報告:斉藤 愛子
7月18日から24日にかけて、佐賀県・唐津でラジアル級女子、ユースの強化合宿を行った。
世界選手権予選を通過した選手が女子7名、ユース18名集まり、実際に大会が行われる場所で、女子は最後の調整、ユースは短期間の詰め込みで本番にむけての追い込みをした。24日の合宿終了後、ユース選手は一度自宅へ戻り、女子選手はそのまま世界選手権に入った。
出艇前体操と、クールダウンは江口トレーナーの指導で実施しました。今合宿では、連日のセーリングで体にかかる負担や疲労が蓄積して怪我につながることを予防するために、出艇前にしっかり準備運動をすること、帰着後に疲労を次の日まで残さないために積極的な疲労回復のための運動をすることを実施した。これにはオリンピック強化でJOC専任の江口トレーナーがスペシャルメニューを作成し、毎朝現場で、選手が動作を覚えるまで繰り返して指導にあたった。帰着後は、ストレッチだけでなく、心拍数があまりあがらない状態で20〜30分、有酸素運動をすることを指導し、選手達はハーバーのトレーニング室にあるエアロバイク、ローイングマシーン、外を走るなどの運動をした。最初は、練習が終わった後に、「え~、今から走るんですか?」と悲鳴をあげていた選手達だったが、合宿が進むにつれて、「動いている割に疲れない」「何だか元気です」と、効果を体感して、実践していた。
海上では、9時30分に出艇で、2回に分けて海へ出るユースと、試合モードで10時30分か11時に出て1回出の女子とでペースが異なったが、スタート練習に主題をおいたショートコースと、14時からの大会本番の場所でのロングレースとは合同で参加して、ともにレベルアップをはかった。ユースだけのトレーニングだと、トップ選手を更に向上させることが難しいのだが、女子選手と競うことで双方とみにレベルアップがみられた。
女子チームは昼にあがらない時間帯に、早く到着した海外選手とショートコース練習をすることもでき、世界の中において、どのレベルにあるのかもチェックすることができた。トップレベルの選手と比べたら劣るかもしれないが、中間レベルの選手とは互格に走れることもわかった。ゴールドフリートに残るためのハードルは高いものの、超えることは夢ではないだろう。ヨットレースをしっかりすることがキーになる。
地形が風に与える影響を中心に、岡本気象アドバイザーから、唐津の海を解明してもらいました。21日の夜は、岡本気象アドバイザーの講習で、唐津湾を地形から見て、レースエリアで吹く風の理論的背景を学んだ。これまで漠然と「左が伸びる」「右がのびる」と経験値で判断していたことに理由があるわけで、レースエリアを空から見下ろし、そこを流れる風を考える時間となった。
19日、22日にはNTの長谷川、高橋がコアスポーツジムでサーキットトレーニングを行った。3月にJISSで筋トレ講習を行ってから、体作りに時間を費やしてきたが、6月にはJISSで3日間の集中合宿を行い、今回のサーキットにいたる。筋肥大から始まり、最後の追い込みではスピードを加えての厳しい筋トレとなった。
合宿最終日の24日は、九州北部を集中豪雨が襲い、仕上げの強風練習中にユースの横田選手のマストが折れてしまうアクシデントもあったが、6日間の練習を終え、それぞれの選手がこれから始まる世界選手権大会にむけて、しっかりと準備をすることができた。今年の世界選手権は、これまでとは違うアプローチができたので、地元開催という地の利を生かし、選手の努力が結果につながることを期待する。