世界選手権 1日目
2009 スター級世界選手権
in スウェーデン・ヴァールベリ 報告:船澤 泰隆
日 程:2009年8月2日~9日
開催地:スウェーデン・ヴァールベリ
出場者:鈴木國央(ヘルム)、和田大地(クルー)
参加艇数:86艇
大会公式サイト:http://www.giveandgo.se/vss/index.asp
成績サイト:http://www.giveandgo.se/vss/racing_results.asp
初日、鈴木・和田組41位発進
前日まで吹き荒れていた南西風が嘘のように、心地良い5m前後の100度~140度が朝から吹いていた。気温は20度を超えることはあっても、風は冷たく体感温度は20度を超えることは無い。
鈴木・和田組はこの数ヶ月集中的にヨーロッパ遠征をこなした成果か、走りが安定してみえ、前年の世界選手権で培ったレベルより一段高いところにいるような感じが伺える。
コース:上下5レグ 1.8マイル
第1レースの結果は41位と順位は悪いが、コースの選択ミスだけが原因であると言えるレース内容だった。
ボートスピード、スタート、マーク廻航前後の動きなど、トップグループを十分に狙える内容といえる。
今大会内で良き結果が出ることを期待したい。
2日目
最終レグで不運な走り。通算46位に。
8月3日朝、陸上でAPが掲げられ待機している。
海面は風が弱く、雨雲、雷雲が発生し、大気が安定していない状態である。
第2レースは最悪の結果となってしまった。
上マーク280度設定でスタート。
スタート前より見えていた右の雲が影響し、右海面へ行かなかった艇は姿を消した。
鈴木・和田組は、本部船エンド(右)よりスタートし、右展開。
積極的に右へ行った艇には置いて行かれたが、20番程度で1マークを回航。
風上風下(下り)レグでも順位をキープした。
次の上りでは右へ積極的に展開、上マークで少し順位をあげたが、下りのレグで右海面を使い、順位を下げ25番程度で最終上りレグへ。
最終上りレグで少し左へ展開し、さらには海中の何かを引っ掛けてしまったのが災いし
59位(通算46位)と大きく順位を下げる悪夢のレグとなってしまった。
3・4日目
2本を20位台でフィニッシュ。
進化を感じさせる鈴木・和田組。
3日目は風が無く、キャンセルとなり、本日4日目・現地時間8月5日に第3、4レースが行われた。
天候は晴れ。当地に来てから雨の日がほとんどだったので嬉しい。
両レースとも風下方向の陸上には雲が発生し、海風は10ノット前後。300°~320°と大きな変化はなかったが、海面右奥だけに風の強い海域があり、リフトを受けながらひたすら我慢で右へ到達できないと、
「順位を上げることが出来ない」特異なコンディションだった。
第3レース21位 第4レース24位。通算36位/86艇に位置している。
両レースとも鈴木・和田組はスタートが悪く、第1レグを左寄りに展開したにも関わらず、上マークを25位程度で回航し、ポジションを上げたり、落としたりしながらも何とか20位台でフィニッシュした。
良くないレースでもこのレベルでフィニッシュできるチームに成長した証しがようやく表れた。
これまでは、尻下がりなレガッタが多かったが、彼らが実力をつけている証拠だろう。
残り2レース。どこまで挽回できるかが勝負となる。
5日目
振れる風の中、鈴木・和田組健闘。
通算総合33位に。
今日も全体的に風が弱い。
170°近辺から8ノット以下の風が吹いているが、予報されている西風(海風)とはかけ離れていた。
朝から陸上に雲の発達が認められ、次第に西へ振れていくだろう事は予測はついていたが、西へ向かうタイミングが難しい。
2度のゼネラルリコール(スタートやり直し)。
風が次第に西へ向かい始める。
スタートライン・上マークの設定をその度に変更し、最終的に190°設定でスタートをする。
このスタートの直前に170°近くまで風が振れ戻した事にすかさず反応した鈴木・和田組は右に艇団が集中する中、左へスタート位置を変更しながら有利なサイドから良いスタートを決めた。
その後は、左集団の中では先頭グループを形成したものの、風は西(右)へ大幅にシフト、上マークは60番台で回航となる。
その後、健闘してマークごとに順位を盛り返し、33位でフィニッシュ。
惜しむらくは、どうしても第1レグが決まらない。
残り1レース悔いが残らないレースを期待したい。
5レース終了時の通算成績:41-(59)−21−24−33 総合33位/86艇
6日目
鈴木・和田組 総合39位/86艇で2009ワールドを終える
今日も風が弱い。
右寄りから絶好のスタートを切った鈴木・和田組は、東へのシフトを予測し左へ伸ばした。
ところが、140°から次第に170°までシフトしたため、70位程度で上マークを回ることに。
スター級のレグは長く、上マークまで2マイル。
当たり前だが、10°でもシフトすれば、右と左へ行った艇の差は凄まじい。
ファーストシフト後は、大きな変化も無いまま、挽回のチャンスも無かった。
最終レースを68位でフィニッシュし、総合39位で2009年世界選手権を終えた。
国別順位は15位。
今後のチームの課題は、ファーストシフトを掴むに尽きる。
世界の強豪を相手にファーストシフトを掴み取れるように努力を続けるしかない。
大会公式サイト:http://www.giveandgo.se/vss/index.asp
成績サイト:http://www.giveandgo.se/vss/racing_results.asp