2013年度 第1回 東日本水域別練習会(東北)
Report &Photo:飯島 洋一(オリンピック強化委員会)
長くセーリングを続けてほしい
東北ユースセーラーたちの熱意を感じる2日間
地域とJSAFの連携で
セーリングスポーツの活性化を図ろう
●開催日:2013年5月25日(土)~5月26日(日)
●開催地:宮城県七ヶ浜町花淵浜小浜沖
●主 催:JSAFオリンピック強化委員会
●協 力:宮城県セーリング連盟
●参加学校・団体:
仙台第一高校、仙台第二高校、塩釜高校、宮城水産高校、
気仙沼高校、気仙沼向洋高校、山形県セーリング連盟
●コーチングスタッフ:
○中村 健次
(JSAFオリンピック強化委員会470級担当ナショナルコーチ)
○飯島 洋一
(JSAFオリンピック強化委員会東日本担当ナショナルコーチ)
○原田 龍之介
(2012年ロンドン五輪470級日本代表スキッパー 所属先:アビームコサルティング(株))
●開催公示:http://jsaf-osc.jp/_userdata/2013_touhoku_camp-1_NOR.pdf
▲420級に乗り込むロンドン五輪日本代表の原田龍之介コーチ今回の練習会には宮城県セーリング連盟の呼びかけにより、東北水域のユースセーラー35名が参加しました。
この合宿は水域でのセーリングスポーツ普及(発掘・育成・強化)を加速することを目的とし、さらに地域と連盟(JSAF)との交流を進め、様々な連携を図ることを意図して企画されました。
2日間という短い日程でしたが、お陰様にて合宿では選手との交流はもちろん県連関係者、高校の先生達など多くの方々にも参加していただき、成功裏に終了することができました。
予想以上に女性セーラーの参加が多く、約半数を占めていたことは驚きでした。そのせいもあってか練習会は厳しい中でも明るい雰囲気で進められました。艇種は420級、レーザーラジアル級、そしてFJ級を対象としましたが、次週にインターハイ予選が行われるとのことでFJ級が一番多く集まりました。
初日の午前中はレース練習を行ない、選手たちの技量を把握した後、セーリングの基本とスタートを重点的に練習、講習を行いました。最初はスタートラインに到達すらできなかった選手も徐々に上達し、見違えるようなスタートを見せるようになりました。こうした海上での指導のほか、クーリングダウン、ウォ-ムUP、さらにストレッチの実践も行ない、「体の調子を整えることも練習と同じくらい重要だ」ということを学んでもらいました。着艇後は近くの生涯学習センターに移動し、「レース前の準備(いいスタート)をする方法」の座学をおこないました。
原田龍之介コーチは実際に420、FJに乗り込み、選手達とレース練習を行いました。当たり前のようにジャストスタートを決める五輪セーラーのパフォーマンスに高校生たちは驚きの声を上げ、着艇後は矢継ぎ早に質問を投げかけていました。
陸上講習の際、原田コーチから「トヨタ自動車のマークを書くことができますか?」と問題が出されました。常日頃、目にしているトヨタのマークなのですが、ほとんどの選手が書けません。原田コーチ曰く「人間の記憶力とはそんなもの。レース前の準備や日頃の練習も意識して、継続して行わないと忘れてしまう」。世界のトップセーラーとして活動・活躍をしていた彼のこの言葉は非常に説得力があり、高校生達の心に強く響いたに違いありません。
密度の濃い練習会でしたが、熱心にメモを取り、真剣な眼差しでコーチの話に聞き入る東北ユースセーラーたちの姿がとても印象的でした。この中からセーリングを継続し、世界で活躍する選手が出てくることを期待します。
次の東日本水域練習会は江ノ島にて6月22日、23日に行われます。湘南水域にこだわらず、他の水域からの参加も可能です。多くの次世代セーラーの参加を歓迎します。
最後になりましたが、練習会の準備に奔走・ご尽力いただいた宮城県セーリング連盟の皆様にこの場を借りて御礼を申し上げます。
▲モーターボートに付いてボートハンドリングの練習
▲中村健次NCの「レース前の準備の話」に聞き入る選手達
▲参加者全員集合の記念写真