Day4
4th ASIAN BEACH GAMES
PHUKET 2014 THAILAND
第4回 アジアビーチゲーム
Report & Photo by 宮野 幹弘
(JSAFオリンピック強化委員会ウインドサーフィン担当コーチ)
大会最終日
▲銅メダルを獲得した小島真理子
今日の1レースでメダルの色が決まるということもあり、日本選手団本部の団長、JOCスタッフの方々に応援に来ていただいた。
今日も、風向45~80度、風速3~10ノットと安定しないコンディション中でのレース。
男女ともに好スタートはするものの風にうまく合わせられず、上位でフィニッシュできなかった。しかし、女子は4位香港の選手が順位を落としたため、小島は総合3位で銅メダルを獲得することができた。男子の尾川は惜しくもメダルを逃したが、4位入賞を果たした。
今大会で、アジアの選手層の厚さが増し、強化システムが確立されていることが明確になった。またほとんどの選手がフルタイムで選手活動をしている。学生の選手もいるが、スポーツを中心とした学校に所属し、午前中は勉強、午後からは競技に特化した練習を行っている。2020年東京オリンピックメダル獲得に向けての強化を行う上で大いに参考になった。
長い間の応援、ありがとうございました。
●選手コメント
○男子:尾川 潤
ポイント差を縮めて逆転するには、最終レースで1位を走ることが必須条件でした。レース前から風を見てコース展開のイメージはできていましたが、スタート直後に風の軸が振れてしまい、前日と同様に終始追う形でのコース展開となり、ファーストマークは8番ぐらいで回航。この時点で1位で走るのは厳しくなりました。そこで戦略を切り替えて、前日までのポイントで一つ後ろの順位を走る香港の選手に逆転される可能性があったので、その選手をマークしながら少しでも前へ出られるようなポジションで展開しました。その結果、途中で香港の選手を抜き、4位でのフィニッシュとなりました。目標としていたメダルには届かず、今大会を終えました。今大会で自分の弱点を再認識することができたので、今後の活動に生かしたいと思います。応援して頂いた皆様、ありがとうございました。
○女子:小島 真理子
本日ですべてのレースが終了しました。今日は微~中風でしたが相変わらずフレフレで難しい海面でした。
良い位置に居ても、艇団のカバーができていなかったためにまくられ、結果5位でした。最終的には総合3位を死守できほっとしていますが、1位と2位の選手には程遠い3位でした。また後半の2日間は、勝てる相手に負けています。今回のレースでわかったのは、とにかくスピードがないこと、レースの組み立てが甘いことです。自分の課題がはっきりわかったので、海外レースという貴重な体験をさせていたあいた分、日本に帰ってからしっかりと整理して今後に活かしたいと思います。
●成 績
○男子
尾川 潤((株)島精機製作所)
4位 2-5-4-7-5
○女子
小島 真理子(和歌山県教育庁)
3位 4-3-4-8-3
●大会サイト:http://www.phuketthailand2014.com/en/home.aspx
▲ 4位入賞の尾川潤
▲表彰式での女子トップ3
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day3
大会3日目
▲男子の尾川
1日しっかり休み、今日から後半戦が始まる。朝から10ノット前後の風が入り、レースは予定通り10時にスタート。8ノットから12ノットの45度から80度の風、今日もシフティーなコンディションでのレースとなった。
男子の尾川は、スタートを失敗するもしっかり海面を見ながら1位で上マークを回航。そのまま第2マークまで行くも、下りでプレーンニングの2、3位の選手に追いつかれて1下を3位で回航、その順位のままフィニッシュとなった。
女子の小島はがうまく触れに対応することができず、4位の選手ばかりが気になってしまい思うようなレース展開ができないまま6位でフィニッシュした。4位の選手には勝ったものの、4位の選手をつき放すまでには至らなかった。
7レース目が始まる前、風の傾向が右から入るようになったことなどを選手に話した。風速は3~8ノット、風向は60~110度と風が右に振りはじめた中でのスタートとなった。
男子の尾川は、好スタートを切るも右にコースを変えることができず、左海面を使ったレース展開になった。右海面をうまく使っている選手たちが1上を回航する中、最終艇で1上を回航。2上ではうまく右海面を使い何とか4位まで順位を上げることができ 総合も4位のままで本日のレースを終了した。
女子の小島はリコール。中国の選手と接触し、両選手方ともに解消して先頭集団から遅れてのスタートっとなったが、猛パンピングで9位まで順位を上げ、最終レグでは総合4位の香港の選手を抜き、総合3位で本日のレースを終了した。
今大会を通して大きな視野でのレース展開ができていない。その場のことだけを考えレースを組み立てていることが多いように感じる。選手にはアドバイスをしているのだが、思うようには走れないようだ。
明日は最終レース男女ともにメダルが獲得できるように頑張っていきたい。
●選手コメント
○男子:尾川 潤
今日の1レース目は、風の強弱はあるものの風軸が安定していたので、ファーストレグはしっかり艇に対して良いポジションをキープでき、ファーストマークを1位で回航できた。しかし、その後のフリーで後ろからのブローで下ってきた艇をちゃんと抑えることができず、順位を落としてしまったのが悔やまれる。
2レース目は風が片振れしてしまい、早めにそちらに寄せた選手を追うような展開となってしまい、ファーストマークはほぼ最下位だったが、その後フリーの艇速、上りのポジションを上手く風に合わせたため4位まで順位を上げられた。今日は上位の選手とのポイント差が縮められず、残りあと1レースでその差を埋めるのが難しい状況となってしまったが、最後まで諦めずしっかり自分の走りができるように頑張ります。
○女子:小島 真理子
今日は不甲斐ないレースとなってしまいました。とくに課題は上りの走りです。
1レース目は、他艇を気にしすぎてしまい、前に出ても再びまくられ、下りで挽回するといった展開でした。ヘッダーのブローが来た時にブローに合わせて下らせることが他の選手よりも遅いため、上りで前に出られてしまうことが多かったです。
2レース目は、スタート時にリコールとインシデントを起こしてしまい、最下位からのスタートとなりました。このような結果になるのは、冷静に判断できておらず、リスクの高い行動をしてしまっていることと、目の前の出来事だけで判断して次の展開まで読みきれてないためです。明日は少しでも改善できるようにしたいと思います。明日は微風の予報です。微風の漕ぎは徐々によくなっているので、残り1レース、気持ちを切らさずに頑張りたいと思います。
●成 績
○男子
尾川 潤((株)島精機製作所)
4位 2-5-4-7-5
○女子
小島 真理子(和歌山県教育庁)
3位 4-3-4-8-3
●大会サイト:http://www.phuketthailand2014.com/en/home.aspx
▲女子の小島のフィニッシュ
▲男子のスタート4分前に海面を確認する選手たち
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day2
大会2日目
今日は風に翻弄された長い一日となった。
▲男子スタート
定刻どおりに出艇しレースエリアへ行くが、スタート予定時刻に風がなくなり40分ほどウェイティング。その後、風向は60から110度、風速は2から13ノットとまったく安定しない風の中レースがスタート。男女ともに1上は良かったものの、フリーで止まってしまい、後ろからプレーニングで来た集団に抜かれてしまう。何とか2上でまくり、男女ともに4位でフィニッシュした。
2レース目はさらに風がさらにシフティーになり、振れ幅もさらに大きくなった中でスタート。しかし、男女ともに優先順位を決めきれず、風に翻弄され順位を落としてしまった。
その後、海上で数字旗1がAP旗とともに上がり、1時間の海上待機(私がウインドサーフィンをしてきた中で、海上で数字旗が上がったのは初めての経験でした)。1時間経っても風が安定せず、さらに30分待つことに。しかし、30分たっても安定しない。
しかし、2から13ノット、風向は30から100度と安定しないまま、本日の3レース目がスタート。こんなコンディションで男女ともにつらいレース展開ではあったが、何とか男子4位、女子3位でフィニッシュすることができた。
今日は、右に振れ、左に振れ、プレーニングしている艇、止まってしまう艇、パンピングしている艇と、とても難しいコンディションで、これまで経験したことのない中でのレースだった。選手たちはこのようなコンディションの中頑張ってくれたと思う。
明日はレイデイなのでゆっくり休み、19日からの後半戦メダル獲得に向け頑張りたい。
●選手コメント
○男子:尾川 潤
今日は風の強弱、振れ幅の大きい海面で、しっかりシフトやガストを待たずにタックを変えてしまうことが多く、良い風を捉え損ねてしまい、順位を上げられませんでした。残り3レースは、我慢するところは我慢する走りでしっかりコースを繋げ、メダル獲得まで順位を上げられるように頑張ります。
○女子:小島 真理子
今日はフレフレでガスガスの海面のため、1つのブローを逃したり海面を外すと大幅に順位を落としてしまいます。2レース目は、冷静に考えることができず、わかってはいるもののなかなか反対海面に返せず、博打の走りをしてしまい、結果8番まで順位を落としてしまいました。3レース目は2レース目を踏まえて、上までは6番でしたが、アプローチ、相手よりも先手を打つこと等、基本的なことを心がけたところ、順位を上げることができました。残り3レースとなりましたが、1本1本冷静に、そして丁寧にレースをしたいと思います。
●成 績
○男子
尾川 潤((株)島精機製作所)
4位 2-5-4-7-5
○女子
小島 真理子(和歌山県教育庁)
3位 4-3-4-8-3
●大会サイト:http://www.phuketthailand2014.com/en/home.aspx
▲女子スタート1分前
▲海上で1時間のウェイティング
▲女子の3位争い
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day1
初日
▲レース会場のビーチ
昨日は、チャーターボードの受け取りが遅くなり、ボードの受け取り、計測などであわただしく、プラクティクスレースもいつの間にか終わってしまったような感じがあった。
今日は、プラクティクスレースで気が付いたこと、注意しなければいけないことを話した後、 初日のレースに臨んだ。
予定時刻30分前になっても風が入ってこないためA海面(RS:ONE)はAP旗が掲揚される。その後に風が入り始め、風向85~120度、風速2から7ノットの安定しない風の中1レース目がスタート。
男子の尾川のスタートポジションはあまり良くなかったが、マークに近づく方のタックでうまく風をつかみ、2位で回航。アウター、1下ではさらに順位を上げ1位になるが、2上でうまく風に合わせることができず、1つ順位を落として2位でフィニッシュした。
女子の小島は、スタートは良かったものの風の触れに合わせてコースが引くことができず、4位でフィニッシュした。
その後、風が落ち始め、海上でAP旗が上がり、1時間ほど海上待機。風が振れ、風向270~290、風速3から5ノットの中で2レース目がスタートした。
1レース目よりは、安定しているのだが、潮がとても強く、風と潮の両方を考えてレースをする展開となった。
男子の尾川は、スタートからコースを決めることができず、レース展開がすべて後手に回ってしまい、1上から順位を上げることができず5位でフィニッシュした。潮と風の優先順位が決められず迷ってしまったことが、順位を上げられない要因となった。
女子の小島も2位まで上がるが、優先順位が決められず、2上でコース取りがうまく整理できなくなってしまい、3位に順位を落としてしまった。よいところを走っていただけにとても惜しいことをしたと。
男女ともに明日は同じミスを起こさないようにさらに順位があげられるように頑張っていきたい。
○男子:尾川 潤
「今日の1レース目はスタートで少し出遅れてしまったが、その後の風のシフトを上手く繋ぐことができ、そのまま上位でフィニッシュできました。2レース目は、スタート後のファーストタックからコース取りに迷いが出てしまい、前に出られる場面がないまま中途半端な位置を走ってしまいました。スタート後のスピード、ファーストタックの場所に気をつけて、風のシフトにしっかり合わせれば上位を走れるはずなので、明日はミスを少なく前を走りたいと思います。」
○女子:小島 真理子
「昨日、コーチからスタートの位置取り、上り漕ぎのセールポジションについてアドバイスをいただいたので、今日はそれを意識して挑みました。2レースともスタートは攻めることができましたが、コース取りに迷うことが多々あり、そこで抜かれてしまう展開が多かったです。明日は風をよく見て判断し、順位を落とさない走りをしたいと思います。」
●成 績
○男子
尾川 潤((株)島精機製作所)
4位 2-5
○女子
小島 真理子(和歌山県教育庁)
3位 4-3
●大会サイト:http://www.phuketthailand2014.com/en/home.aspx
▲1下を2位で回航する女子の小島
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
4thABG
アジアビーチゲームズは、アジアオリンピック評議会(OCA)が主催するアジア地区でのビーチスポーツの総合競技大会で、2年に1度開催されます。2008年に第1回大会がインドネシア・バリで開催され、前回は2012年、第3回大会(中国・海陽)が13競技49種目で実施されました。今年の第4回ASIAN BEACH GAMESはタイ・プーケットで行われます。
●開催地:タイ・プーケット Phuket THAILAND
●出場選手
○RS:ONE 男子:尾川 潤(株式会社 島精機製作所)
○RS:ONE 女子:小島 真理子(和歌山県教育庁)
●帯同コーチ:宮野 幹弘 (セーリング連盟ナショナルコーチ/45rpmスタジオ株式会社)
●参加艇数:
男子:20名(20カ国)
女子:20名(20カ国)
●大会サイト:http://www.phuketthailand2014.com/en/home.aspx
開催地プーケットは、タイの首都バンコクから飛行機で2時間ほどのところにあるリゾート地です。今年はビーチバレーボール、ビーチハンドボール、トライアスロンなどビーチで行うことのできる26競技169種目のスポーツが競います。
セーリング競技には、Hobie 16 、Laser Radial Women、Laser Standard Men、Optimist Men、Optimist Women、RS:X Open Men、RS:X Open Women、RS:One Open Men、RS:One Open Womenの9種目があります。
日本からは、関西選手権(5月、滋賀県琵琶湖)のRS:ONEで1位を獲得した男子の尾川潤(株式会社島精機製作所)、女子の小島真理子(和歌山県教育庁の)が代表として出場します。
レースは11月16日~20日までの4日間(18日はレイデー)で8レースが予定されています。過去、オマーンで行われた第2回大会で日本の女子がTechno293クラスで銀、銅を獲得しており、今回もそれ以上のメダルを獲得できるように頑張ってもらいたいと思います。日本からの応援よろしくお願いします。
▲香港チームとセーリング会場へ向かう小島(左)と尾川(その奥)
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)