Euro2011
Open Europeans
Helsinki 2011(ヨーロッパ選手権 2011)
レポート:オリ特 関 一人・舩澤泰隆
写真:中村昭仁・関 一人
編集:オリ特 広報委員会
いよいよオリンピッククラスのヨーロッパ選手権が始まりました。
今年はRS:Xを除くオリンピッククラスが集結し、6月30日から7月15日にかけてフィンランドのヘルシンキで行われます。
ヘルシンキは世界でも有数の港町。海上には至るところに浅瀬や暗礁があるのですが、狭い中にもしっかりした航路が確立されており、目の前を超大なフェリーやタンカーが通過していきます。日本との感覚の違いには驚くばかりです。
この大会へ日本からは5種目に12艇がエントリーしています。15日までの長丁場ですが、オリ特サポートは私・関と船澤のみです。すべてをレポートすることはできませんが、できる限りご報告できるよう努力いたします。
種目別の日程:
スター級:7月2日〜7日
レーザー級:7月3日〜8日
49er級:7月8日〜13日
470級:7月9日〜15日
参加クラスと日本選手:
●470級男子 【33ヵ国/85艇】
松永鉄也・今村公彦組(スリーボンド)
原田龍之介・吉田雄悟組(アビームコンサルティング)
石川裕也・柳川祥一組(関東自動車工業)
市野直樹・吉見亮平(関西学院大学・栄和)
渡辺哲雄・八山慎司組(エス・ピー・ネットワーク)
前田弘樹・野呂英輔組(エス・ピー・ネットワーク)
●470級女子【22ヵ国/47艇】
近藤 愛・田畑和歌子組(アビームコンサルティング)
吉迫由香・大熊典子組(ベネッセコーポレーション)
●49er級【21ヵ国/61艇】
牧野幸雄・高橋賢次組(関東自動車工業)
●スター級【13ヵ国/31艇】
鈴木國央・和田大地組(和歌山セーリングクラブ・日吉染業)
●レーザー級男子【36ヵ国/140艇】
城 航太(エス・ピー・ネットワーク)
齊藤大輔(秋田県セーリング連盟)
大会公式サイト:
http://www.openeuropeans2011.com/eventsites/default_euros.asp?eventid=65354
ヨーロパ選手権
TEAM JAPANの戦いが始まる
本日7月2日はTEAM JAPANの先陣をきってスター級のレースが2レース行われました。ハーバー近辺は暗礁や島が沢山あるため広い海面を取ることができないようで、ハーバーから3.5マイル沖で行われました。この距離は出艇から海面に到着するまで1時間はかかるほどです。
前大会から少しずつ船のセッティングが合ってきたスターチームは2レースとも上位で1上を回航していきますが、ランニングのレグで順位を落としてしまう悔しい展開でした。
『本人達ももっと上位で戦える感触は持っていますし、私もそのように感じています。明日からはさらに上位を走る事が出来るはずです』(船澤コーチ)
【日本選手の成績】
●スター級〔13カ国/31艇〕
5位 鈴木・和田組 8-6
明日からはレーザー級も始まります。
TEAM JAPANへのご声援、よろしくお願いいたします。
2日目
スター級 鈴木・和田組 トップフィニッシュ 総合4位にUP
レーザー級も発進
7月3日
本日は朝からそよそよと振れのあるシーブリーズが3~5ノット入る中、スター級が1レース、レーザー級が2レース行われました。
スター級・鈴木國央組が難しい海面の中、快走。ダントツでトップフィニッシュを飾りました。2日目ですが、3レースを終えて総合4位に上がりました。
【舩澤スター級担当コーチのレポート】
朝から南の風が弱いまま、スタート時間を1時間遅らせスタートしました。鈴木組は当地に来てから、これまでの課題だったスピードが徐々に上がっており、昨日のレースも良い場面が随所に見てとれました。心・技・道具がマッチしているといった感じです。
本日行われた第3レースは、抜群のスタートで飛び出しました。第1上マークを3位で回ると、下マーク手前でトップに立ち、そのままグングン後続との差を広げ、2位と3分以上の差をつけトップフィニッシュの号砲を鳴らしました。
不安定な風の中後続艇は順位の入れ替わりが激しいレースでしたが、鈴木組は危なげないレースが展開できました。優勝争いに加わる位置につけました。この調子を続けてほしいと思います。スタート良ければ全てよしです。
「安定しない弱い風の中、暑くて長いレースでしたが、艇のスピードが速く、良いレースを戦うことができました」(鈴木)
「課題だったダウンウィンドレグのコースが上手くいきました。この調子で頑張ります」(和田)
一方、レーザー級は3グループに別れ、スター級と同コンディションの中で2レースが行われました。左右からブローが入り、有利サイドの見極めは難しかったと思いますが、左右どちらに伸ばしたにしても思い切りよく伸ばし、しっかりとリフトブローに乗れた選手が上位に入る展開でした。城と齋藤の奮起に期待します。
「今日はコース取りが中途半端になってしまいました。それが原因でリスクを背負う展開になってしまうことがありました。明日はリスクを減らしながらも勝負できるレースを心がけるつもりです」(城)
「この遠征ではSAIL COACHという海外のレースサポートをしている機関にお願いし、他国選手達と共同生活をしながらレースをしています。レース終了後にコーチから『練習量が足りないよ』と冗談半分で言われてしまいましたが、充実した毎日を過ごしています」(齊藤)
明日も本日同様両クラスのレースが予定されています。
風速の予報は10~15ノット。今日よりは強い風の予想です。
TEAM JAPANの選手達がどのようなレースを見せてくれるのか、注目です。
【日本選手の成績】
●スター級〔13カ国/31艇〕
4位 鈴木・和田組 8-6-1
●レーザー級〔36カ国/140艇〕
61位 城 航太 19-24
132位 齊藤大輔 OCS-40
3日目
スター級 鈴木組 粘りの走りで順位をキープ
レーザー級は苦戦
7月4日
北欧フィンランド。今日は気温も昨日とは一転15℃から18℃と肌寒く、雨まじりの東風(12~17ノット)の中、スター級、レーザー級共に2レースが行われました。
スター級はミスも有りましたが、上位に食らいつくレースが出来ており、昨日までの順位をキープしています。3位のウクライナとは2点差です。
「我々にとって、このコンディションでのスピードはあまりアドバンテージが無く、いかに風を読めるか? がカギを握りました。2レースともスタートは出ているのですが、ファーストシフトを逃してしまいトップ集団から離される展開でした。
粘り強く走って順位を上げていますが、下マーク際での無駄なジャイブや即タック等、折角あげた順位を落とす悔しいミスも多くありました。
大切なのはファーストシフトを逃さないことと、どうしようもないミスを無くすこと。これが出来ないと前を走る事はできません」(和田)
レーザー級もスター級と同コンディションで行われました。
城と齋藤は苦戦を強いられていますが、一つでも前を走ろうと必死のレースをしています。
「2レースともスタートで前に行くことができませんでした。先ずは1線でスタートできるようにしていきます。ダウンウインドは以前より良くなっているのは収穫でした」(城)
「今日もリコールをしてしまいましたし、2上で信じられないほど順位を落としてしまいました。明日は順位キープが課題です」(齊藤)
明日も両クラスのレースが予定されています。他クラス(470級、49er級)もレースが近くなり、練習にも気合が入ってきています。
風速の予報は9〜12ノットの北東から東の風。今日より若干弱い風のようです。
TEAM JAPANの底力を見せてくれるか。楽しみです。
【日本選手の成績】
●スター級〔13カ国/31艇〕
4位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5
●レーザー級〔36カ国/140艇〕
80位 城 航太 19-24-(31)-22
137位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37
4日目
スター級 鈴木・和田組 総合3位に浮上
総合3位につけた鈴木、和田組7月5日
本日は、スター級はNE10〜13ノット、レーザー級は6〜8ノットのち両クラスとも4〜7ノットの風の中2レースが行われました。大小様々なシフトが入り、非常に難しいコンディションの中のレースでした。
その中でスター級はスピードに苦しみながらも5-2でフィニッシュ。
総合でもギリシア、スペインに続く3位に上がりました。
【舩澤スター級担当コーチのレポート】
後半戦の初日となる4日目第6レース。
10〜13ノットの風域では、スピードが少し足りない状態が解消できない中、なんとか上位に踏みとどまるレース展開を強いられてしまいました。
第1下マークで3位にまで浮上しましたが、上がった順位をコースミスで大きく下げ、第2上マークで10位に後退。その後最終レグで順位を上げ6位でフィニッシュ。ダウンウィンドのレグで順位を上げる展開でした。
続く第7レースはスタート後、北へ風が変化しながら弱くなったところを上手く捉え、第1上マークを2位で廻航。トップをうかがいつつも後続を抑え2位でフィニッシュしました。
「今日は2上のレグが悪い展開でした。1レース目は反対に行ってしまい順位を落とし、2レース目は順位こそ維持できましたが、トップと離され、後続艇にも追いつかれてしまいました。原因は風のシフトを連続的に読みきれていないことだと思います。今日のように強弱やシフトが大きいときは、どのように変化してきて今後どうなるかをイメージしてコースを考えないとだめです」(和田)
残りあと4レース。鈴木組の戦いは進化を続けています。
レーザー級は3フリートに分かれ軽風のシフティーなコンディションの中、思うようなコースを取ることができず、苦戦しています。城はシルバー(48位以下)、齋藤はブロンズ(95位以下)です。
「今日は昨日の反省からスタートは積極的に出ることができたのですが、クローズのスピードが遅いことでシフトに乗り遅れてしまいコースも悪くなってしまうという悪循環になってしまいました」(城)
明日もスター級、レーザー級のレースが予定されています。
風予報は11〜15ノットの東の風。今日より若干強い風が吹くようです。
【日本選手の成績】
●スター級〔13カ国/31艇〕
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2
●レーザー級〔36カ国/140艇〕
89位 城 航太 19-24-31-22-28-(41) シルバーフリート
137位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40 ブロンズフリート
5日目
スター級 鈴木・和田組 総合3位堅守
明日のメダルレースへ
微風の中、しびれるフィニッシュ7月6日
本日は前日と違う大きな振れ、強弱がある1~8ノットの風の中、スター級、レーザー級共に1レースが行われました。
このようなコンディションの場合はセーリング技術もさることながら、風の入ってくるタイミング等も順位を決める要素の一つとなります。
後続の選手にとってはどれだけ前との差を詰められるか、先行している選手はどれだけ差を詰められず走りきることができるか。ライトウインドの中、緊張の連続のレースであったと思います。スター級・鈴木組はよく頑張りました。
【舩澤スター級担当コーチのレポート】
60~120°まで風が8ノットから1ノットと弱まりながら大きく変化した今日の第8レースでした。
鈴木組は本部船寄りから良いスタートを決め、右へ展開し良いシフトを掴み、トップで第1マークを廻航。下マークへ向かうまでにリードを広げましたが、そこで風が弱くなりはじめ、難しい展開となりました。大きなリードで第1下マークを廻航しましたが、それが仇となりました。後続グループに追いつかれ抜かれてしまいました。続く第2上マークを3位で廻航し、さらに風が弱まりました。
通常であればコースが短縮されるような状況でしたが、スター級のクラスルールで禁止されているため、そのままレース続行。スタートから2時間たったフィニッシュ直前では後方からの風に乗り後続艇が大接近する展開に。手に汗握る中、トップと半艇身差、3位とは鼻差で2位フィニッシュしました。
大きく順位を落とす可能性が高かったレースでしたが、彼らは最後まで集中を切らさず、よく戦いました。
最終日の明日はポイント2倍の上位10艇によるメダルレースに臨みます。
トップ・スペインと12点差、2位・ギリシアと11点差、そして4位・カナダと6点差です。優勝は難しい状況ですが可能性は残っています。
レーザー級は今日も思うようなコースを取ることができず、他選手に水を開けられる展開を強いられてしまいました。
「今日も昨日と同じ展開でした。非常に苦しいです。スピードが遅いとなかなか思うようにレースができません」(城)
「考え方が違うのか、他選手と違う展開になってしまいます。それでこの順位だと訳が解りません」(齊藤)
斎藤とはレース後、スタートから1上までの考え方、アプローチの考え方等を伝えたところ、新しい発見がとても多かったようでした。私は普段レーザーを見ているわけではありませんが、ヨットレースの基礎はどのクラスでも同じです。
改めて基礎の大切さを私も学ぶことができました。
明日はスター級、レーザー級のレースが予定されています。
風予報は7〜10ノットの東の風。
TEAM JAPANのメダル獲得なるか。期待します。
【日本選手の成績】
●スター級〔13カ国/31艇〕
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2
●レーザー級〔36カ国/140艇〕
93位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41 シルバーフリート
136位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37 ブロンズフリート
6日目
スター級 鈴木・和田組 総合3位
チーム初の表彰台に立つ
スター級 鈴木・和田組、初の表彰台に7月7日
朝から風がなく、日差しが燦々と照りつけ、雲ひとつない快晴の天気でした。ですが、セーリング競技に於いては決して良い天気ではなく、フラストレーションのたまる1日でした。スター級も早々にフリートレースの中止を決定してメダルレースのみの実施となりましたが、メダルレース出場艇も海上で1時間以上開始を待つほど終日運営泣かせのコンディションでした。
【舩澤スター級担当コーチのレポート】
スター級最終日のメダルレースは、長い風待ちの後、岸から近くレースが間近に見える海面で行われました。
スター級にとっては、通常の1/5程度のレグの長さで、見ていてもすごく速いレース展開でした。
鈴木組は第1上マークを4位で廻航、その後一旦順位を落としますが、挽回して第1下マークを再び4位で廻航します。
第3レグの順位が目まぐるしく変わります。最終的に第2上マークを4位で廻航し、第4レグでポジションを1つ上げ、3位で約30分程度の短いレースをフィニッシュしました。
スター級100周年の年にチーム初の3位表彰台に上りました。アジア人はもちろん日本選手として主要国際大会初の表彰台です。晴やかな二人の姿を見ながら、仲間としての嬉しさがこみ上げてきました。
五輪予選のパースに向けて半年を切りました。まだまだ課題が残っていますが、ひとつずつクリアして、先ずはオリンピック出場権を獲得して欲しいと思います。
「今日のレースは優勝を狙いながら、確実に表彰台に上がる事を考えていました。こちらに来て2ヵ月間、ボートのセッティング、レース展開等、苦しみながらの遠征でしたが、最後のレースで表彰台に上がりホッとしています。これからも精進して、12月のパースでのオリンピック出場枠獲得を目指して行きます。ご声援ありがとうございました」(鈴木)
「風にムラのある微風のコンディションで、気の抜けないコンディションでした。ひとつでも順位を上げようとしたのですが、現在の実力はこの成績が示す通りだと思います。課題はたくさんあります。パースまであと5カ月なので、時間を無駄にせずに目標に向かいたいと思います」(和田)
レーザー級は朝9時からハーバー目前にあるブローにイライラしながら陸上待機。今大会は帆走指示書に「陸上でのAP旗降下後90分以降にスタート信号が発せられる」と記載されているので16時を過ぎた頃に他国選手が勝手に帰りはじめてしまい、17時にAP/Aが掲揚。本日はレースが出来ずに1日が終わってしまいました。
本日でスター級が終了。明日はレーザー級に49erが加わり、2種目のレースが予定されています。
風予報は4〜6ノットの東の風。今日よりも弱い予報が気になります。
レースが行われない事が選手たちには一番のフラストレーションになってしまいます。
悔いの残らないレガッタになる事を信じて戦いに向かいます。
【日本選手の成績】
●スター級〔13カ国/31艇〕
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2-M3
●レーザー級〔36カ国/140艇〕
93位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41 シルバーフリート
136位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37 ブロンズフリート
7日目
49er級 牧野組 発進 まずまずの滑り出し
レーザー級 下位のまま 終了
3位で回航していくJAPAN49er7月8日
朝から東寄りの風がそよそよと入り、4〜9ノットの風の中、予定通りレースが行われました。
レーザー級は最終の1レース、本日から登場の49er級が3レースでした。
牧野・高橋組が2-16-19とまずまずの滑り出しを見せてくれました。
レーザー級は本日が最終日、1レースのみですので思いっきり戦った選手が上位に入ってきます。城はこの風域では他選手と同じボートスピードが出せるようで、本人も納得のレースが出来たのではないかと思います。シルバーの44位、総合91位でした。
NT外で自主参加の斎藤は今日もBFD(ブラックフラッグで失格)。今大会3回目のリコールと不完全燃焼で終わってしまいましたが「今日は周囲をよく見ることが出来、初めてコースを選択している感覚があった」とのこと。多くを学び、今後に繋がるレースにすることが出来たと思います。総合138位でした。
49er級はメダルレースが行われるレース海面で行われ、1上までが4分、上下3周で行われました。
第1レース、真ん中から絶好のスタート。この風は他艇に対して艇速でアドバンテージがあり、すいすい前に出ていきます。海面も左有利で良いコースを引き、1上を3位で回航し、ダウンウインドでも順位を守りきり2上へ。2上のコースもワンサイドゲームとなり、そのまま左のエッジに向かい、前を走っていた世界選手権2位のオーストラリアを抜きさり、2位へ順位を上げそのままフィニッシュ。セオリー通りのコース取りが功を奏したレースでした。
続く2、3レースも1上は10位以内で回航するのですが、途中で後続艇有利の風が入ってきたりシフトと逆のサイドを走ってしまったりで順位を下げてしまうレースとなってしまいました。世界のトップ選手は風の振れ、海面のブローの入り方に非常に敏感で良く周囲を見ています。
牧野・高橋組も良いレースをしている時は周囲が良く見えているのですが、中位以下で走っているときに自分が上がれるチャンスのシフト、ブローが来ている時に気がつかないことがあります。修正できれば安定して上位を走る事ができるはずです。大事な初日、19位につけました。
「スタートとスピードはまずまず。あとは風を捉えることを重視します」(牧野)
本日でレーザー級が終了。明日からは注目の男女470級のレースが始まります。
風予報は3〜5ノットの南の風。こちらに来てから南風が安定したことは無いのでレースが出来るかどうか。少し気になります。
【日本選手の成績】( )はカットレース
●49er級〔21カ国/61艇〕
19位 牧野・高橋組 2-16-19
●スター級〔13カ国/31艇〕7日終了
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2-M3
●レーザー級〔36カ国/140艇〕8日終了
91位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41-29 シルバーフリート
138位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37-BFD ブロンズフリート
少しでも前に大混雑の出艇
8日目
470級 初日 男子・原田組1-1 トップに立つ
49er級 2日目 牧野組 4-11-2 13位に浮上
2レースともトップの原田・吉田組7月9日
本日は予報通り朝から全く風がなく、運営側も早々と陸上にAP旗を掲揚、全種目待機となりました。ようやく15時20分にAP旗が降下され、470級が2レース、49er級が3レース行われました。
470級は1レース1時間の非常に長いレース。最終グループがハーバーに戻った時は21時をまわっていました。日の長いフィンランドならではの1日でした。
本日、素晴らしいレースを見せてくれたのは原田・吉田組です。1レース目はスタートに失敗したものの、その後の風をよく読みトップ。2レース目もファーストタックの場所が素晴らしく、最初からフリートをリードする展開に持ち込み、余裕のトップ。貫禄勝ちでした。
「思ったところからスタートすることが出来ませんでしたが、風に合わせたコースが取れたこと、ボートスピードが良かったことが成績に繋がっていると思います」(原田)
470級女子の日本チームはゆっくり振れるシーブリーズに翻弄される形となってしまいましたが、近藤組7位、吉迫組16位の発進と2チームとも何とか成績をまとめています。
「スタートは良く、しっかり出ることができたのですが、緩やかに振れる風を逃すことが多く、結果が出ませんでした」(近藤)
2日目を迎えた49er級もシングル2本をとる素晴らしいレース展開を見せてくれました。
アップウインドのコースはセオリー通りの素晴らしいコース取りを見せてくれていますが、ダウンウインドの競り合いで負けることが多く、順位を落とすことがあります。レースに出ることで対相手に慣れてくれば克服できる問題ですので今後に期待です。
「もう少しうまくまとめられそうです」(牧野)
明日は9〜11ノットの東風の予報。東風は比較的安定しているのでレースは出来そうです。
【日本選手の成績】( )はカットレース
●49er級〔21カ国/61艇〕
13位 牧野・高橋組 2-16-(18)-4-11-2
●470級男子〔33カ国/85艇〕
24位 松永・今村組 7-17
1位 原田・吉田組 1-1
18位 石川・柳川組 14-7
35位 市野・吉見組 13-22
44位 渡辺・八山組 17-30
30位 前田・野呂組 19-11
●470級女子〔22カ国/47艇〕
7位 近藤・田畑組 3-15
16位 吉迫・大熊組 18-16
●スター級〔13カ国/31艇〕7日終了
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2-M3
●レーザー級〔36カ国/140艇〕8日終了
91位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41-29 シルバーフリート
138位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37-BFD ブロンズフリート
ジャイブに入る近藤、田畑組。前の客船はクイーンエリザベス号大接戦で回航していく近藤・田畑組
復調の兆しが見えるか!! 吉迫・大熊組レース海面の中に浅瀬が点在
大混戦の上マーク順位を上げた49erチーム
9日目
49er級 牧野組 予選通過しゴールドフリートへ
470級男子 松永組 日本チームトップの11位に
ゴールドフリートに進出した牧野、高橋組7月10日
朝は南風がそよそよと入る心地よい天気でした。一番遠いエリアで行われるフィン級が予定通り出艇。470級は予定通り、49er級は1時間遅れで出艇。その後、風が上がりスタートする頃には風向200°〜230°、10〜16ノット。この風の中470級は2レース、49er級は3レース行ないました。
本日も素晴らしいレースをした原田・吉田組。2レースとも5位以内でフィニッシュしますが2レース目がOCS。レース終了後、原田選手と話をしたときは「スタートがビビりすぎて前にいけませんでした」と言っていました。現状16位です。
松永・今村組もよく走りました。8-3でまとめ、11位に浮上です。
リズムに乗ったレース展開が出来ている時は素晴らしいレース見せてくれるチーム。今後のレース展開に期待です。
470級女子ですが近藤・田畑組は無難なレースをしているのですが、スカンディアで優勝した時のようなレース展開に持っていくことができません。近藤組が遅くなったというより他国の選手達が以前より速くなっているのではないかといった印象があります。2レース目はOCSとなってしまいました。現状12位です。
吉迫・大熊組も調子に乗れそうでのれない悔しいレースが続いてしまっています。初日の1レース目がBFDと記録され現状20位です。割り切って思い切り自分のレース、走りが出来ればまた違うレース感が出てくるはずです。
49er級は我慢の一日でした。
この風速になるとボートスピードのアドバンテージがなくなり、苦戦を強いられます。
今日もレース終了後、1艇のみ居残りでセッティングのチェックを行い、修正することができました。
苦しい戦いの中でも17-14-11と無難に順位をまとめゴールドフリート(上位25位)に進出しました。明日からのレベルの高いレースでどこまで戦えるのか。非常に楽しみです。
「今日はスピードが今ひとつ出ませんでした。少し遅いだけで互角には戦えないです。改善ポイントは見つかったので同じコンディションがあればちょっと改善します」(牧野)
明日の予報は4〜9ノットの南東の風。レースが出来るか微妙といったところでしょうか。
【日本選手の成績】( )はカットレース
●49er級〔21カ国/61艇〕
21位 牧野・高橋組 2-16-(18)-4-11-2-17-14-11
●470級男子〔33カ国/85艇〕
11位 松永・今村組 7-17-8-3
16位 原田・吉田組 1-1-4-OCS・38
21位 石川・柳川組 14-7-11-14
46位 市野・吉見組 DPI5・18-22-24-24 *DPI15はタリーの返却忘れペナルティー5点
42位 渡辺・八山組 17-30-20-15
31位 前田・野呂組 19-11-23-15
●470級女子〔22カ国/47艇〕
12位 近藤・田畑組 3-15-4-OCS・44
20位 吉迫・大熊組 18-16-8-17
●スター級〔13カ国/31艇〕7日終了
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2-M3
●レーザー級〔36カ国/140艇〕8日終了
91位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41-29 シルバーフリート
138位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37-BFD ブロンズフリート
ワールドチャンピオン(CRO)を追随する前田・野呂組来日したフランスチームと戦う近藤・田畑組
10日目
470級男子 原田組 6位に
49er級 牧野組 試練のゴールドフリート
素晴らしいスタートから伸ばしていく牧野・高橋組7月11日
南風3〜6ノットの中470級男子、49er級は2レース、470級女子は1レース行われました。
470級1レース目は風向が30°も振れる、全く安定しない風。
アウターループとインナーループが1マークのみマーク変更をしたため、ほぼ重なってしまうという最悪のコンディションの中で行われました。
原田組は1上のコース選択を失敗しながらも6位でフィニッシュ。
「風が左にしか振れず、どうなることかと思いましたが何とか巻き返せました。ボートスピードが良いので助かっています」(原田)
見ている限り、上がれるポイントは少なかったのですが、少ないチャンスを着実にモノにしていく彼らの強さを感じました。
2レース目も上位陣が逆サイドを選択してしまうほどの難しいコンディション。
原田組はブローが行く方向と逆に入ってしまうことが多く、1上から上がれず10位。
松永組は1上では下位に甘んじますが何とか這い上がり13位でフィニッシュ。
ラルとブローの強弱とシフトの差が激しい海面だったため、長くリフトブローに乗り、なおかつシフトしたサイドにいた選手が上位に入るレース展開でした。原田組は前日のOCSが消え、6位に浮上しました。上位との得点差は僅差です。松永組は20位。得点で水を開けられています。
470級女子・近藤組は1下でフランスにプロテストされ720°、吉迫組もスタートでスカリングを取られ同じく720°と苦しい1日となってしまいました。カットレースが入り2組とも英文字順位が消えましたがジャンプアップとはなりませんでした。
49erは本日からゴールドフリート(上位25位)での戦いでした。
こちらの海面は風軸215°で安定しているのですが、強弱の差が激しく、早く長くブローに乗れた選手が上位に入っていました。
その中で両レース共1位を取った英国のフレッチャー組はスタートから素晴らしい展開。
有利サイドが変わっても変わったサイドに必ずいるという横綱レースぶりでした。
まだ若い選手ですが風をよく見ており、基礎をしっかり学んでいる英国の強さを感じました。
470級男子は明日からゴールドとシルバーに分かれます。
日本チームの5組は上位50%のゴールドフリートに入りましたが、総合47位の渡辺組は調子を取り戻す事が出来ず、惜しくもシルバーフリートとなってしまいました。
明日は14〜18ノットの西風、天気はこちらに来てから初めて雨の予報が出ています。
初めてですのでどのようなコンディションになるのでしょうか。
なお、ヘルシンキとの時差はJST-6時間です。
【日本選手の成績】( )はカットレース
●49er級〔21カ国/61艇〕
24位 牧野・高橋組 2-16-(18)-4-11-2-17-14-11-22-22
●470級男子〔33カ国/85艇〕
20位 松永・今村組 7-17-8-3-(28)-13
6位 原田・吉田組 1-1-4-(OCS)-6-10
30位 石川・柳川組 14-7-11-14-26-(29)
36位 市野・吉見組 18-22-(24)-24-13-5
47位 渡辺・八山組 17-30-20-15-(31)-17
31位 前田・野呂組 19-11-(23)-15-8-19
●470級女子〔22カ国/47艇〕
13位 近藤・田畑組 3-15-4-(OCS)-29
21位 吉迫・大熊組 18-16-8-17-26
●スター級〔13カ国/31艇〕7日終了
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2-M3
●レーザー級〔36カ国/140艇〕8日終了
91位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41-29 シルバーフリート
138位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37-BFD ブロンズフリート
踏みとどまれるか、原田・吉田組ゴールドフリートへ市野・吉見組
自主参加ながらゴールドフリート進出 前田・野呂組風がなくなり、横一線でフィニッシュ
11日目
メダルレース進出が見えてきた
470級男子 原田組 と女子 近藤組
470級男子:原田・吉田組7月12日
風275°~285°、12~17ノットの中470男子が2レース、女子が3レース、49erが4レース行われました。
本日は有利サイドが1レグ毎に微妙に変化する難しい海面でした。
このコンディションの中でも先月のSFGレガッタ2位で来日経験もあるBELCHER/PAGE組(オーストラリア)は抜群の安定感を見せ、470級男子総合トップ。他選手との得点差を開きました。
このチームはスピードがずば抜けている事もありますが、コース取りがとにかく安定しており、1艇で集団から離れている時は常に次のタックで差を開く事が出来ています。
このチームもそうですが、ビクターコバレンコ(オーストラリアコーチ)が指導している選手達の艇にはコンパスが付いていません。どのようにコースプランを立て、選択しているのか。非常に興味深いところです。
日本男子チームは原田・吉田組が9-9を取り上位と離れてしまい、順位を一つ下げ7位に後退。松永、今村組は3-20と2レース目を崩したものの、順位を上げ17位に位置しています。日本では一歩抜け出している感のあるこの2チームでさえトップを取らせてもらえない世界の層の厚さを感じます。
女子は前日1レースしか行わなかった為、本日は3レースを実施しました。近藤・田畑組が1レース目こそ24位と出遅れたもののその後3-3と無難にまとめ、13位から10位に上がりました。メダルレースへの進出が見えてきました。
49er級の海面は今日の風向だと島の影響で風の強弱、シフトが激しく風を見る力とどのブローを選択するかの判断が明暗を分けました。
牧野・高橋組も走りが悪いわけではないのですが、動作、他艇との競り合いで負けることが非常に多く、ゴールドフリートに入るとどうしても下位に低迷することが多くなってしまいます。普通に走っているときにどれだけ精神的に余裕があるかが非常に重要であることを再認識させられた1日でした。
本日の第2レース目はオーストラリアチームと下マーク回航でケースを起こし、日本からジュリーとして見えている田中さんが通訳に入り審問した結果、失格となってしまいました。審問に出た牧野は「まさか負けるとは思わなかった!」とひと言。しかし、審問も五輪に向けてのとても大切な体験です。良い経験をしたと前向きに捉え、明日に備えてほしいと思います。
明日13日、470級は3レース、49erは最終日のレースが行われる予定となっています。
予報は13~18ノットの西風の予報です。
選手達は諦めず、前を見て進みます。
【日本選手の成績】( )はカットレース
●49er級〔21カ国/61艇〕
23位 牧野・高橋組 2-16-(18)-4-11-2-17-14-11-22-22-21-(DSQ)-22-8
●470級男子〔33カ国/85艇〕
17位 松永・今村組 7-17-8-3-(28)-13-3-20
7位 原田・吉田組 1-1-4-(OCS)-6-10-9-9
24位 石川・柳川組 14-7-11-14-26-(29)-13-14
35位 市野・吉見組 18-22-24-24-13-5-(35)-29
44位 渡辺・八山組 17-30-20-15-(31)-17-8-10
31位 前田・野呂組 19-11-(23)-15-8-19-25-(33)
●470級女子〔22カ国/47艇〕
10位 近藤・田畑組 3-15-4-(OCS)-29-3-3
24位 吉迫・大熊組 (BFD)-16-8-17-26-19-33-20
●スター級〔13カ国/31艇〕7日終了
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2-M3
●レーザー級〔36カ国/140艇〕8日終了
91位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41-29 シルバーフリート
138位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37-BFD ブロンズフリート
470級男子:松永・今村組470級男子:石川・柳川組
前田・野呂組と市野・吉見組470級女子:近藤・田畑組
470級女子:吉迫・大熊組金メダリストと並走 牧野・高橋組
12日目
470男子 原田・吉田組 総合4位に浮上
49er級 牧野・高橋組 総合23位で大会終える
4位に浮上 原田・吉田組本日でレース終了 牧野・高橋組7月13日
風向210°~230°風速6~8ノットのち12~17ノットの風の中、470級男女は3レース、49er級は最後の1レースが行われました。
本日は長く続くシフトに合わせ、なおかつ風の強いサイドにいる人が上位に入る展開でした。
日本男子470級チームは原田・吉田組が2-4-17とまとめ、4位に浮上しました。
「スタートが良くなく逃げた方向に風が振れるなどラッキーもありましたが順位を上げた後しっかりと良い展開が出来たのはよかったです。ただ、3レース目は…もったいなかったです」(原田)
1レース目では総合2位に上がる場面もありましたが、本日を終えて3位と3点差、4位と同点で明日のレースに臨みます。大いなる期待です。松永組は3レースともシングルが取れず総合18位にいます。10位まで30点近くの開きがあります。
女子は近藤・田畑組が21-9-6で11位となり、ひとつ順位を下げる結果となりました。
「ポートのランニングで斜め後ろから来る波に合わせていなかったのでスピードがなく、ランニングで順位を落とすレースでした。スタートが悪いのも苦しいレースになっている一つだと思います。明日、同じコンディションの時に同じミスをしないようにしたいです」(近藤)
近藤組はハーバーまでポートのランニングを練習しながら帰港していました。
49er級の牧野組ですが、今日は風の読みが冴え、スタート後から上位に喰らいつき、1上5位、2上3位、3上2位と着実に順位を上げ、最後を飾る3位でフィニッシュしました。
普通なら良いレースをしてきたので喜ぶはずですが、近寄っていったらすぐに牧野から「ただのラッキー。ただ風が入って来ただけで艇が遅い」のコメントでした。この辺が牧野らしいところなのですが、スタート前に私と話していたセールの深さが課題だと分かるとすぐにセッティングを変更、全レース終了しているにも関わらず、彼ら独りで居残り練習をしていました。上手と言われている選手達とそうでない選手はここが一番違うと私は思います。
悔しがるのではなく『すぐにレースを振り返り、悪いと感じた事は練習する。次のレースまでの間に最大限の努力をする』簡単なようですが実はとても難しいことです。でもレースに出て戦っている以上、当然の事かもしれません。
ナショナルチームとして世界のトップ選手と戦う実力を持つ選手達でも、ジュニア・ユース、大学生、社会人でもレースで良い成績を取ろうとしているセーラーにとって課題となる事は同じです。
『良いスタートを切る。良いスピードを出す。良いコースを取る』これらを出来るようになり良い成績を取る為に毎日練習に励んでいる事を忘れてはいけないと彼らを見ていて強く感じました。
本日で49er級は全16レースが終了しました。牧野組の次の戦いはプレ五輪です。
明日は470級が1レース行われる予定となっています。
予報は2~3ノットの南風です。レースが出来る風を待ちたいと思います。
【日本選手の成績】( )はカットレース
●49er級〔21カ国/61艇〕 本日13日終了
23位 牧野・高橋組 2-16-(18)-4-11-2-17-14-11-22-22-21-(DSQ)-22-8-3
●470級男子〔33カ国/85艇〕
18位 松永・今村組 7-17-8-3-(28)-13-3-20-14-16-26
4位 原田・吉田組 1-1-4-(OCS)-6-10-9-9-2-4-17
28位 石川・柳川組 14-7-11-14-26-(29)-13-14-(BFD)-17-31
34位 市野・吉見組 18-22-24-24-13-5-(35)-29-33-29-24
46位 渡辺・八山組 17-30-20-15-(31)-17-8-10-15-8-24
32位 前田・野呂組 19-11-23-15-8-19-25-33-(35)-35-22
●470級女子〔22カ国/47艇〕
11位 近藤・田畑組 3-15-4-(OCS)-29-3-3-21-9-6
22位 吉迫・大熊組 (BFD)-16-8-17-26-19-33-20-18-19-13
●スター級〔13カ国/31艇〕7日終了
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2-M3
●レーザー級〔36カ国/140艇〕8日終了
91位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41-29 シルバーフリート
138位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37-BFD ブロンズフリート
総合1位のスペインと争う近藤・田畑組必死のアプローチ 吉迫・大熊組
混戦の下マーク 松永・今村組、前田・野呂組レイラインの隙間を狙って 石川・柳川組
最後まで諦めない渡辺・八山組スピードに苦しみながらも戦う市野・吉見組
13日目
470男子 原田・吉田組 総合9位でメダルレースへ
470女子 惜しくもメダルレース進出ならず
会心の走りを見せた前田、野呂組最終レグへ日本女子チーム7月14日
風向200°~210°風速8~14ノットの風の中、470級男女が1レース、行われました。
本日は昨日の2レース目と同じ展開。スタート後風が右にシフトし、集団と逆にいた選手たちが伸びる展開でした。
本日、日本男子470級で走ったのは自主参加チームの前田・野呂組。
右海面を使い、大きく順位を上げたレースの時と同じコースを選択。1上から3位でその順位を最後まで守りきりました。
松永・今村組も1上を15位前後で回航。シフトを巧みに利用しながら順位を上げていき9位でフィニッシュ。少ないチャンスをしっかりと使い、順位を上げていく彼ららしいレース展開でした。
表彰台を目指すうえで正念場を迎えた原田・吉田組は下3番手からスタートしたものの最後まで不利だった左海面のコース取りとなってしまい、1上をよもやの最下位で回航。
その後も順位を挽回するチャンスはなく、29位でフィニッシュ。総合9位でメダルレースに臨むことになりました。今日のレース次第で表彰台に上がるチャンスがあっただけに本人達もショックを受けていた様子でしたがレース中は最下位であってもひとつでも順位を上げようと必死に戦っていた姿が印象的でした。
女子は近藤・田畑組が1上を10位前後で回航するものの、うまく風を掴むことが出来ず18位でフィニッシュ。総合12位となり、残念ながらメダルレースに進出することができませんでした。
吉迫・大熊組はスタートで出遅れ、ブローを先に掴むことができない展開となってしまい、20位でフィニッシュ。苦戦を強いられています。
大会の中で、毎レースとも良い成績を取ることができれば一番良いのですが、ヨットレースはそう甘くはありません。良い時もあれば悪いときもあります。ですがその中でも勝負のポイントとなるレースが必ずあります。そこで何位でフィニッシュすることができるかでシリーズの行方が決まってしまうと言っても過言ではありません。
ポイントは戦っている選手が一番良く分かります。
この経験が選手を鍛え、選手としての能力を上げ、前に進んでいく糧になると私は思います。
明日最終日は470級男女とも上位10位の選手でメダルレース、10位以外のゴールドフリート、シルバーフリートでフリートレースを1レース行なう予定となっています。
原田・吉田組は6位と5点差の9位ですので入賞は可能な位置にいます。
予報は11~13ノットの東風。TEAM JAPANの頑張りに期待です。
【日本選手の成績】( )はカットレース
●470級男子〔33カ国/85艇〕
15位 松永・今村組 7-17-8-3-(28)-13-3-20-14-16-26-9
9位 原田・吉田組 1-1-4-(OCS)-6-10-9-9-2-4-17-29
28位 石川・柳川組 14-7-11-14-26-(29)-13-14-(BFD)-17-31-34
35位 市野・吉見組 18-22-24-24-13-5-(35)-29-33-29-24-30
46位 渡辺・八山組 17-30-20-15-(31)-17-8-10-15-8-24-16
30位 前田・野呂組 19-11-23-15-8-19-25-33-(35)-35-22-3
●470級女子〔22カ国/47艇〕
12位 近藤・田畑組 3-15-4-(OCS)-29-3-3-21-9-6-18
21位 吉迫・大熊組 (BFD)-16-8-17-26-19-33-20-18-19-13-20
●スター級〔13カ国/31艇〕7日終了
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2-M3
●レーザー級〔36カ国/140艇〕8日終了
91位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41-29 シルバーフリート
138位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37-BFD ブロンズフリート
●49er級〔21カ国/61艇〕 本日13日終了
23位 牧野・高橋組 2-16-(18)-4-11-2-17-14-11-22-22-21-(DSQ)-22-8-3
サイドマークの激しい攻防スタート直後、ESP(スペイン)の抜群のスタートが際立ちます。
最終日
大会閉幕
470級男子 原田・吉田組 総合8位
1上アプローチ 大接戦のメダルレースでした。7月15日
ヨーロッパ選手権最終日
風向60°〜75°、10〜14ノットの土砂降りの雨の中、470男女のメダルレースとメダルレース出場者以外のフリートレースが1レース行われました。
メダルレースには男子の原田・吉田組が日本470チームとして唯一出場。最後まで見応えのある素晴らしいレースを見せてくれました。
スタートは上側集団の下からスタート。左集団がタックしてきたところを受けて右海面へ伸ばしていきます。 今日はメダルレースですので陸から100メートル程度の所に上マークがあり、風の強弱、シフトが大きく、上マーク付近で大混戦となります。
1上は4位で回航、1位〜3位までがノージャイブで伸ばしていく中、即ジャイブして左海面へ伸ばしていきますが最後、真ん中集団が伸び、再び下マークも全員が15秒以内で回航していく大混戦。なかなか順位を上げさせてくれません。
2上も1上と同じようなコースを取り、そのままランニング勝負。
ここでドラマが待っていました。
ノージャイブで走っていたトップのスペインがフィニッシュ直前で英国の2艇に捕まり、最後3艇が誰が前か分からない状態でラインを切り、その後、同じく米国、オーストラリア、クロアチア、日本がほぼ同時でフィニッシュ。優勝者が分からず、全員が本部船でボードが掲示されるのを待ちます。
結果は、優勝を争っていた英国のLuke/Stuart組が同じ英国のNic Asher/Elliot組の後ろに入る形となり、1点差でクロアチアのSimeFantera/IgorMarenic組が逃げ切り、ヨーロッパチャンピオンとなりました。(総合1位はオーストラリアですが、ヨーロッパチャンピオンはヨーロッパの国に与えられることになっています。)
原田・吉田組は7位フィニッシュ。総合も8位に上がり今大会を終えました。
メダルレース出場者以外で行われたフリートレースでは市野・吉見組が下2番手からスタートしそのまま左海面をうまく使い、1上を3位で回航しますがその後、風を上手く掴めずに徐々に順位を落としてしまい17位。入れ替わりで松永・今村組、前田・野呂組が順位を上げてきてそれぞれ9位、10位でフィニッシュとなりました。
女子のメダルレースはスペインが唯一逆転の可能性のあったブラジルを抑え優勝。2位には大逆転でデンマーク、3位はブラジルという結果でした。
女子フリートレースでは近藤・田畑組が素晴らしいレース展開でダントツのトップフィニッシュでした。
誰よりも早く海面に行き、小松コーチと共に黙々と淡々とセッティングを合わせている姿がありました。最後までベストを尽くす。自分達の出来ることを最大限に行う。
本当に素晴らしいレースへのアプローチをしています。
吉迫・大熊組も今日は上位での戦いをすることができ、4位でフィニッシュ。いい形で大会を終えることができました。今後のレースに期待です。
6月29日から行われていた長い大会は今日で幕を閉じました。
すでに意識はオリンピックに向けた次の戦いに向かっています。次のTEAM JAPANの戦いは7月31日から8月13日まで英国・ウェイマスにて行われるオリンピックテストイベント(プレ五輪)となります。
ロンドンの海に日の丸が揚がることを信じて全員一丸となって戦い続けます。
【日本選手の成績】( )はカットレース
●470級男子〔33カ国/85艇〕
8位 原田・吉田組 1-1-4-(OCS)-6-10-9-9-2-4-17-29-M7
15位 松永・今村組 7-17-8-3-(28)-13-3-20-14-16-26-9-9
27位 前田・野呂組 19-11-23-15-8-19-25-33-(35)-35-22-3
32位 石川・柳川組 14-7-11-14-26-(29)-13-14-BFD-17-31-34-(BFD)
35位 市野・吉見組 18-22-24-24-13-5-(35)-29-33-29-24-30-17
48位 渡辺・八山組 17-30-20-15-(31)-17-8-10-15-8-24-16-22
●470級女子〔22カ国/47艇〕
12位 近藤・田畑組 3-15-4-(OCS)-29-3-3-21-9-6-18-1
20位 吉迫・大熊組 (BFD)-16-8-17-26-19-33-20-18-19-13-20-4
●スター級〔13カ国/31艇〕7日終了
3位 鈴木・和田組 (8)-6-1-8-5-5-2-2-M3
●レーザー級〔36カ国/140艇〕8日終了
91位 城 航太 19-24-31-22-28-(41)-41-29 シルバーフリート
138位 齊藤大輔 (OCS)-40-OCS-37-41-40-37-BFD ブロンズフリート
●49er級〔21カ国/61艇〕 本日13日終了
23位 牧野・高橋組 2-16-(18)-4-11-2-17-14-11-22-22-21-(DSQ)-22-8-3
1点差でヨーロッパチャンピオンとなったクロアチアと競り合う原田・吉田組ダントツトップで快走 近藤・田畑組
海面が航路のすぐそばでした。 メダルレーススタート 優勝が決まっているAUSはケースを起こさないようにスタート