第41回SOF
今回のイエールオリンピックウイークはオリンピック特別委員会の補助事業ではなく、個々のNTチームが自費参加しているレガッタです。委員会のスタッフも帯同していません。
今後、当レポートページは原則として(補助事業+スタッフ帯同)のレガッタを対象に掲載をはかってまいります。今回は番外ですがそのテストケースとしてダイジェスト版を掲載いたします。ご了承ください。
第41回SOF(セーリングウィーク・フランス)
−ワールドカップ第4戦−
セーリングのオリンピック種目を対象に今年2009年からワールドカップシリーズが始まり、第4戦になるフランス戦が下記日程で開催されます。470男子NTの原田・吉田組(アビームコンサルティング)は第3戦のプリンセスソフィア杯、フランス470選手権に参加して、今回はヨーロッパ転戦の3戦目となります。レーザーNTのホール・イアン(福岡経済大を卒業してエス・ピー・ネットワーク所属となりました)は151艇が4グループに分かれての大混雑レースが初戦となります。
日 程:4月19日~23日(予選と決勝)− 毎日2レース、合計10レース。
予選6、決勝4レースの予定。
4月24日 メダルレース − 上位10艇のみ進出します。
開催地:フランス・イエール(Hyeres)
種 目:オリンピック9種目(女子マッチレースを除く)とパラリンピック1種目(2.4クラス)
参加規模:51カ国、719名、10種目 569艇
日本からの参加:470級男子:原田 龍之介・吉田 雄悟(アビームコンサルティング)
レーザー級:ホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)
大会公式サイト:http://sof.ffvoile.net/index.php?page=3&lang=en
第1日目
大会第1日目 4月19日(日)
470級男子NTの
原田・吉田組が2位発進!
8ノット前後の、よくふれ、むらのあるレース海面。各クラスとも、五輪イヤー翌年で、しかも経済不況の影響もあり、ワールドカップの第4戦ながら参加数は昨年を大幅に下まわりました。しかし、数は少なくとも、レベルが低いわけではなく、新・旧選手混在のロンドン五輪へ向けてのシーズンがスタートしたといえます。
レーザーはエントリーが若干減り、140艇。3年前にもイエールに参加しているホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)は3グループのレースで予選6レース、決勝グループに分かれてからは4レースを予定しています。トップはアルゼンチンですが、2位から4位まではクロアチア勢がつづき、北京五輪金メダルのグディソン(イギリス)が5位にいます。
470男子は74艇が2グループに分かれて予選。初日のトップはブヘラー組(スイス)。ブヘラー選手はジュニア時代、アルゼンチンのOP、ユースクラスから470へあがってきましたが、ヨーロッパのセールメーカーに就職して数年たち、今年からスイスエントリーです。3位のザンドナ(イタリア)は北京五輪からクルーが交代し、21歳の若手との初レースです。原田・吉田組は直前に開催されたフランス選手権ではDSQとBFDがつき、後半に追い上げて4位。イエールはより高いレベルの中での戦いになりますから、初日の2位はよいすべりだしとなりました。
●470級男子成績:http://sof.ffvoile.net/results/470m.htm
2位 原田龍之介・吉田雄悟 (アビームコンサルティング)9点
6-3
●レーザー級成績:http://sof.ffvoile.net/results/laser.htm
74位 ホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)50点
30-20
第2日目
大会第2日目 4月20日(月)
原田・吉田組 3位進出
レーザーのイアン 58位
●470男子スタート直後の混戦
●第4レースでトップをとり、トータル3位の原田・吉田組(アビームコンサルティング)初日よりもやや強めの風でレースが行われました。原田・吉田組(アビームコンサルティング)は、2レースを8-1とまとめ、トータルで3位につけています。470男子は2グループで予選レースですが、上位はスコアがかたまっており、中軽風でのスピード差とレース展開で優れている選手達が上位に僅差で固まっています。2008年ワールドチャンピオンのエイシャー組(イギリス)がペースをつかんできました。
レーザーは140艇の頂点にグディソン(イギリス)が立ち、クロアチアのルカ、ダニエルが続いています。ダニエルは現在、レーザー級でワールドカップの1位です。クロアチアは地中海ゲームの代表選考を兼ねているため、トップ10に3名が入る気合の入れ方です。イアン・ホール(エス・ピー・ネットワーク)は、第4レースで10位をとり、トータルでも58位にあがりました。予選最終日でカットレースが入るとレーザー級の順位は大きく変わります。残り2レースで頑張れば、ゴールドフリートに残れるポイント圏内ですから、明日が前半の大きな山になります。
他種目の様子ですが、ラジアル女子はチェコのフェンチロバが2レースともトップをとり、2位に22点差をつけています。中軽風でのスピードが圧倒的に速いと評判です。470女子はスペイン、デンマークがそれぞれ1位を2回、2位を2回とり、この種目でもスピード差がでた1日となりました。4位にはイングリング級北京銀メダルのオランダで、470に転向して最初のレースになるマンディーがつけています。イングリングが五輪種目から外れ、マッチレースになった後、470女子やラジアルへ転向している選手がみられます。マッチ―レースには、イングリングからではなく、別の流れで選手がはいってくる見込みです。
●470級男子成績:(28ヵ国、74艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/470m.htm
3位 原田龍之介・吉田雄悟 (アビームコンサルティング)18点
6-3-8-1
●レーザー級成績:(39ヵ国、140艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/laser.htm
74位 ホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)89点
30-20-29-10
第3日目
大会第3日目 4月21日(火)
原田・吉田組 健闘よく
ゴールドフリートで決勝進出
●混戦の中で健闘の原田・吉田組のスピンラン
明日22日からは決勝グループで、ゴールド(上位)・シルバー(下位)グループに分かれます。ISAFワールドカップシリーズがヨーロッパに転戦して2戦目となりますが、各クラスの上位(1~3位)は、自転車のツール・ド・フランスのようにカラービブを着ます。1位が黄色、2位が青、3位が赤です。
470男子・原田・吉田組(アビームコンサルティング)はトップと10点差の5位につけています。決勝に入ると、並み居る上位強豪艇との直接対決になります。期待大です。
レーザー級は上位47艇がゴールドフリートに残ります。イアン・ホール(エス・ピー・ネットワーク)は2レースとも中盤から抜け出せず、78位となりました。レーザーは3グループの決勝レースのため、シルバーフリートでの戦いとなります。
前半は中軽風のコンディションで行われ、強風が得意な選手達にとっては厳しい予選の結果になりました。
●1位は黄色、2位は青のビブを着用するスター級 ●3位の赤色ビブを着用している470女子チーム
★予選順位 ( )はカットレース
●470級男子成績:(28ヵ国、74艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/470m.htm
3位 原田龍之介・吉田雄悟 (アビームコンサルティング)26点
6-3-8-1-(25)-8
●レーザー級成績:(39ヵ国、140艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/laser.htm
74位 ホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)109点
(30)-20-29-10-28-22
第4日目
大会第4日目 4月22日(水)
原田・吉田組 トップに躍り出る
●49erもトラピーズに出られない弱い風でのレースは、この後、ノーレースになりました原田・吉田組(アビームコンサルティング)は、2レースを9−1とまとめて、イタリアのザンドナ組と同点のトップに並びました。タイを解くと、原田組が今日の結果でトップとなり、明日は黄色のビブを着てスタートします。スイスのブエラー組が3点差で3位につけています。4位以下とは30点近い差がついていますが、明日の決勝2レースで、最終日のメダルレースへ進出するトップ10が決まります。健闘に期待です。
レーザー級はグディソン(イギリス)がリードを保っていますが、上位10位までは僅差の激戦です。クロアチア勢はかわらず、トップ10に3名が入っています。ホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)は71位にとどまっています。
●470級男子成績:(28ヵ国、74艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/470m.htm
1位 原田龍之介・吉田雄悟 (アビームコンサルティング)36点
6-3-8-1-(25)-8-9-1
●レーザー級成績:(39ヵ国、140艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/laser.htm
71位 ホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)149点
(30)-20-29-10-28-22-13-27
第5日目
大会第4日目 4月23日(木)
原田・吉田組 決勝3位で
メダルレースへ進出
●初日から上位キープしてきた原田・吉田組(アビームコンサルティング)は1位の黄色ビブで登場。●470男子のスタート直後。中軽風での接戦。23日、決勝残りの2レースが中軽風の中で行われ、初日からの合計10レースを完了しました。上位10艇は24日のメダルレースへ進出します。470男子の原田・吉田組(アビームコンサルティンング)は健闘よく3位でメダルレースへ進出。レーザー級のホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)は75位となりました。
470男子は9レース以上が完了したためワーストの2レースをカットします。上位は点差が縮まり、メダルレースに残った10艇すべてが表彰台に上がれる可能性を残しています。その中でも、原田・吉田組、ブエラ組(スイス)は初日からずっと3位以内をキープしています。トップのザンドナ選手(イタリア)はアテネ、北京の代表で2003年の470ワールドチャンピオンですが、今回から新チームで21歳の420からリクルートしてきたクルーとの初レースです。
24日のレースは、現地10時(日本時間:17時)から始まりますが、大会公式サイトではビデオ映像やライブ映像をインターネットで観戦できます。メダルレースは15ノットの風が予報です。原田・吉田組の最終レースにご期待ください。
大会のサイト:http://sof.ffvoile.net/index.php?page=3&lang=en
算成績 ( )はカットレース、9レース以上は2レースをカット
●470級男子成績:(28ヵ国、74艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/470m.htm
3位 原田龍之介・吉田雄悟 (アビームコンサルティング)53点
6-3-8-1-(25)-8-9-1-17-(21)
●レーザー級成績:(39ヵ国、140艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/laser.htm
75位 ホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)167点
(30)-20-29-10-28-22-13-27-(44)-18
第6日目
大会第4日目 4月24日(金)最終日
470級男子 原田・吉田組 5位入賞!
メダルレースは東風20ノットに達する中、行われました。原田・吉田組(アビームコンサルティング)は強風域ではフランス勢に走り負けてしまい、カット対象にはならないメダルレースで9位、トータルでもフランス2艇に抜かれて5位となりました。1週間の長丁場はメダルレース以外は弱めのコンディションでした。中軽風ではよいスピードとレース展開で一時はトップに立つ活躍を見せ、日本の男子470チームのベンチマークとして、心強い結果を残してくれました。原田組は昨年も女子の近藤・鎌田組のトレーニングパートナーとしてイエールに出場していますが、オリンピック後からは本格的に自分達のトレーニングを積んできました。国際大会では北京五輪代表チームが抜けてロンドンを目指す新世代がスタートした中で、イエールでは大きな手ごたえをつかんだのではないでしょうか。
9種目で異なる国のウィナーが出て、18カ国が表彰台にあがりました。英国が5個のメダルを獲得したことから、ロンドンを目指して強化が加速していることがわかります。北京五輪のあとも活動を続けてきたシベーロ兄弟(49er)、ラジアル女子のタニクリフ(アメリカ)、レーザーのグディソン(イギリス)は北京当時の軽風強化がいまだに生きていると、今回の勝因をコメントしています。また、RSX女子で優勝したチェン(中国)は5月の全中国大会で勝つためのトレーニングとしてイエールに来たので、特にプレーニングコンディションでヨーロッパ勢と相まみえたことがプラスになったようです。
次のワールドカップ第5戦大会は5月27日からオランダ・メデンブリックで開催されます。
●470男子で優勝したブヘラー組(スイス)。ブヘラー選手はワールドカップ初タイトル●470女子で優勝したコッホ組(デンマーク)、ワールドカップ2勝目。8月には世界選手権が地元コペンハーゲンで開催●RSX男子2位は北京五輪銀のボンテン選手(フランス)。メダルレースは20ノット超のコンディション。エアープレーも見られるプレーニングレースを制した
大会のサイト:http://sof.ffvoile.net/index.php?page=3&lang=en
成績:( )はカットレース、9レース以上は2レースをカット
Mはメダルレースで、ダブルポイントでカットができません。
●470級男子成績:(28ヵ国、74艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/470m.htm
3位 原田龍之介・吉田雄悟 (アビームコンサルティング)71点
6-3-8-1-(25)-8-9-1-17-(21)-M9
●レーザー級成績:(39ヵ国、140艇参加)http://sof.ffvoile.net/results/laser.htm
75位 ホール・イアン(エス・ピー・ネットワーク)167点
(30)-20-29-10-28-22-13-27-(44)-18