響を受けた特有の南風で、崖に突っ込むのがセオリーとなっています。スタートラインに大きく有利、不利がでた場合、写真の様な下スタートの即タックが必要になります。49erはタックのロスが有るのでポートスタートになります。このような特殊な海面ではレーシングルールを守る事によって大きく順位を落とす事もあります。コースが決まってくれば、選手それぞれが、どこでどのようにスタートするか分かっていますので、全体の流れを掴めないセーラーは前を走る事が出来ません。



1005_garda_09.JPG日本人選手は海外選手に負けじと頑張ります。ほんの少しだけ走りが良くなりました。 レーザー級のイアンは1レース目にスタートでケースに巻き込まれ、安田は2レース目に慌てた瞬間にメインシートを放して沈をしてしまいました。いつものように落ち着いてスタートし、レースをこなせば他のレースのように20番台でフィニッシュができるはずです。明日はもう少し落ち着いてレースをしてほしいと思います。日本選手は、まだまだトップ集団とは技術に差があります。少しずつ海外選手から良いところを吸収しながらレースを学習していってほしいと思います。

1005_garda_10.jpg沖での風待ち。「待ちくたびれてます。」レーザーラジアルの高橋香 レーザーラジアル級はダウンウィンドで落として伸ばせないことが苦しい展開を招くことになりました。高橋香はアップウィンドの展開はそれなりにできましたが、ダウンウィンドで的確なトリムができず、大きく順位を落としてしまいました。昨年のワールド以来の海外初レースになる蛭田は徐々に自分のペースでレースができるようになってきました。レーザーやラジアルは欧州での競り合いをこなしていかなければレース展開のテンポについていくことができません。今日、面喰ったことを、明日は対応できるようにしていくことが重要です。

 RS:Xクラスはエントリーが少ない(11艇)ため男女混走です。3レースとも風向190-200・風速14から16ノットの中でおこなわれました。男子・富澤は2位発進となりましたが、実は3レース共に思うようなコースを引くことができませんでした。1レース目は何とか得意のフリーで挽回しトップでフィニッシュしましたが、課題は残りました。女子・須長は2レース目でイタリアのセンシニ選手とバトルを繰り広げ、彼女に続き9位でフィニッシュしました。アップウィンドでは互角に競う事が出来ますが、ダウンウィンドで離されてしまいます。こちらも課題です。と言っても、二人ともに手ごたえは感じているようです。明日からに期待をします。

明日は4レース(49erは5レース)が予定されています。
当地ガルダは、日中は日なたで夏を感じますが、日陰や朝晩は10℃以下に下がります。


■日本選手の成績
●470級男子 9カ国 23艇 本日3レース
 原田龍之介・吉田雄悟(アビームコンサルティング) 1-4-8  3位
 市野直毅・吉見亮平(ケアマネジメント・栄和) 5-13-OCS 14位

●470級女子 7カ国 12艇 本日3レース
 近藤愛・田畑和歌子(アビームコンサルティング)3-1-4 2位
 吉迫由香・大熊典子(ベネッセコーポレーション)2-2-1 1位

●レーザー級 25カ国 77艇
 イアン・ホール(フリー)51-30-34     37位
 安田真之助(鹿屋体育大学 在学)28-61-26 36位
 齋藤大輔(秋田県セーリング連盟)56-54-33 48位

●レーザーラジアル級 11カ国 26艇
 蛭田香名子(豊田自動織機) 16-13-16   15位
 高橋香(福島県セーリング連盟) 18-19-17 18位
 長谷川哲子(豊田自動織機) 24-23-24   23位

●RS:X級  7カ国 11艇 本日3レース(男女合わせた成績です) 
 富澤慎(関東自動車工業)1-2-3 2位
 須長由季(ミキハウス)10-9-9  9位

●49er級 11カ国 21艇 本日4レース
 牧野幸雄・高橋賢次(関東自動車工業)6-3-2-4 2位


1005_garda_11.JPG朝の微風の中、出艇していく470。ガルダ湖は断崖絶壁に囲まれた綺麗な湖です。
1005_garda_12.jpg470級とは違い、タックのロスを考えトップレベルのチームはポートでスタートラインを切って行きます。1005_garda_13.jpg中村健次、関、飯島が2艇のエイボンに乗込み、49erとレーザーのサポートをしています。

3日目


JPN ダブルハンド勢・5組ともに 
ベスト10内をキープ

 3日目。9時頃から南風が吹き始め、スタート時刻の10時半には13ノットを超えるガストが入るようになってきました。その後も15ノット、10ノットを繰り返し、14時には南からストームが入り、25ノットオーバーの突風が吹き荒れ、全艇ハーバーへ帰着して避難しました。
今日は470男女と49erは4レース、レーザーとレーザーラジアルは3レース、RS:X男女は2レースを行いました。NTダブルハンド勢が好調をキープしています。
(レポートは各エリアでNTをサポートしているコーチ陣からです。)

1005_garda_14.jpg470級のスタート直後、ここガルダはスタートで大きく成績が変わります。ガンバレTeam Japan470級男女(中村健次)
ここガルダはスタート前から行くサイドが決まっています(7割)から、当然のようにスタートのポジションもどこから出るか決まってきます。そこで、強気で良いスタートをしないと、フリートの前を走る事が出来ません。
・近藤・田畑チームは2-1-3-1で通算1位、市野・吉見チームは3-5-19-3で9位に浮上。ともにスタートが良く、成績にもそれが表れています。
・原田・吉田チームはスタートで失敗しても、風を見る力があります。ワンチャンスをモノにして、順位を上げて来ます。8-2-7-8で通算3位。
・吉迫・大熊チームはボートスピードには問題がありませんが、スタートの競り合いで一歩引いてしまい、順位が安定しません。3-5-(9)-2で2位。願わくば、もっと強気で行って欲しいと思います。

1005_garda_15.jpg49er:世界ランク2位のイタリアチームを押さえてフィニッシュ。49er級(中村健次)
牧野・高橋チームは、上りでのボートスピードはあるものの、上り角度が少しトップチームより劣っていたので、リーチテンションを強く(タイトリーチ)して今日のレースに臨みました。写真にも映っている様に角度、スピード共に上位と遜色ないところまで来ました。4-(8)-3-4で4位。
あとはレースに沢山出てスキルアップをする事が重要です。



1005_garda_16.jpg2月鹿児島で行われた選考レースをダントツの成績で通過したイアンも苦戦を強いられています。レーザー級(飯島洋一)
今日もレーザーはハイクアウトコンデションでした。上マークまでは1.6km。非常に長くタフなレースが続きます。男子NTは中位から抜け出ることができません。安田は15番くらいで上マークを回ることもありましたが、ダウンウインドで順位を下げてしまいます。安田はダウンウインド、イアンはスタート、そして斎藤はクローズホールドでの走りと各選手とも課題を持ってレースをこなしています。コースについてはガルダ特有の風に翻弄されていますが、「こういう所もある」と考え、立ち向かってほしいと思います。

1005_garda_17.jpgストームが南から迫る中、フィニッシュへのリーチングで突っ走る蛭田レーザーラジアル級(斉藤愛子)
女子NT3名にとって、15分のアップウィンドレグはきついハイクアウトの連続です。トップ7艇が世界選手権でもトップ10に入るような強い連中ですから、スタートからのスピード競争は良い刺激になります。昨日のレースを振り返り、ダウンウインドのコース取り、シートトリムを修正しましたが、蛭田はその効果がでて、10番争いの集団の中では負けない走りになってきました。上位陣がOCSになったレースと第6レースでは第2集団のトップとなる8位でフィニッシュしています。高橋香はアップウィンドでのコース組み立てはガルダの特徴を理解してきましたが、ダウンウインドでシートトリムが出し足りなく、あと一息です。長谷川は走りに元気がなかったのですが、第6レース(14位)でやっと自分の走りが戻りつつあります。

1005_garda_18.jpgシンシーニ選手の前で上マーク回航RS:X級(宮野幹弘)
男子・富沢は通算2位にいますが、本日の2レース共に良いスタートが出来ない事で、自分の思うようなコース取りを取ることができませんでした。またプレーニングコンディションであったのに角度を気にしすぎてしまい、スピードにも乗れず、首位に立つ事が出来ませんでした。もう少し広い視野でレースを見る事が重要になってきます。
女子・須長は、1レース目2上までセンシ二選手(伊)の前を走っていましたが、最後の下りで、ガスティーなコンディションの中、風を見ながらプレー二ングを維持してきた同選手に抜かれてしまい、残念な思いをしました。ダウンウインドでのスピードを維持して、深く下っていく事をレースの中で学んでほしいと思います。


明日はフリートレースの最終日です。470男女が3レース、49erが4か5レース、レーザーとレーザーラジアルが4レースを予定しています。10時半(日本時間17時半)スタートです。RS:Xは12時スタートで4レース予定です。天気は不安定で、明日は西風の予報がでています。ガルダに西風が吹くとしたら、谷筋からのガストが要注意の1日になるのでしょうか。


■日本選手の成績
●470級男子 9カ国 23艇 本日4レース
 原田龍之介・吉田雄悟(アビームコンサルティング) 1-4-(8)-8-2-7-8   3位
 市野直毅・吉見亮平(ケアマネジメント・栄和) 5-13-(OCS)-3-5-19-3  9位

●470級女子 7カ国 12艇 本日4レース
 近藤愛・田畑和歌子(アビームコンサルティング)3-1-(4)-2-1-3-1 1位
 吉迫由香・大熊典子(ベネッセコーポレーション)2-2-1-3-5-(9)-2 2位

●レーザー級 25カ国 77艇 本日3レース
 イアン・ホール(フリー)51-30-34-26-(57)-33     38位
 安田真之助(鹿屋体育大学 在学)28-(61)-26-20-41-26 30位
 齋藤大輔(秋田県セーリング連盟)56-54-33-(60)-45-52 56位

●レーザーラジアル級 11カ国 26艇 本日3レース
 蛭田香名子(豊田自動織機) (16)-13-16-8-13-8     15位
 高橋香(福島県セーリング連盟) 18-(19)-17-12-12-17 18位
 長谷川哲子(豊田自動織機) (24)-23-24-20-20-14   22位

●RS:X級  7カ国 11艇 本日2レース(男女合わせた成績です) 
 富澤慎(関東自動車工業)1-2-3-3-2 2位
 須長由季(ミキハウス)10-9-9-7-8  9位

●49er級 11カ国 21艇 本日4レース
 牧野幸雄・高橋賢次(関東自動車工業)6-3-2-4-4-(8)-3-4 4位


1005_garda_19.jpg本日の第1レースほぼ前艇が右の岸の岸壁に向かいます。
1005_garda_20.jpg49er:ブームバングを強く引き、リーチをタイトにしたら、トップチームに負けないスピードでレースが出来ました。

4日目


470級女子2組は無難にメダルレースに進出 
男子・市野組と49er級・牧野組も進出

 4日目。470級男女、レーザー、レーザーラジアル級、RS:X級は3レース、49er級は4レースを行いました。470級男子・原田組は昨日の帰港時、強風下のスロープにて他艇船台との不運な衝突トラブルを起こし、船腹に穴が空き、次回のG1大会に備えるために修理を優先することになり、残念ながらレースをキャンセルしました。市野組は4-9-7にまとめて7位に、また49er級牧野組はスピードが向上して3-3-4-5で3位に、それぞれ浮上しました。今日でフリートレースは終了(RS:Xを除く)。明日は各種目トップ10のメダルレースとなります。チームJPNはダブルハンド男女4組が出場します。

1005_garda_21.jpgスタート10秒後、一番集中しているのがこの時間帯かもしれません。470級男女(関 一人)
・市野・吉見組:我慢のレース展開でしたが手堅く順位をまとめ、7位。海外初のメダルレースに挑みます。
・近藤・田畑組:ファーストシフトを外し、1上を下位で廻航しても上がってくる所はさすが実力チーム。風を見る力があります。1位でメダルレースに進出です。
・吉迫・大熊組:スピードは問題なく、スタートさえ出られれば上位に入ります。思い切りやるのみです。

1005_garda_22.jpgフルパワー以上でフラットに走る事は非常に大切です。トップ選手達はこのバランスで揺らさずに走っていきます。49er級(関 一人)
牧野組は前日の反省から思い切りのよいスタート、攻めの気持ちを重視したレースを意識して戦いました。抜くチャンスは1レースに1、2回しかなく、非常にシビアなレース展開です。スピードが向上した事が今回の成績につながっています。3位でメダルレースに挑みます。
あとはレースに沢山出てスキルアップをする事が重要です。

1005_garda_23.JPG世界の壁にまたしても跳ね返された斎藤選手。1005_garda_24.jpg第9レースでポーランドと接戦の末、8位をキープした高橋。1日の間にダウンウィンドで進歩あり。レーザー級(飯島洋一)
今日のレーザーチームは頑張りました。イアンが第8、第9レースで連続9位、安田も1レース目が15位、最終レースは10位と思いきや痛恨のBFDでした。安田はクローズ、フリーともに走りのスタイルを微調節した結果、少し速くなりました。イアンは最後に良い走りをしたものの相変わらずスタートで出ることが出来ず苦しんでいます。ダウンウインドでは良く走っているので次大会でスタートを克服してほしいと思います。斎藤はヨーロッパでのレースのリベンジを果たすべく挑みましたが、世界の壁にまたも跳ね返されたようです。各選手とも少しずつですが、良い感触を掴んでいるようです。次のレースに期待します。

レーザーラジアル級(斉藤愛子)
ラジアル女子は風が弱くなるとコース展開がいまひとつ理解できていないようで、風の変化についていけませんでした。第9レースでは高橋が左展開で上位グループに食い込み、苦手のダウンウインドでもシートが出せるようになり、走りに変化がでてきて、ポーランドと接戦の末、8位フィニッシュを果たすことができました。3人ともバング、シートトリム、バランスと少しずつですが進歩しています。とにかく、競り合いの中で走りを磨くことが今、一番必要なことです。

1005_garda_25.jpgRSXスタートRS:X級(宮野幹弘)
男子・富沢は、3レース共にスタートに悩まされてのレース展開となり、何とかダウンウインドを上手くつかみ挽回するが、納得のいくスピードが出せない中、3レース目には不安定な風に上手くプレー二ングを保ちトップフィニッシュしました。得意のスタートで思うような位置から出られない事がレース全体に響いているように思います。
女子・須長は、ガルダ特有の風に翻弄されていますが、得るものは多く、自身の課題も見つかり、レース後も練習をしています。明日、RS:Xはフリートレースを1レース行います。


明日、最終日は11時半からメダルレースです。近藤組には優勝がかかっています。彼女たちの夕食は「カツカレー」でした。吉迫組にもチャンスはあります。市野組、牧野組もまだ上位にいけます。期待します。


■日本選手の成績
●470級男子 9カ国 23艇 本日3レース
 原田龍之介・吉田雄悟(アビームコンサルティング)1-4-8-8-2-7-8-(DNC)-DNC-DNC 10位
 市野直毅・吉見亮平(ケアマネジメント・栄和)5-13-(OCS)-3-5-19-3-4-9-7       7位

●470級女子 7カ国 12艇 本日3レース
 近藤愛・田畑和歌子(アビームコンサルティング)3-1-(4)-2-1-3-1-2-1-2 1位
 吉迫由香・大熊典子(ベネッセコーポレーション)2-2-1-3-5-(9)-2-4-4-6 2位

●レーザー級 25カ国 77艇 本日3レース
 イアン・ホール(フリー)51-30-34-26-(57)-33-30-9-9        26位
 安田真之助(鹿屋体育大学 在学)28-(61)-26-20-41-26-15-43-(BFD)  30位
 齋藤大輔(秋田県セーリング連盟)56-54-33-(60)-45-52-63-(BFD)-44  58位

●レーザーラジアル級 11カ国 26艇 本日3レース
 蛭田香名子(豊田自動織機) 16-13-16-8-13-8-14-16-(19)     15位
 高橋香(福島県セーリング連盟) 18-(19)-17-12-12-17-17-19-8    17位
 長谷川哲子(豊田自動織機) (24)-23-24-20-20-14-15-21-21       22位

●RS:X級  7カ国 11艇 本日3レース(男女合わせた成績です) 
 富澤慎(関東自動車工業)1-2-(3)-3-2-2-3-1   2位
 須長由季(ミキハウス)(10)-9-9-7-8-9-10-9  9位

●49er級 11カ国 21艇 本日4レース
 牧野幸雄・高橋賢次(関東自動車工業)6-3-2-4-4-(8)-3-4-3-3-4-5 3位


1005_garda_26.JPGガルダ湖特製ブロックアンカー

最終日


470級女子 近藤・田畑組 金メダル、吉迫・大熊組 銀メダル
49er級 牧野・高橋組 銅メダル。RS:X級男女も銀メダル
この勢いを次のデルタロイドレガッタに!

 本日は関一人のレポートです。
 大会最終日。メダルレースのみが10時半から470男子、470女子、レーザー、レーザーラジアル、49erの順に行われました。RS:Xは参加艇数が10艇に満たなかったため、メダルレースは行われませんでした。それぞれ、大接戦が繰り広げられ、見る者を魅了するメダルレースでした。

1005_garda_27.jpg選考レース後一皮むけた感がある市野・吉見組1005_garda_28.jpg素晴らしいスタートを決めた日本女子470チーム メダルレースは上下2周のソーセージコースで行われました。
Team Japanの口火を切ったのは470級男子、市野・吉見組。(原田・吉田組は10位でメダルレース出場権を持っていましたが、既報の事情で本日も参加しませんでした)
 本日もガルダ湖特有の朝の北風でしたが、谷間から抜けてくる右の風とぶつかり、非常にガスティーでシフティーなコンディションの中スタートしました。途中、ハラハラしながら見る場面もありましたが見事4位でフィニッシュ。
 彼らにとって海外初のメダルレース出場でしたが、最後まで自分達のポリシーを貫き通した市野・吉見組らしいレースでした。総合7位入賞です。

 続いて行われた470級女子はTeam Japanここにありと言わせる圧巻のレースでした。
近藤・田畑組はスタートから全く危なげない展開。見ている者を安心させる横綱レースでトップフィニッシュ。
 レース前も冷静に風傾向を分析、セッティングの確認を行い、いざレースが始まると相手をケアはしますが、最後は自分の目で見えるものを信じて戦っている姿がとても印象的でした。貫禄の金メダルです。
吉迫・大熊組も前日まで悩んでいたスタートがまるで嘘のような好スタートで近藤・田畑組に続き2位フィニッシュ。銀メダルを獲得しました。あとは相手に翻弄されず自分で感じている風、レースの読みを信じれば前が見えると思います。

1005_garda_29.jpg集団がへこんでいた中でのこのスタート。素晴らしいです。 49er級の牧野・高橋組もこのチームになって初めてのメダルレースでしたが、写真の通り抜群のスタートを果たしました。その後のスピードも悪くなかったのですが、無難な選択をしてしまい、攻めきれない事でブローを他選手に先取りされる苦しい展開が続き、何とか5位でフィニッシュ。総合3位・銅メダルを死守することができました。
 セッティングを変え、海外選手と比べても遜色ない走りが出来るようになってきました。後は海外レースをこなし、展開に慣れていくことが次に繋がっていくと思います。

 レーザーチーム、ラジアルチームもストレッチ、ウォーキング、クールダウンを毎日欠かさず行い、レースに向けて万全の態勢を作るための体内リズムの作り方、海上では日本で体験できないシングルハンドならではのシビアな展開を学び、格段と進歩していました。

 RS:X級は参加艇数が少なかったですが、上位の選手と接近して戦えるメリットを十分に生かし、良い事、悪いことを明確に学ぶことができたレガッタになりました。これらはまさに日本ではできない収穫でした。


 毎日、各種目のコーチ、選手と話をしていると様々な課題が浮かび上がってきます。スタート、レースプランニング、ボートスピード等々あげていったらきりがありません。ですが、ここにいる選手達は何か一つでも得ようと毎日必死になって戦っています。ヨーロッパ遠征は世界で戦うために練習した成果を確認するために戦うところ。そして次に繋げていく。とても大切な時間です。

 選手達は次の戦いの地、オランダ・メデンブリックのデルタロイドレガッタ(5月26日~30日)に向けてすでに移動を開始しました。まだまだTEAM JAPANの世界との戦いは続きます。

引き続き皆様の応援をよろしくお願いします。


■日本選手の大会最終成績
●470級男子 9カ国 23艇 本日1レース
 原田龍之介・吉田雄悟(アビームコンサルティング)1-4-8-8-2-7-8-(DNC)-DNC-DNC 10位
 市野直毅・吉見亮平(ケアマネジメント・栄和)5-13-(OCS)-3-5-19-3-4-9-7-MR4     7位

●470級女子 7カ国 12艇 本日1レース
 近藤愛・田畑和歌子(アビームコンサルティング)3-1-(4)-2-1-3-1-2-1-2-MR1 1位
 吉迫由香・大熊典子(ベネッセコーポレーション)2-2-1-3-5-(9)-2-4-4-6-MR2 2位

●レーザー級 25カ国 77艇
 イアン・ホール(フリー)51-30-34-26-(57)-33-30-9-9        26位
 安田真之助(鹿屋体育大学 在学)28-(61)-26-20-41-26-15-43-(BFD)  33位
 齋藤大輔(秋田県セーリング連盟)56-54-33-(60)-45-52-63-(BFD)-44  58位

●レーザーラジアル級 11カ国 26艇
 蛭田香名子(豊田自動織機) 16-13-16-8-13-8-14-16-(19)     14位
 高橋香(福島県セーリング連盟) 18-(19)-17-12-12-17-17-19-8   17位
 長谷川哲子(豊田自動織機) (24)-23-24-20-20-14-15-21-21   22位

●RS:X級  7カ国 11艇(男女合わせた成績です) 
 富澤慎(関東自動車工業)1-2-(3)-3-2-2-3-1   2位
 須長由季(ミキハウス)(10)-9-9-7-8-9-10-9  9位(女子2位)

●49er級 11カ国 21艇 本日4レース
 牧野幸雄・高橋賢次(関東自動車工業)6-3-2-4-4-(8)-3-4-3-3-4-5-MR5 3位


1005_garda_30.jpg表彰式前のひとコマ。ふっきれた良い笑顔です。1005_garda_31.jpgとても良いレースが出来た事に2人とも満足げです。

1005_garda_33.jpgレース後、セール確認の為に牧野選手と乗り換えた中村コーチ。楽しそう!!1005_garda_32.jpg何語で書いてあるのかが気になります。

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