最終日
6日目
5日目
4日目
3日目
2日目
1日目
LWC2012
Laser World Championship 2012
2012年レーザー級世界選手権
− ロンドン五輪出場国枠獲得大会&日本代表選手選考会 −
Report & Photo : 帯同コーチ
Edit:オリンピック特別委員会 広報
南里 力及ばず
日本レーザー級 五輪出場の夢 ついえる
▲最後の踏ん張り
▲夢かなわず5月10日・7日目 大会最終日
レーザーワールド2012の最終日は、やっとハイクアウトする風が吹きました。今日は温暖前線の通過で、生暖かい風とともに雨もまじって15~20ノット、やっと世界選手権らしくなりました。
南里はシルバーフリートで最後の望みをかけて2レース戦いましたが、みんなの夢はかないませんでした。NT選手がみなシルバーに残れなかった時から一人で背負ってきた枠取りのプレッシャーに負けたところもあったでしょうし、技術的にまだシルバーの強豪の中では競り負けてしまうところも多々ありました。力及ばず総合102位、国枠は16位(12位までが獲得)に終わりました。
優勝はあのスリングスビー(オーストラリア)でしたが、昨日サッカーで遊んでいる時に筋を痛めてしまい、今日は足を固定して片足ハイクで1レース、最終レースは出ずに、オリンピック本番を意識して休みました。オーストラリアチームにはトレーナーが帯同しており、日々のコンディショニングも確実にやっています。レーザーはアスリートの集団になっており、サイボーグ的な疲れを知らない選手がますます増えていることに驚かされます。
「打たれ弱いということなのかもしれません。4年前に自分や永井が挑戦していた時にはゾンビのように打たれ負けても、また起き上がって向かっていったところがありました。永井はあの頃と比べると経験が豊富になった分、落ち着いてテンションも低くなってしまったようにも見えます。ピークを越えてしまったというのでしょうか。安田は強風がよくなっていただけに軽風シリーズで苦手に感じていた部分もあるかと思います。国枠がとれずに悔しい限りです。今回、ルーキー(世界選手権初出場選手の中での最高位)はチュニジアの選手でしたけど、ラジアルから転向して5か月、勢いがありました。そんな馬力が日本選手にも欲しかったです」(アシスタントナショナルコーチ:飯島)
国枠が多いレーザーでこんなに苦戦するなんて・・と日本から厳しいお言葉もいただきました。その通りだと思います。世界レベルの上昇についていかれなかったのであれば、もう一度、原点に戻って考えたいと思います。
オーストラリアがレーザーセーリングを科学的に考えている姿勢を見習い、体格、才能ある選手の発掘から始めなければならないのでしょうか。
種目が採用されたアトランタ五輪(1996年)から4大会連続して出場を果たしてきたレーザー級ですが、ロンドンは残念な結果になりました。応援していただきました皆様に心から感謝いたします。
●大会公式HP:http://www.laserworldchampionship.com/
●艇種説明&動画:http://jsaf-osc.jp/cn08/pg04-04.html
●出場ナショナルチーム選手&一般参加選手の成績(暫定)(170艇62か国・本日2レース)
102位 南里研二*(玄海セーリングクラブ)
27-21-24-21-16- (52)-33-(49)-39-45-18-40-34-39
122位 安田真之助(鹿屋体育大学職員)
40-(42)-38-28-(42)-11-33-20-20-11-8-40-12-29
125位 城 航太*(エス・ピー・ネットワーク)
33-31-44-49-47-19-(52)-44-24-20-6-37-3-5
127位 永井久規(豊田合成)
29-43-16-41-36-48-(49)-(BFD57)-9-22-12-27-25-15
129位 ホール・イアン(福岡ヨットクラブ)
36-28-(50)-40-41-37-20-(51)-33-16-16-21-19-26
161位 粟野和昭*(レーザー逗葉フリート)
54-50-55-(56)-48-52-50-BFD56-48-44-35-37-49-38-41
(*は一般参加選手)
▲男子は枠がとれず。パースで枠がとれている女子は来週から代表選考
●開催地:ドイツ・ボルテンハーゲン(時差:日本時間-7時間)
●会 期:
5月1日~3日 受付・計測 3日 午後プラクティスレース・開会式
5月4日~7日 レース 予選ラウンド(8レース予定)
5月8日~10日 レース 決勝ラウンド(6レース予定)
5月10日 表彰式
●出場国枠既獲得国:(36か国)オーストラリア、英国、ニュージーランド、ドイツ、オーストリア、スエーデン、サイプレス、クロアチア、フランス、米国、ブラジル、アルゼンチン、韓国、カナダ、ポーランド、オランダ、ギリシャ、グァテマラ、イスラエル、ハンガリー、スペイン、チリ、エストニア、イタリア、デンマーク、スイス、ウルガイ、米領バージンアイランド、ロシア、ベルギー、ノルウェー、スロベニア、シンガポール、フィンランド、トルコ、中国
●帯同オリンピック特別委員会スタッフ:
○飯島 洋一
○斉藤 愛子
国枠取り後退
▲第11レースの南里のスタート。混雑していても、果敢に出ていきました
▲第12レースは、南里と番号が1つしか変わらない艇がブラックにかかり、ちょっとあせりました5月9日・6日目
南からの風が吹いて温かい中、順当に2レースを行いました。第11レースは170°、10ノット前後でしたが、第12レースは時折雨雲が来ると15ノットを超える雨ブローが下りてきて、190°軸でした。晴れ時々曇り、場所により雨という変化の多いコンディションです。雨が降っても温かかったです。
シルバーフリート・前日まで105位の南里は1レース目を中盤前で走り、ライバル達との点差をつめたのですが、2レース目ではスタートで出遅れてしまい、その後もリズムがつかめませんでした。ダウンウィンドで抜いてきたのに、アップウィンドでまたちぐはぐなコースになりがちと、不安げな走りに戻ってしまいました。18-40でした。1レース目は最後の最後まで前へ出る勢いがあったので、明日はその調子を崩さずに、思い切って進んでほしいものです。
6つの国枠争いは点差の争いですが、南里は今日の40位が響いて、10番目に後退しました。逆転できない点差ではありませんから、明日は余計なことを考えず、平常心で思い切って2レースを戦ってしてほしいと思います。
ゴールドフリートはスリングスビー(オーストラリア)が別格の1位で、2位はスティパノビッチ(クロアチア)、3位にミーグリ(グアテマラ)がつけています。中南米ではレーザーのユースチャンピオンシップ目指して選手の育成をし、そこから体格の良いアスリートタイプの選手をレーザースタンダードジュニア大会へと強化していきます。今回は軽風シリーズになっているので、こういったユースあがりの選手達が南里も含めて活躍しています。ベテランの永井が、「今は情報化が進み、どこの国の若い選手もみんなトップレベルの選手の映像が見られるから、それを真似てレベルアップしてきている」と、北京から4年での長足の進歩ぶりをコメントしています。アジア大会で永井とラジアルクラスで金メダルを争ったブーアロン(タイ)も得意の軽風でゴールドフリートの後半で粘っていることを見てもアジアのレーザーレベルも高くなっていることがわかります。
明日は今日と同じく南風、中風。無心で、顔をあげて前進するのみ。49er級が世界選手権(クロアチア)で枠を獲得したというニュースを聞き、うれしい思いです。レーザーも、明日、追いつきます。
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●艇種説明&動画:http://jsaf-osc.jp/cn08/pg04-04.html
●出場ナショナルチーム選手&一般参加選手の成績(暫定)(170艇62か国・本日2レース)
100位 南里研二*(玄海セーリングクラブ)27-21-24-21-16- (52)-33-(49)-39-45-18-40
120位 安田真之助(鹿屋体育大学職員)40-(42)-38-28-(42)-11-33-20-20-11-8-40
127位 永井久規(豊田合成)29-43-16-41-36-48-(49)-(BFD57)-9-22-12-27
131位 ホール・イアン(福岡ヨットクラブ)36-28-(50)-40-41-37-20-(51)-33-16-16-21
134位 城 航太*(エス・ピー・ネットワーク) 33-31-44-49-47-19-(52)-44-24-20-6-37
161位 粟野和昭*(レーザー逗葉フリート) 54-50-55-(56)-48-52-50-BFD56-48-44-35-37-49
(*は一般参加選手)
▲ダウンウィンドのマーク回航。集団を怖がるな!
▲スタート前に安田、城選手にスピードチェックをお願いした南里
▲南里のスタートを見つめる安田。複雑な思いであろうが、今朝はスピードチェックを手伝ってくれた
▲フィニッシュ後に飯島コーチからレース展開の説明を受ける南里
●開催地:ドイツ・ボルテンハーゲン(時差:日本時間-7時間)
●会 期:
5月1日~3日 受付・計測 3日 午後プラクティスレース・開会式
5月4日~7日 レース 予選ラウンド(8レース予定)
5月8日~10日 レース 決勝ラウンド(6レース予定)
5月10日 表彰式
●出場国枠既獲得国:(36か国)オーストラリア、英国、ニュージーランド、ドイツ、オーストリア、スエーデン、サイプレス、クロアチア、フランス、米国、ブラジル、アルゼンチン、韓国、カナダ、ポーランド、オランダ、ギリシャ、グァテマラ、イスラエル、ハンガリー、スペイン、チリ、エストニア、イタリア、デンマーク、スイス、ウルガイ、米領バージンアイランド、ロシア、ベルギー、ノルウェー、スロベニア、シンガポール、フィンランド、トルコ、中国
●帯同オリンピック特別委員会スタッフ:
○飯島 洋一
○斉藤 愛子
南里 苦戦
残り4レース がんばれ!
▲苦戦の続く南里5月8日・5日目
今日も最初は陸上待機でしたが、南からの8~10ノットのコンディションで11時半から2レースを行いました。今日から決勝グループ(ゴールド、シルバー、ブロンズ)の3フリートでのレースです。風が南になってからは気温も上昇、晴れ間が出ると温かく感じるようで、昨日の寒さが嘘のようでした。晴れたり曇ったりする中、風も強弱あり、左右へのシフトありで、風のないエアポケットのような区域に入ってしまった艇は追い上げが難しい展開でした。
シルバーフリートに残った南里は苦戦を強いられています。
「スタートで出遅れて、それでも行きたいサイドへブランケットでも我慢して行っている間に、行き場所がなくなってしまいました。2レース目は逆にふらふら左右に定まらないコースになってしまったり。歯車がかみ合わないです。スピードもつまっている感じがするので、明日は改善して頑張ります」(南里)
1レース目は1下マークでの順位を2上では30位まであげてきました。怖いもの知らずのヤングパワーを持っていますから、明日はそれがレース展開とかみあってほしいと思います。
枠とりは、10か国中、9位に下がりました。シルバーフリートの中で、チェコがダントツ、軽風だとトリニダードトバゴ、エルサルバドルが順位をあげて、この3艇は少し離れてしまいました。しかし、残りの7か国は204点から227点の間に僅差で並んでいるため、南里は明日の2レースで踏ん張り、枠の圏内へ戻すことが目標です。今日、レースの前に永井が南里と走りをチェックしようとしてくれました。世界選手権10回目のベテランは、「自分がいつものスピードが出せているかいないかをチェックすることが重要です。周囲の人が速いから自分が遅く思えるのか、自分の本来のスピードが出ているのかいないのか、今日はできなかったけど、明日はスタート前に走り合わせてチェックしたらいい」と、明日の南里へアド▲レース前に斉藤コーチより海上の状況のアドバイスを受ける南里バイスをくれました。オーストラリアのスリングスビーはハーバーからレースエリアまでオーストラリア軍団4艇を相手にスピードチェックをしながらセーリングしていきます。南里も、やるべきことをしっかりやって、明日は挽回です。
私たち飯島、斉藤はスタート前に風上側のエリアを手分けして風をチェックし、スタートラインやや上で情報交換をしてから選手に伝えています。明日は朝吹いている南風がだんだんと西へ回りながら弱まる予報ですが、今夕よりすでに風が落ちているので、予報の12ノットが本当に吹くのでしょうか?弱いような予感です。
●大会公式HP:http://www.laserworldchampionship.com/
●艇種説明&動画:http://jsaf-osc.jp/cn08/pg04-04.html
●出場ナショナルチーム選手&一般参加選手の成績(暫定)(170艇62か国・本日2レース)
105位 南里研二*(玄海セーリングクラブ)27-21-24-21-16- (52)-33-(49)-39-45
116位 安田真之助(鹿屋体育大学職員)40-(42)-38-28-(42)-11-33-20-20-11
130位 永井久規(豊田合成)29-43-16-41-36-48-(49)-(BFD57)-9-22
132位 ホール・イアン(福岡ヨットクラブ)36-28-(50)-40-41-37-20-(51)-33-16
136位 城 航太*(エス・ピー・ネットワーク) 33-31-44-49-47-19-(52)-44-24-20
161位 粟野和昭*(レーザー逗葉フリート) 54-50-55-(56)-48-52-50-BFD56-48-44-35
(*は一般参加選手)
注:南里選手側から所属先の名称変更依頼がありましたので変更しています。
▲本部艇の横で積極的に場所取りをする安田
▲南里の走りを祈るように見守る飯島コーチ
▲夢を叶えるには前を走るだけ!!! ガンバレ!
●開催地:ドイツ・ボルテンハーゲン(時差:日本時間-7時間)
●会 期:
5月1日~3日 受付・計測 3日 午後プラクティスレース・開会式
5月4日~7日 レース 予選ラウンド(8レース予定)
5月8日~10日 レース 決勝ラウンド(6レース予定)
5月10日 表彰式
●出場国枠既獲得国:(36か国)オーストラリア、英国、ニュージーランド、ドイツ、オーストリア、スエーデン、サイプレス、クロアチア、フランス、米国、ブラジル、アルゼンチン、韓国、カナダ、ポーランド、オランダ、ギリシャ、グァテマラ、イスラエル、ハンガリー、スペイン、チリ、エストニア、イタリア、デンマーク、スイス、ウルガイ、米領バージンアイランド、ロシア、ベルギー、ノルウェー、スロベニア、シンガポール、フィンランド、トルコ、中国
●帯同オリンピック特別委員会スタッフ:
○飯島 洋一
○斉藤 愛子
NT勢総崩れ 五輪国枠取りは南里ひとりに託す結果に
国枠残り6枠
▲今日は崩してしまった南里。みんなの夢は彼に託されます5月7日・4日目
雨ベタの朝でした。予報では午後から北東風が吹くと出ていたので、11時予定のスタートが12時まで陸上待機となり、12時から海へ出て13時15分からレースが始まりました。
85°設定、5~8ノットのコンディション、しかも時折雨が降る最悪の状況でした。2月に実施した葉山の選考レースよりも寒く感じましたし、「これは福岡の冬と同じ。水が冷たすぎです」と普段は寒がることがないイアン・ホールがぼやいていました。
8ノット以下の微風では南里がダウンウィンドの走りで落ち着きがなく、我慢のバイザリーができずに順位を落としてしまいました。また、南里は帰着申告を時間内に履行しなかったために5ポイントのペナルティーを受けてしまい、暫定92位が98位に下がってしまいました。
南里は日本選手で唯一シルバーフリート(予選シリーズ57位~112位)に残りましたから、本来なら五輪代表に内定となるのですが、このような凡ミスをしていては国枠そのものが獲得できません。今日の2レースを経て予選が終了しましたが、今回の国枠12のうち、ゴールドフリート(同上1位~56位)で6枠の獲得(タイ、アイルランド、ポルトガル、リトアニア、チュニジア、ウクライナ)が決定し、残りの6枠をシルバーフリートに残った10か国(チェコ、トリニダードトバゴ、エルサルバドル、プエルトリコ、ベネズエラ、コロンビア、日本、マレーシア、モルドバ、メキシコ)で争うことになりました。南里は今日の成績だと7番目。僅差の中で後半の決勝グループでのレースを戦います。
安田は114位で112位までのシルバーフリートにあと4点、2番差で届きませんでした。またホール、永井も届かず、NT総崩れの結末は寂しい限りです。
▲予選最終日で意気込みすぎたか、多数ブラックフラッグで失格になりました1番差でシルバーフリート入りを逃したモンテネグロの選手と安田は初日のエントリー数が2艇多かったことを指摘、「エントリー数が170ではないか?」とレース運営に質問しましたが、エントリーを完了しなかった2艇が除かれたこと、成績表の中での得点の誤りを訂正したことで、「初日のレースが均等なフリートの出艇数でなく不公平だ」というモンテネグロの言い分は通りませんでした。
明日から南里一人に国枠獲得を託す、想定外の厳しい後半戦になります。
予報は南東から南、久々に10ノットを超えて、午後からは15ノットに達する見込みと出ています。
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●出場ナショナルチーム選手&一般参加選手の成績(暫定)(170艇62か国・本日2レース)
98位 南里研二*(玄海セーリングクラブ)27-21-24-21-16- (52)-33-49
114位 安田真之助(鹿屋体育大学職員)40-(42)-38-28-42-11-33-20
131位 ホール・イアン(福岡ヨットクラブ)36-28-50-40-41-37-20-(51)
135位 永井久規(豊田合成) 29-43-16-41-36-48-49-(BFD57)
136位 城 航太*(エス・ピー・ネットワーク) 33-31-44-49-47-19-(52)-44
164位 粟野和昭*(レーザー逗葉フリート) 54-50-55-(56)-48-52-50-BFD56-48
(*は一般参加選手)
▲10回目の世界選手権の永井選手。お疲れ様でした
●開催地:ドイツ・ボルテンハーゲン(時差:日本時間-7時間)
●会 期:
5月1日~3日 受付・計測 3日 午後プラクティスレース・開会式
5月4日~7日 レース 予選ラウンド(8レース予定)
5月8日~10日 レース 決勝ラウンド(6レース予定)
5月10日 表彰式
●出場国枠既獲得国:(36か国)オーストラリア、英国、ニュージーランド、ドイツ、オーストリア、スエーデン、サイプレス、クロアチア、フランス、米国、ブラジル、アルゼンチン、韓国、カナダ、ポーランド、オランダ、ギリシャ、グァテマラ、イスラエル、ハンガリー、スペイン、チリ、エストニア、イタリア、デンマーク、スイス、ウルガイ、米領バージンアイランド、ロシア、ベルギー、ノルウェー、
スロベニア、シンガポール、フィンランド、トルコ、中国
●帯同オリンピック特別委員会スタッフ:
○飯島 洋一
○斉藤 愛子
NT勢伸びず 南里独走 国枠圏内の8位に
▲今日も頑張った南里。風車と菜の花畑をバックに5月6日・3日目
今日も弱い北風で2レースを実施しました。軽風が続く中で、南里が第5レースで17位をとりましたが、次のレースで51位とたたいてしまい、捨てレースを作ってしまいました。それでも、今日は黒旗ルールで失格になるライバル国が多かったおかげで、国枠とりは8位へと圏内に戻りました。
今朝もレースエリアへ向かう時には10ノット以上吹いているのに、スタート前になると6~7ノットに落ちてしまいます。レース運営は湾内の風の通り道にうまくコースを設定しているので、両エンドの風が弱く、中央部分に帯状の流れがあります。上位に入る艇はこの道筋をしっかり見極め、集団の中でしっかり位置取りをしていました。第6レースではスタートから安田がいいサイドに寄せていくことができ、1上マークを2位で回る快走。そこから1下では5位だったものの、2上で右に出したのがはずれてしまい、それでも11位でフィニッシュしました。首の皮1枚で明日の予選最終日にかけます。城も別グループで第6レース、18位に入りました。
▲下マークを目指す大集団今日はレース終了後にインポートレースと称するISAFランキング上位10名によるハーバー内での賞金レースがありました。微風の超ショートコースの争いでしたが、さすがトップ10の選手達だけに、スーパーボートハンドリングを集まった観客に見せつけました。タックの後に元のスピードよりも速くなってはいけないと規則にあるかもしれませんが、今日見た彼らのタックやジャイブは芸術です。ジュリーがペナルティーを出した瞬間から動きが止まってしまい、急につまらなくなりましたから、これをストップするような規則は、もしかしたらセーリングをつまらなくさせる要因なのではないかと思いました。でも、そこからまた躊躇することなく、フィニッシュまでロールタックを繰り返したオーストラリアやアルゼンチンの走りは見事としかいいようがなく、ジュリーも旗を水につけたまま、見逃していたのが印象的でした。凄いアスリート集団でした。これが世界の頂点かと!
明日は予選最終日。まだシルバーフリートに届く可能性がみんなにあります。2レースをしっかりまとめて、何としてもシルバーフリートで決勝に入れるようにしなければ、代表選考は南里の独走で逃げ切られてしまいます。南里はゴールドフリートまで12点、自力でゴールドに入れば快挙です。明日が正念場です。
●大会公式HP:http://www.laserworldchampionship.com/
●艇種説明&動画:http://jsaf-osc.jp/cn08/pg04-04.html
●出場ナショナルチーム選手&一般参加選手の成績(170艇62か国・本日2レース)
74位 南里研二*(玄海セーリングクラブ)27-21-24-21-17- (51)
122位 安田真之助(鹿屋体育大学職員)40-(42)-38-28-42-11
125位 永井久規(豊田合成) 29-(43)-16-41-37-47
129位 城 航太*(エス・ピー・ネットワーク) 33-31-44-(49)-48-18
135位 ホール・イアン(福岡ヨットクラブ)36-28-(50)-40-42-36
163位 粟野和昭*(レーザー逗葉フリート) 54-50-(55)-54-52-50
(*は一般参加選手)
▲第3マークを回航する城。このレースは頑張って18位でフィニッシュ
▲グディソン(英国)と競り合って下マークを回航する安田。上マークは2位で先行したが、僅かの差をキープすることは難しかったか
▲予選あと1日。頑張れイアン
▲昼食のパンをかじる南里
●開催地:ドイツ・ボルテンハーゲン(時差:日本時間-7時間)
●会 期:
5月1日~3日 受付・計測 3日 午後プラクティスレース・開会式
5月4日~7日 レース 予選ラウンド(8レース予定)
5月8日~10日 レース 決勝ラウンド(6レース予定)
5月10日 表彰式
●出場国枠既獲得国:(36か国)オーストラリア、英国、ニュージーランド、ドイツ、オーストリア、スエーデン、サイプレス、クロアチア、フランス、米国、ブラジル、アルゼンチン、韓国、カナダ、ポーランド、オランダ、ギリシャ、グァテマラ、イスラエル、ハンガリー、スペイン、チリ、エストニア、イタリア、デンマーク、スイス、ウルガイ、米領バージンアイランド、ロシア、ベルギー、ノルウェー、
スロベニア、シンガポール、フィンランド、トルコ、中国
●帯同オリンピック特別委員会スタッフ:
○飯島 洋一
○斉藤 愛子
軽風のレガッタ 南里 チームトップをキープ
熾烈な国枠取り 現在14位
▲15〜25位は大接戦。その中で踏ん張る南里。走り負けはしてないが、ダウンウィンドのポジションどりとスタートが課題5月5日・2日目
弱い北風の中で2レースを行いました。天気は晴、日差しも強いのに海面を流れてくる風の冷たいこと。気温は10度あるかないかです。そして水温は9度。軽風だと動作が少ないせいか寒さをより感じるようで、毛糸の帽子をかぶった選手が多くみられました。
オーストラリアのスリングスビー選手がダントツの走りを見せています。北京五輪で軽風が全く走れていなかったのを克服して、異次元の速さを出しています。セッティングとステアリング、ボートバランスで、同じ風速ながらも他艇よりパワフルに走れる組み合わせを見つけています。2位のクロアチア・スティパノビッチ選手はレース展開のうまさを感じますが、3位のバートン選手(オーストラリア)を見る限り、オーストラリアの軽風対策には圧倒されます。スリングスビー選手は強風では敵なし、加えていまや微風でも敵なしになりつつあり、ロンドン五輪の金メダル最有力選手です。それでも、イエールではメダルレースでディスマストして(1位から5位に落ちて)ショックな結末だっただけに、オーストラリアはスタッフを含めて、石橋をたたいて渡る以上の念入りな準備を心掛けているそうです。
時折、13ノットのガストがスタート前までは入っていました。ゼネリコを繰り返している間に10ノット以下に落ち、レース中は8ノットを超えることがごくまれにあったくらいでした。そんな軽風レースでしたから、我慢が大切。今日は永井が第3レースで果敢なスタートを見せ、スリングスビーといっしょにタックを返していく積極的なレースをして16位フィニッシュ。気迫ある走りでした。今回の永井は選考レース(2月葉山)の時と同様に最初から爆弾(捨てレース:初日の43位)を抱えてのレースになりましたが、少しずつ借金を返して最後に追いつけるよう、あの気迫を継続してほしいものです。
19歳・南里がこの軽風の中、今日も20番台2本でまとめてトータルで83位と、日本選手のトップをキープしています。しかしながら、12枠を目指す29か国の中では14位に後退してしまい、僅差の中で1ポイントを争う戦いの渦中にいます。まだ、予選の半分が終了したところなので、これから後半が勝負となり、ますますの集中力をもって取り組んでほしいところです。
▲15位でトップ集団を追いかける永井世界選手権に選手としては初めての参加となった粟野は「いつもはチャーター艇の担当で大会に行っていましたから、選手だと何か時間をもてあましてしまい、これでいいのかな??と落ち着かないです。昨日はマーク付近で集団の中に入れなくてだめでしたけど、今日は中へ寄せていくようにがんばりました。でも、ぶつけてしまいました…」。本人は日本でレーザーを建造していますが、長年の夢だったワールド参加を果たしハイレベルな壁に圧倒されています。
明日も今日とコンディションは同じ。あさってはさらに弱まる予報がでています。予選は吹かない状況が続くので、とにかく、スタートで1線を貫くことがキーです。エルサルバドルの選手は1日で44位から112位まで落ちてしまいました。少しでも油断したら50番くらい平気で落ちますし、40点差は1日でひっくりかえります。
明日から後半、まだまだ、これからです。
●大会公式HP:http://www.laserworldchampionship.com/
●艇種説明&動画:http://jsaf-osc.jp/cn08/pg04-04.html
●出場ナショナルチーム選手&一般参加選手の成績(170艇62か国・本日2レース)
83位 南里研二*(玄海セーリングクラブ)(27)-21-24-21
110位 永井久規(豊田合成) 29-(43)-16-41
128位 ホール・イアン(福岡ヨットクラブ)36-28-(50)-40
130位 安田真之助(鹿屋体育大学職員)40-(42)-38-28
134位 城 航太*(エス・ピー・ネットワーク) 33-31-44-(49)
163位 粟野和昭*(レーザー逗葉フリート) 54-50-(55)-54
(*は一般参加選手)
▲オーストラリアのワンツーコンビ。菜の花畑を背景にスリングスビーと追いかけるバートン
▲日本チーム最年長の粟野。普段はPSJでレーザーを作っています
▲真剣な表情で準備をする城
▲マイペースでレースに臨む南里
●開催地:ドイツ・ボルテンハーゲン(時差:日本時間-7時間)
●会 期:
5月1日~3日 受付・計測 3日 午後プラクティスレース・開会式
5月4日~7日 レース 予選ラウンド(8レース予定)
5月8日~10日 レース 決勝ラウンド(6レース予定)
5月10日 表彰式
●出場国枠既獲得国:(36か国)オーストラリア、英国、ニュージーランド、ドイツ、オーストリア、スエーデン、サイプレス、クロアチア、フランス、米国、ブラジル、アルゼンチン、韓国、カナダ、ポーランド、オランダ、ギリシャ、グァテマラ、イスラエル、ハンガリー、スペイン、チリ、エストニア、イタリア、デンマーク、スイス、ウルガイ、米領バージンアイランド、ロシア、ベルギー、ノルウェー、
スロベニア、シンガポール、フィンランド、トルコ、中国
●帯同オリンピック特別委員会スタッフ:
○飯島 洋一
○斉藤 愛子
初日NT外選手の南里研二 日本チームトップに立つ
▲南里16位、城17位、イアン23位の下マーク回航。今日は黄組の3名が、がんばりました62か国、170艇参加のレーザー級世界選手権がドイツ・ボルテンハーゲンにて始まりました。
初日は南西からの軽風、気温11度、水温9度。冬まではいかないものの、初夏とは思えないほどの寒いコンディションで2レースを行いました。
時折雨雲が通過すると小雨がぱらつき、風もシフトを繰り返し、第1レース(13時スタート)は210°、第2レースはエリアを少し移動して250°設定でした。風向のイメージは湾口に向かって背中方向の陸からの風です。
出場している6人の日本選手トップはナショナルチーム外の若手ホープ南里でした。28-21の70位発進です。
「ハイクアウトパンツのパッドを入れると足裏にあたるので、軽風では抜いたほうがダウンウィンドがやりやすいです」(南里)と、パッドなしで5~13ノットの中を走りました。ただし、抜かれてくるのはダウンウィンドなので、まだ工夫が必要かもしれません。
NT安田は42-42の131位。「今日は欲だして風取りにいった時に外してしまいました。2本とも同じミスだったのが良くないです。初日だから堅くなったかといわれると、それは大丈夫です」(安田)。
NT永井は第1レースのスタートでスカリングをとられてペナルティーターンをしましたが、そこから無欲の追い上げをはかり30位でフィニッシュしました。30-34。安田にも共通しますが、がんばろうと欲を出した時に風を見落とすようなミスを犯しているようです。
▲1レース目に須賀リングの違反を取られてしまった永井(中央)一方、NTイアンはフリート中盤で我慢強く辛抱して順位をあげ、NTの中ではトップです。城は1上で良かったレースも中盤の混戦で競り負けて順位を落としましたが、イアンのすぐ下にいます。
アジア大会ほど緊張していないというものの、永井と安田には緊張の色が見えました。五輪代表選考がかかっていると思えば思うほど、緊張の波に襲われてしまうようです。
初日を終え、国枠は残り12か国を目指す29か国中、南里の成績で9位です。
明日は11時スタート予定です。予選シリーズが4日間続き、後半は上位フリートのゴールドと下位フリートにシルバー、ブロンズの3グループの決勝シリーズとなります。風は明日もそれほど強くならない予報ですが、最低気温が2℃というのが気になります。
●大会公式HP:http://www.laserworldchampionship.com/
●艇種説明&動画:http://jsaf-osc.jp/cn08/pg04-04.html
●出場ナショナルチーム選手&一般参加選手の成績(170艇62か国・本日2レース)
70位 南里研二*(玄海セーリングクラブ)28-21
108位 ホール・イアン(福岡ヨットクラブ)37-28
110位 城 航太*(エス・ピー・ネットワーク) 34-31
115位 永井久規(豊田合成) 30-43
131位 安田真之助(鹿屋体育大学職員)42-42
159位 粟野和昭*(レーザー逗葉フリート) 54-50
(*は一般参加選手)
▲出遅れた安田
▲スタート直後にスカリングで違反をとられた永井は2ターンでペナルティ解消
▲北京五輪金メダリストのグディソン(英)は第1レースで2回の42条違反でDNFとなりました
▲42条違反を記録するためジュリーはカメラと録画・録音ようにヘッドセットをつけています
▲艤装をするイアン
▲開会式
▲レザークラス全員集合
●開催地:ドイツ・ボルテンハーゲン(時差:日本時間-7時間)
●会 期:
5月1日~3日 受付・計測 3日 午後プラクティスレース・開会式
5月4日~7日 レース 予選ラウンド(8レース予定)
5月8日~10日 レース 決勝ラウンド(6レース予定)
5月10日 表彰式
●出場国枠既獲得国:(36か国)オーストラリア、英国、ニュージーランド、ドイツ、オーストリア、スエーデン、サイプレス、クロアチア、フランス、米国、ブラジル、アルゼンチン、韓国、カナダ、ポーランド、オランダ、ギリシャ、グァテマラ、イスラエル、ハンガリー、スペイン、チリ、エストニア、イタリア、デンマーク、スイス、ウルガイ、米領バージンアイランド、ロシア、ベルギー、ノルウェー、
スロベニア、シンガポール、フィンランド、トルコ、中国
●帯同オリンピック特別委員会スタッフ:
○飯島 洋一
○斉藤 愛子
2012レーザーワールド 4日からレース
日本から五輪出場国枠獲得を目指して6選手出場
2012年レーザー級世界選手権が5月1日(レース4日開始)~10日の日程で、ドイツ・ボルテンハーゲンにて開催されます。日本からはナショナルチーム3選手、一般参加3選手の計6選手が参戦します。
この大会には日本のロンドン五輪レーザー級出場国枠獲得が懸っています。五輪国枠は48国枠でそのうちの36枠(主催国英国の1枠を含む:下記参照)はすでに昨年のパースワールドにて決定しており、残りは12枠です。未獲得の日本にとっては先ずこの12枠内に入ることが至上命題です。
開催地のボルテンハーゲンの海は3方が陸に囲まれているためシフティーな風が吹きます。またこの季節は準軽風から強風まで様々な風が吹く傾向にあります。そうした意味で、勝利のためにはオールラウンドのスキルが求められます。
国枠を獲得することが叶えば日本最上位の選手がJSAF規定によりロンドン五輪レーザー級日本代表に内定します。
●開催地:ドイツ・ボルテンハーゲン(時差:日本時間-7時間)
●会 期:
5月1日~3日 受付・計測 3日 午後プラクティスレース・開会式
5月4日~7日 レース 予選ラウンド(8レース予定)
5月8日~10日 レース 決勝ラウンド(6レース予定)
5月10日 表彰式
●大会公式HP:http://www.laserworldchampionship.com/
●艇種説明&動画:http://jsaf-osc.jp/cn08/pg04-04.html
●出場国枠既獲得国:(36か国)オーストラリア、英国、ニュージーランド、ドイツ、オーストリア、スエーデン、サイプレス、クロアチア、フランス、米国、ブラジル、アルゼンチン、韓国、カナダ、ポーランド、オランダ、ギリシャ、グァテマラ、イスラエル、ハンガリー、スペイン、チリ、エストニア、イタリア、デンマーク、スイス、ウルガイ、米領バージンアイランド、ロシア、ベルギー、ノルウェー、
スロベニア、シンガポール、フィンランド、トルコ、中国
●出場ナショナルチーム選手&一般参加選手:
ナショナルチーム選手
○安田真之助(鹿屋体育大学職員)
○ホール・イアン(福岡ヨットクラブ)
○永井久規(豊田合成)
一般参加選手
○南里研二(玄海セーリングクラブ)
○城 航太(エス・ピー・ネットワーク)
○粟野和昭(レーザー逗葉フリート)
●帯同オリンピック特別委員会スタッフ:
○飯島 洋一
○斉藤 愛子
▲先月行われたフランスオリンピックウィーク大会より