決勝シリーズ2日目
44 TROFEO S.A.R. PRINCESA SOFÍA
ISAF ワールドカップ パルマ
第44回プリンセスソフィア杯
トヨタ自動車東日本・49erチーム参戦レポート
Report &Photo:トヨタ自動車東日本 セーリングチーム
49er級担当コーチ 石川裕也
■大会5日目(4月5日・決勝シリーズ2日目)
牧野・高橋組 善戦 総合18位で大会終了
決勝2日目。沖からの5~12knotの中軽風コンディションで予定通りの3レースが実施されました。今日は風波ともに弱かったため、岸に近いエリアにレース海面が設けられました。そのため、岸の影響を考慮したコース選択が重要なポイントとなった1日でした。
牧野組の結果は34-5-17。総合でも前日から再び2番上げて74艇中の18位、国別10位となりました。
最終日のメダルレースは上位8チームで争われるため、牧野組は本日にて大会終了となりました。今シーズンの海外遠征初戦としては善戦・健闘の部類に入ります。
優勝はドイツ、2位英国、3位デンマークでした。
《1レース目》
ほぼ全艇が岸に近い左海面を狙い、ワンサイドでのレース展開になりました。そんな中、牧野組はスタートの位置が悪く、なかなか思うように行きたいコースを走ることができず、
第1マークから出遅れ、最後まで挽回できずに34位でフィニッシュしました。
《2レース目》
1レース目の反省をいかして、風の変化と次の展開を予測してレースが組み立てられ、第1マークを2位で回航。その後はトップ集団の中で抜きつ抜かれつの攻防を繰り返し、今大会2回目の5位でフィニッシュ。
《3レース目》
2レース目同様途中まで良い位置にいましたが、風向が徐々に狙いとは逆に変化していき、第1マークを30位で回航。しかしその後、風の変化にしっかりと落ち着いて対応し、17位まで順位を上げてフィニッシュしました。粘り強い走りでした。
大会を通じて、軽風から強風まで様々なコンディションでレースが行われ、各風域で現状の実力の把握とさらに上のレベルに行くには何が足りないかを確認できたことは、収穫です。
明日からは、昨年の世界選手権で6位のニュージーランドチームと4月20日から行われるワールドカップ(フランス大会)に向けての練習・調整を行います。
今回の遠征を実りあるものにするために、しっかりと今大会の内容を検証・分析し、一日一日を大切にして、さらなる目標に向けて取り組んでいきたいと考えています。
【大会最終成績】(全14レース)参加74艇
総合順位:18位 国別順位10位 9-11-22-20-5-(26)-6-22-19-19-13‐(34)-5-17
決勝シリーズ初日
■大会第4日目(4月4日・決勝シリーズ初日)
マーク際での混戦に課題残すも、
総合順位を2番上げて20位
4日目・ゴールドフリートとシルバーフリートに分かれての決勝シリーズ初日は沖からの8~16knotの中風コンディションで、予定通り3レース実施されました。既報のとおり、牧野・高橋組は予選22位でゴールドフリートにての戦いになります。
《1レース目》
良い位置からスタートし、途中までトップ集団の中でレースを組み立てられましたが、第1マークまで残り1/3のところで、集団に対して風の強いサイドに行くのが遅れ、第1マークを14位で回航。風下マークでは10位まで順位を上げますが、その後のコース選択ミスとマーク際での混戦にのまれ、19位まで後退してしまいました。
《2レース目》
1レース目から風の傾向が徐々に変化してきた中、牧野組は対応が遅れ、他艇に対し風の弱いエリアを走る時間が長く、第1マークから25位と出遅れ。その後懸命な走りを見せ、マーク回航毎に順位を挽回し、19位でフィニッシュ。
《3レース目》
スタート後苦しい位置での走りが続きましたが、冷静に風を見極め、第1マークを5位で回航。その後もコースプランは悪くなかったのですが、マーク回航毎での混戦にうまく対応できずに、結局13位でフィニッシュとなりました。
今日は、混戦の中でのマーク回航での判断・対応ミスが目立ちましたが、これは国内で孤独な強化活動をしている牧野組の海外遠征初戦としては無理からぬことかもしれません。しかし、二人のモチベーションは下がることはありません。
全11レースを終えて、昨日から2番上げての20位です。
今回のような遠征の中でしか経験できない貴重な機会ですので、一つ一つの反省を収穫として、次に繋げていきたいと思います。
首位にはドイツが上がり、2位英国、3位デンマークがつけています。
【レース成績】(決勝シリーズ初日終了時点)全74艇
総合順位:20位 国別順位11位 9-11-22-20-5-(26)-6-(22)-19-19-13
予選シリーズ
トヨタ自動車東日本(TMEJ)セーリングチーム
49er級牧野・高橋組 参戦レポート
4月1日~6日の期間、スペイン・マヨルカ島にて、国際セーリング連盟(ISAF)のセーリングワールドカップ大会・第44回プリンセスソフィア杯が開催されます。
http://www.trofeoprincesasofia.org/
トヨタ自動車東日本セーリングチームから49erチームの牧野幸雄・高橋賢次組が出場します。
この大会は、世界選手権、ヨーロッパ選手権に次ぐグレードの高い大会です。
49er級は今大会に全74艇がエントリーされており、牧野・高橋組チームにとっては、ロンドン五輪以降これまで国内で取り組んできた成果を試す上で、貴重な機会となります。
レースは 明日から6日間、全16レースが予定されています。
チームにとって「2016年リオ五輪でのメダル獲得」という目標を達成するためには、 克服しなければならない課題は多くありますが、この大会での経験がさらなる進化につながるよう全力で戦います。
【大会日程】
4月1日 予選シリーズ 3レース
2日 予選シリーズ 3レース
3日 予選シリーズ 3レース
4日 決勝シリーズ 3レース
5日 決勝シリーズ 3レース
6日 メダルステージ(4/5終了時点での上位8チームで実施)
■大会第1日目(4月1日)
強風のためノーレース
予選シリーズは全74艇を2グループに分け、3日間で行われます。
初日の本日、牧野組は第2グループでレースをする予定でしたが、徐々に風が強まり、先にレースを行っていた第1グループの内フィニッシュできたのは、37艇中5艇のみというサバイバルコンディションになりました。 そんな中、牧野組も出艇していきましたが、
さらに風は強まり、沈艇が続出したため、レースは実施されずに陸上に戻り、5時間程、風がおさまるのを待ちましたが、その後も風はおさまらずに本日のレースは中止となりました。
明日は、スケジュールが変更され4レース行われる予定です。 強風の予報が出ていますが、本日よりはおさまるようです。
■大会第2日目(4月2日)
総合24位発進 風下ランに課題残る
大会2日目も前日に引き続き強風でしたが、前日よりも風速はおさまり、14~20knotの中、予定通り4レース実施されました。風速よりも波長の短い波の影響で乗りこなすのが難しいコンディションでした。
今日1日を通すと、風下へ向かうレグで、波への対処を意識しすぎる余り、他艇に対してスピードが失速することが多く、順位に大きく影響しました。
1レース目、2レース目は、共に第1マークを6位で回航するも、次の風下マークへ行くまでに順位をおとし(9-11)、3レース目には、沈をしてしまいました(22着)。
この風下ランについてはこれまでもチームの課題として十分認識し、取組んできており、当地での事前合宿ではよい感覚を掴みかけていただけに、レースでそれを再現できないことが悔しい思いです。次のステップに進むためには、どうしても克服しなければいけないポイントですので、なんとかして解決の糸口を見つけ、次につなげたいと考えています。
予選シリーズは明日が最終日で、4レースが予定されています。
【レース成績】(4レース終了時点)全74艇
総合順位:24位(1R:9位 2R:11位 3R:22位 4R:20位)
■大会第3日目(4月3日・予選シリーズ最終日)
総合順位2番UPの22位・ 国別11位 ゴールドフリート進出成る
大会3日目は昨日までの強風コンディションから一転し、岸沿いからの軽順風コンディション(6~10knot)でのレースとなりました。当初4レースが予定されていましたが、
昼過ぎまで無風の状態が続き、スタート予定時刻よりも2時間遅れのスタートとなり、3レースのみの実施となりました。
1レース目。苦しい位置からのスタートとなりましたが、第1マークを8位で回航。一時10位まで後退しましたが、最終風下へのレグで他艇よりも風の変化を的確に判断でき、5位まで順位を上げてフィニッシュしました。
2レース目はスタート前のレースプランが外れ、序盤から集団に対して遅れを取ってしまったことで、後手後手の対応となり、挽回できないまま26番フィニッシュ。
3レース目。スタート、コース選択ともに成功し、途中までトップでしたが第1マークまでの残り1/3のところで、上位集団のカバーを外してしまい、結果抜かれてしまい、そのまま6位でフィニッシュ。
その一度だけの判断さえ間違わなければ、1位だっただけに、詰めの甘さになんとも悔いが残るレースでした。
明日から決勝シリーズです。牧野組は上位グループのゴールドフリートに進出しました。
総合1.2位には英国チーム、3位にはスペインがつけています。牧野組の得点は73点。調子も上がってきています。さらに上を目指して頑張ります。
【レース成績】(予選シリーズ7レース終了時点)全74艇
総合順位:22位 国別順位11位 9-11-22-20-5-(26)-6