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Day6



49er and 49erFX SEIKO World Championships

2014年 49er and 49erFX世界選手権

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Report & Photo:中村健次(オリンピック強化委員会)




大会閉幕 健闘の男女チーム
男子 牧野・高橋組 総合18位 ワールド過去最高位
女子 波多江・大熊組 総合34位 初陣として収穫大


1309_49erWC-29.jpg▲1上マークアプローチ、苦戦するFX波多江・大熊
【9月29日、大会6日目、最終日】
 大会最終日を迎えました。男子シルバー、ブロンズ、女子シルバーフリート終了後、今年から49erクラス協会が導入している敗者復活戦がおこなわれ、最後にメダルレースが実施されました。(敗者復活戦は、男子では前日までのトップ10を除いたゴールドフリート11~20位の1艇が、女子については同じくシルバーフリートのトップがメダルレースに復活するという仕組みです)。

 女子FXは風向135°12→6ノットの風の中、予定どおり2レースが行われましたが、昨日とは違って風が弱くなる傾向でした。丘を越える中風~軽風は余計に風の強弱があり、まわりを見て風のある所を走らないと同じスタートをしたフリートなのかと言うほどトップと後続艇に差が出てしまいます。シルバーフリートの波多江・大熊組は艇のコントロールに自信がまだ持てないのか、スタートから積極的に攻めることが出来ず、常にスタートラインの有利不利にかかわらず空いたスペースを見つけてスタートすることで精一杯でした。また、風の変化が多いと走らせることに集中せざるを得ないことで一番重要な風を見ることができず、後追いのレース展開を強いられましたから、なかなか前を走ることができませんでした。本日17-28でシルバーフリート13位、総合34位で大会を終えました。
 やはりスキフ艇性格を理解するためにはもう少し時間が必要なのかもしれません、帰国後は基本動作の『艇を自在にコントロールできる』練習を積み重ね、来シーズンに向けトレーニングするしかありません(ただ、FXクラスでいえることはトップ数艇のみが上手になっているだけで、まだまだ未完成なクラスだということです。彼女らのチャンスは無限です)。

【波多江の総括】
「今回初めて49erFXのレースに参加して、他のFXとミートや一緒に並んで走るのも初めてで今までの470などのレース展開とは違い毎日が初めてのことばかりで、まさに毎日が勉強でした。でも、レースの組み立て方はあたりまえに全てのヨットレースと同じで『スタートは第一線からスタートする』『ブローの中を長く走る』『ストラテジー通りにコースプランを立てる』などの出来不出来が顕著に結果に表れるのが49erのレースだと感じました。とくに49erは消去法でタックやジャイブで一回ミスすると止まってしまい、何艇身もどんどん離されてしまいます。それが頭で分かっていてもできないのが今の自分であって、自分の思い通りに艇をコントロールできていません。
 これからの課題としては、基本的な動作(タック、ジャイブ、回航動作、止まるなど)を微風でも強風でも思い通りにコントロールできるように練習していきたいと思います。それができるようになるためにも、体作りも必要だと痛感しています。貴重な勉強の場となった一か月に感謝です」
【大熊の総括】
「艇のコントロールに精一杯でブローを見て渡ることができていませんでした。判断も遅く、後手後手になってしまいました。FXは日本には私たち1チームしかいないので、今回の世界選手権は初めてのフリートレースでもあり、他のFXと一緒に走ること自体も初めてでした。FXのレースで起こり得る様々な状況を経験できたことが、私たちにとっては新鮮で大きな収穫でした。日本に帰ってから練習することが山盛りです」

1309_49erWC-30.jpg▲ストームに見舞われた昼時

 男子49erの敗者復活レースは、シルバー・ブロンズフロートの後、直ぐに予定されていましたが、雷を伴う嵐の影響でスタート時間が大幅に遅れましたが、嵐が去った後の軽風で1レースが行われました。牧野・高橋組はトップを取ってもメダルレースへのチャンスはありませんでしたが、順位を1つ上げる可能性は十分にありました。しかし、これまで総合同ポイントのAUT(オーストリア)に途中でパスされ、1つ前でフィニッシュされてしまい、前日までと同じ順位の18位で今年の世界選手権を終了しました。しかしながら日本チームで総合18位は過去最高ですので、レベルアップが図れていることは確かです。今後、強風域で成績を上げることがメダルレースに残る大きな課題となります。まだ強風では好きな時に思う様に精度の高いジャイビングが出来ません。しっかりその課題を改善することが大切だと思います。地道な練習ありきの49erです。

【石川裕也TMEJチームコーチの総括】
今大会はトップ10まであと一歩といった内容のシリーズでしたが、結果を分析すると昨年のロンドン五輪(国別)では18位、世界選手権では23位という結果でしたので、牧野・高橋組にとって今回の世界選手権で過去最高位の成績を収めることができたことは、少なからず進歩が結果として表れたと思います。
これらの結果に繋がった一番の要因は、ロンドン五輪以降、チューニングを大幅に変更し調整を重ね、軽風~強風までの全てのコンディションで安定してスピードが向上したことです。スピードの課題が克服されつつあることが確認できたことは大きな収穫でした。その反面、別の課題として」「混戦時の他艇に対するポジショニング」「ダウンウインド(風下レグ)のスピード」が、まだまだ克服できていないことが、明確になった大会でもありました。この2点が克服できれば間違いなく世界でもトップ10に入ることができるレベルにまできているだけに、非常に悔しい思いをしています。
とくにトップレベルのチームだけで行われるゴールドフリートのレースでは、やはり普段競り合った中(プレッシャー)での経験が多いチームと、1艇での練習での差がより顕著に出たのではないかと感じました。とにかく、この点については、対策を練り直し、なんとかして克服に取り組んでいきたいと考えています」
【牧野の総括】
「予選を通過して、昨年度の成績を超えることが出来た瞬間は嬉しかったです。しかし、大会を終えてみると、いつもの大会と同じように悔しい気持ちでいっぱいです。この悔しい気持ちは、結果に対するものではなく、納得のいくセーリングが出来なかったことに対する気持ちです。いつの日か納得のいくセーリングをして、その結果優勝できるように、限られた時間の中で頑張りたいと考えています」
【高橋の総括】
「今回、ワールド自己最高の18位で終わりましたが、やり切った感じは全くなく悔しさだけが残っています。まだまだ課題はたくさんありますが、その一方、前に進んでいることも確かです。これからも精進してさらに上を目指し取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。応援ありがとうございました」

 2013年49er &49erFXの世界選手権が終了しました。
 最終日までレポートを読んでいただき、また、応援していただいいた皆さまに御礼申し上げます。

●日本チーム総合最終成績
○男子(97艇)
 18位 牧野・高橋組【予選】7-(20)-16-1-9
           【決勝】8-13-7-19-20-9-16-(21)-8
○女子(53艇)
 34位 波多江・大熊組【予選】8-18-10-(25)-1-23
            【決勝】10-OCS-9-12-15-13.5(RDG)-17-28


●大会公式サイト:http://49er.org/event/2013-world-championships/
●成績サイト(男子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day-1-49er-Overall-Results-after-race-21.pdf
●成績サイト(女子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day1-49erFX-overall-Results-after-Race-2.pdf

1309_49erWC-31.JPG▲Photo:石川裕也
1309_49erWC-32.JPG▲Photo:石川裕也

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day5



男子 強風下の4レース ダウンウインドに課題
女子 3レース目トラブルも審問に勝利


1309_49erWC-25.jpg▲上マークに向かうFXの第1レース
【9月28日、大会5日目、Semi Finals】
 天気予報どおりきょうは朝から東寄りの風があり、予定より1時間早めたスケジュールでレースが行われました(今日の午後は風速がガストで25ノットオーバーの予報のため)。
 スケジュールは風の状況を加味して女子のフリートが10時からゴールド20分×4レース、シルバー30分×3レースが予定のエリアから岸近くに変更されて行われました。安全を考慮したフレキシブルな対応だったと思います。

 先に行われた女子はまだ風が強くなりきる前のレースでした。岸から吹く風10~14ノット、風向55°→80°で1レース目は行われました。海面左岸には小高い丘、右はビーチで風が通りやすい条件でしたから、基本的なコース戦略としては右を考えるのが大切な事でした。波多江・大熊組はスタートも上寄りから一線目でスタートしますが、なぜか集団が右展開に変ってもそのままスターボタックで走り続けます、結局、艇団の一番左に位置することになりました。案の定、左海面の風が安定的に強く(風軸も右に変化)大きく水を開けられ上マークに到達しました。レース後に何故?と確認したところ、「3回タックして右に行くチャンスはあったけど、躊躇してしまった」とのことでした。ヨットレースは常に大まかに言うと例えば、タックするかそのまま行くか1/2の判断しかありません、常に目からの情報を集め判断をしなければならないのです。
 1上マークで大きく水を開けられこのままの順位かと思っていましたが、1下マークから2上マークでは大きく左展開で10艇以上をパスし12位でフィニッシュしました。
 続く2レース目は風向110°、風速8~15ノット、この風上にも高めの丘が有り、風の変化、強弱があり難しいコース取りのレースでした。スタートも良く上位でレースを進めますが、風の変化に対応できずアンヒールして何度も水の中に浸かってしまい、あっという間にフリート後方になってしまいました、また、マーク際では近くの艇に合せてしまったことで、風の無い場所につかまるなど苦戦しました。
 3レース目は風速14~18ノット、風向135°でした。スタート1分前に風上艇のイタリアが艇をコントロールできず日本艇と接触、艇と艇が絡まり、その下側に居た英国艇をも巻き込んで3艇が絡んで沈をしてしまいました。沈をしてからも艇と艇が離れる事が出来ず、コーチボートでゆっくり引き離し大事には至りませんでしたが、すでにスタートして5分が経過、リタイアせざるを得ませんでした。このケースはレース時間内でしたので、不利を被った日本と英国でプロテストとリドレス(救済の要求)を提出、審問で「レースができないまでの不利を被った」ことが認められ、本日の2レースの平均点を付与され、総合成績も参加艇数の真ん中まで上がりました。

【大熊のコメント】
「スタートでのポジショニングやタックやジャイブの動作でのミスがあり、余裕のない展開でした。行きたい場所に行くために船を自在にコントロールするための基本動作がとても大切だと痛感しています。今日の3レース目のスタート前に3艇で接触して同時に沈をしてしまい、スタートに間に合わずレースができませんでした。コントロールを失いケースを回避できなかったことが反省点ですが、強風でのレース経験をひとつ逃したことが残念です」
波多江のコメント】
 「きょうは初めて強風下のレースをしましたが、マーク際では混戦で、ミートはボートスピードも速いので、周りを広く見ていないと一瞬で状況が変わっていました。上マークはゲートになっているのでどちらも回航した後にクローズで上マークに向かってくる艇が沢山いるので上・下、ポート・スターボーのケースになっていた艇も沢山いました。
 ただ単にベアをするだけでなく視野を広く周りの状況に合わせて回航することが必要だと感じました。
強風時でのボートコントロールができていなく、スタートや動作で船が止まっていることなどが自分の思った通りにすぐにボートをコントロールできていません。20分の短いコースなので動作で差が開いています。
 スタートでも船を止めることやベアをすることが上手くできていなく、できていない時に次にどういう行動をとるべきなのか、判断が遅いので早め早めに次のことを考えていきたいと思います。
とくに強風は土台となる基本的な動作が必要だと痛感しました。
明日も強風予報で、今日は1番吹いている時にレースができていないので自分たちがどれぐらいまで吹いていてもできるのか、スタート前の準備などやるべきことをきちんとしてレースに臨みたいと思います」

1309_49erWC-26.jpg▲第3レース、スタート前3艇のFXが大クラッシュ

 男子ゴールドフリートは女子レースの終了後からでしたので、4レースを14ノット~25ノットの中で行われました。クローズホールドの走りは悪くない印象で1上マークまでは上位に絡む走りを見せてくれましたが、マーク近くでのポジショニング取りに苦労し順位を下げることもありました。また、これまでの課題でもあるダウンウインドがどうしてもスピードに乗せるが出来なかったことと、ジャイビング動作の精度が低く後続艇にパスされてしまうケースが多々見られました。やはり普段競り合った中(プレッシャー)での経験が多いチームと1艇での練習での差が出たのではないかと思いました。

【石川裕也TMEJチームコーチのレポート】
 「ガストで25knot入る強風コンディションのもとで、昨日までの課題がより顕著に表れてしまった内容の一日となりました。前日同様に、風上レグでの走りはトップチームにも引けをとらず、第1マークを4レースともトップグループで回航しますが、風下レグでの「スピード」「マーク付近でのタクティクス」「動作ミス」が多くあり、順位を落としていく展開となってしまいました。
 ハイスピード艇の49er級は、とくに強風コンディションの風下レグが、最もスピードが増す場面で、「舵のきり方」「ボートバランス」「シートトリム」をその瞬間の風と波に対応して、瞬時に調整する必要があり最も操船技術が難しいところでもあります。
 2レース目こそ順位をキープしてフィニッシュしましたが、まだやはり精度が低い状態です。しかし、この課題を克服しないことには世界の舞台で勝つことはできませんので、なんとかして上位陣の走りからヒントを見つけ、必ずや克服したいと考えています。最後まで全力を尽くします」

 あすは大会最終日となります。風向も本日同様な陸風のガスティーなコンディションが予想されています。男子49er、女子49erFXともにきょうの反省を活かしたレースをしたいと思います。

●日本チーム総合成績(5日目終了時、決勝2日目)※暫定成績
○男子(97艇)
 18位 牧野・高橋組 予選7-(20)-16-1-9 決勝8-13-7-19-20-9-16-(21)
○女子(53艇)
 33位 波多江・大熊組 予選8-18-10-(25)-1-23 決勝10-OCS-9-12-15-DNC

※日本女子は本日3レース目のDNC、3艇でのケースに巻き込まれ、プロテスト及び救済の要求を出し、そのプロテストに勝利し、本日2レースの平均得点が救済として認められ、暫定ですがシルバーフリートの6位になる見込みです。

●大会公式サイト:http://49er.org/event/2013-world-championships/
●成績サイト(男子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day-1-49er-Overall-Results-after-race-21.pdf
●成績サイト(女子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day1-49erFX-overall-Results-after-Race-2.pdf

1309_49erWC-27.JPG▲3レース目第1マーク(Photo:石川裕也)
1309_49erWC-28.JPG▲3レース目上りレグ(Photo:石川裕也)

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day4



男子 牧野・高橋組 17位
女子 波多江・大熊組 28位
明日から強風予報


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【9月27日、大会4日目、Semi Finals】
 きょうも陸上待機から始まりました。4日連続でしたが、12時過ぎにやっとしっかりした風が入り、男子・女子ゴールドフリートともにD旗掲揚で出艇しました。
 風向は南南西180°前後の風向、8→14ノットの中で4レースが実施されました。今日のコースはこれまでの左海面有利が無くなっており、良い風をどう繋ぐかにあったこととスピードで勝負が出来ると言ったところでした。その理由として、湾左にある丘が風向にやや重なることでブランケットになり、左海面の強弱があまりにも大きくなり過ぎたことによるものだと思いました。
 レース時間は(五輪大会のメディア受けを意識した)20分レースを4レース行ないました。それでも49erはスピードが速いですから0.5マイル程のコースセットです。
 きょうの牧野・高橋組はこれまで見てきた中でボートスピードが良く、スタートで遅れさえしなければトップ5で上マークを回航する場面が多々ありました。本人たちもアップウインドのボートスピードには「納得のスピード」とのことでした。実際にスタート後にロンドン五輪金メダリストに走り勝つ場面もありました。課題はマーク際の判断と、ダウンウインドスピードを上げることにあります。また、1レース目にはAUTチーム(オーストリア暫定3位チーム)とケース(プロテスト)が起こり、審問の席でもしっかり権利の主張ができ、相手AUTを失格にしたことは彼らが「レースで勝つ」意識を強く持っている証しです。総合17位に上がってきました。

【牧野のコメント】
「日本で数回練習した新しいスタートのやり方がこの風域ではうまく行きました。ボートスピードも十分引き出すことができました。ただ、レース中のジャイブの質が低かったです。これは練習すればできるようになるという問題ではなく、意識の問題です。修正できると思います。あすからは強風です。最高に贅沢な、貴重な時間となるでしょう。現在のマストセットで戦うのは初めてで、非常に楽しみです」
【高橋のコメント】
「苦しいポジションからのスタートでも粘れるパワフルな走りが出来ていますが、ダウンウインドのスピードが今ひとつです。あすからは強風コンディションの予報ですが、フィーリングを大事にして、きょうよりもあすが良くなるように頑張りたいと思います」

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 FXの波多江・大熊組はシルバーフリートでの戦いとなり、ゴールドフリート終了後に3レースを実施しました。
 1、2レースはゴールドフリートとは少し異なり190°、10~13ノット、3レース目はここの夕方には風が弱くなる傾向のため、レース途中から風が弱くなり、丘を越える風の影響で、時には無風地帯が出来てしまう難しいコース取りになってしまいました。
 1レース目はスタートで出遅れたことと、大きく1・2上マークへのアプローチを2回オーバーしたことでトップ集団に離される悪い展開でした(10位)。その反省を踏まえスタートに集中した2レース目は結果的にOCSでしたが、この中風域にボートスピードも良く1上マークをトップ回航し、フィニッシュまでトップと競り合いながらの2着。順位こそOCSで残念でしたが、世界で戦える感触は掴めたのだろうと思います。最後のレースも難しい風でしたが、アップウインドではブランケットを避けた良いコース組み立てが出来たのはとてもよかったのですが、そこまで上手く考えたコース取りがダウンウインドの局面になると頭の中から意識が薄れてしまい、順位を落としてしまいました。これも良い経験になっていると思います。

【波多江のコメント】
「今日のレースはいつもより風があり自分たちの走りやすい風でした。1レース目はブラックが上がりヘコミ気味のスタートになってしまい、悪いポジションで走りすぎてしまい自分から悪い方に行ってしまっていました。2レース目は今回の課題でもあるスタートをいつも遅れ気味になっていたので改善しようとした結果がOCSとなってしまいました。ただ、このOCSは完全に出ていたリコールではなく、ギリギリのリコールだったので、走り出すタイミングをさらにレースを重ねて掴んでいきたいと思います。
 2、3レースとも上マークでは5番以内には必ず入っていて、そこからトップまで抜ける場面もあり、きょうは左右からのブローがぶつかり合いどっちサイドが伸びるか分からない海面、逆サイドを走っている相手艇をしっかり見て、ブローを繋いでいけたのが良かった点だと思います。ダウンウインドではまだ後ろのブローや、相手艇が頻繁に確認できていないのでもっと意識付けて明日からのレースに活かしていきます」
【大熊のコメント】
「これまでの軽風レースとは違い、中風でのマーク付近の接近戦にとても緊張しました。きょうは周りの船よりもスピードが良かったので周りを見る余裕が持てました。良かったところと悪かったところを整理し、あすにつなげたいと思います」

 明日は吹き予報(強風)ですから、男子は強風でどこまで戦えるかが見ものです。女子の波多江・大熊は強風でのレースは初めてです。FX(スキフ艇)の凄いスピードでのレース展開を経験することも大切です。ここは思いっきりレースをして欲しいと思います。

●日本チーム総合成績(4日目終了時、決勝初日)
○男子(97艇)
 17位 牧野・高橋組 7-(20)-16-1-9 決勝 8-13-7-20
○女子(53艇)
 28位 波多江・大熊組 8-18-10-(25)-1-23-10-OCS-9

●大会公式サイト:http://49er.org/event/2013-world-championships/
●成績サイト(男子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day-1-49er-Overall-Results-after-race-21.pdf
●成績サイト(女子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day1-49erFX-overall-Results-after-Race-2.pdf


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1309_49erWC-22.JPG▲2レース目上マーク(Photo:石川裕也)

1309_49erWC-23.JPG▲3レース目スタート(Photo:石川裕也)
1309_49erWC-24.JPG▲3レース目下マーク(Photo:石川裕也)

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day3



男子 牧野・高橋組 決勝ゴールドフリート入りなる
女子 波多江・大熊組 5レース目トップ取るも
シルバーフリート


1309_49erWC-15.jpg▲FX、トップでフィニッシュに向かうTeam Japan
【9月26日、大会3日目、予選終了】
 きょうも風に恵まれず、3日連続の陸上AP旗となりました。49erシルバーフリートが一番風の弱い中、13時前にやっと出艇、次にきのう女子の4レース目が出来なかったブルーフリートが出艇しました。それでも、風が弱く風向も定まらないために海上での待機となったようです。

 女子は予選のレース数を合せるために、女子ブルーフリートの4レース目が終わる前に、時間効率を考え予選5、6レース目のフリート分けされており、15時過ぎに新しいグループ分けでのなか、2レースが行われました。
 男子ゴールドフリートは(既報のとおり)40艇を2つのグループに分け女子の予選終了後にレースを予定していました。
 男子ゴールドフリートは女子のレースが17時前に終了したこともあり、スタートこそしますが、レース途中で風が無くなり、ノーレースとなりました(N旗掲揚)。この時点で日本の牧野・高橋組はトップ20位入り(予選成績18位)が成り、ゴールドフリートに決定しました。

 「昨年の世界選手権は23位でした。まずはこの成績を超えることができ、チームの成長を結果で示すことができました。嬉しく思っています。
 あすからの決勝レースの中では自身の実力をしっかり発揮することを意識して、『実力を出し切れた』と思える大会にしたいと思います。頑張ります」(牧野)
 「ノーレースとなってしまいましたが、微風のレースで良い感覚を得ることができましたので、あすからもう少しスタートのポジションを意識してフレッシュウィンドを掴んでいきたいと思います。ゴールドフリート頑張ります」(高橋)

1309_49erWC-16.jpg▲FX波多江・大熊、1下マークをトップ回航

 女子の波多江・大熊組はきょうの1レース目にトップフィニッシュを飾りました。軽風とはいえ、キャリアの浅いなか各国の強豪を抑えてのトップフィニッシュは価値あるものでした。スキフ特有の「風を先取りした」「大きくコースを取れた」ストラテージが良かったからだと思います。
 この時点でゴールドフリート入りの20位まで総合順位を上げたことは良かったのですが、次の6レース目(本日2レース目)は、スタートで出遅れ、自分たちのスピードを出せない場所で我慢して走ったことが良くありませんでした。23位に沈みました。周りを良く見ればまだまだチャンスはあったはずですし、マーク際での無駄なタックで後続艇に追いつかれることもありました。また、フリートを追いかける立場になると無駄な勝負に出てしまう傾向も見られ、勝負のいわゆる『大局観』を忘れてしまうことが残念な結果になってしまいました。予選総合28位。シルバーフリートが決定しました。

【波多江コメント】
「1レース目はスタートで出遅れてしまいましたが、いつもより風があったのでフレッシュウィンドにさえなればボートスピードで前に出られると思い、大きくコースをとり無駄な動作を入れないことを考えました。
ダウンウインドでも同じことを考え、大きくシンプルに行くことで結果的には他艇より長くブローに入ることができトップフィニッシュできました」
「スキフのレースはちょっとしたブローで大きく角度とスピードが変わり、その差はかなり歴然としていると改めて感じました。実際にこのワールドに参加してトップを取るチームが目まぐるしく変わっていて、誰でもが良いブローにさえ入ればトップ集団に絡むことができると思います」
「今回は予選でゴールドフリートに入れませんでしたが、日本で単独練習していた時よりもやはり競争相手がいることで乗り方やコース展開が毎日新しい発見ばかりで、とても勉強になっています。あしたからのシルバーフリートでのレースでも新しい発見をどんどん吸収して、毎レースに活かしていきたいと思います」
【大熊コメント】
「5レース目、初めてのトップホーンは嬉しかったです。スタートで逃げタックをして艇団と逆になってしまいましたが、奥の風を見て前の集団に追いつくことができました。その後ダウンウインドで風のある中を走れたことでトップに出ることができました。
 6レース目は風が落ちた中で波にたたかれてしまい、動作も固くなり、視野も狭くなっていたと思います。良いレースと悪いレースをして、風のある中をどれだけ長く走れるかで大きく順位が入れ替わっているのを改めて実感しています。
 明日からはシルバーフリートでの戦いになりますが、まずは一線でスタートし、艇団と一緒に走ることでFXの混戦をよりたくさん経験したいと思います」

●日本チーム総合成績3日目終了時
○男子(97艇)
 18位 牧野・高橋組 7-(20)-16-1-9(本日レースおこなわれず)
○女子(53艇)
 28位 波多江・大熊組 8-18-10-(25)-1-23

●大会公式サイト:http://49er.org/event/2013-world-championships/
●成績サイト(男子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day-1-49er-Overall-Results-after-race-21.pdf
●成績サイト(女子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day1-49erFX-overall-Results-after-Race-2.pdf


1309_49erWC-17.jpg▲初大会参加でのトップフィニッシュ、喜びを表現する波多江・大熊

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day2



中風のなか 牧野・高橋組 16-1-9
総合18位にジャンプアップ


1309_49erWC-10.jpg▲第3レース目49erスタート
【9月25日、大会2日目】
 きょうも風に恵まれず、陸上AP旗からの始まりとなりました。それでも少し早目にシーブリーズが入り始め、12時過ぎには出艇。13時に男子最初のレースが行われました。女子は男子終了後のスケジュールになっていましたので、きのうと同じ長い陸上待機後の出艇となりました。

 男子は前日より少し右からの風向200°、風速8~11ノットの中、3グループそれぞれ3レースを実施し、牧野・高橋組(トヨタ自動車東日本)は16-1-9と総合でも前日の31位から大幅ジャンプアップの18位に上昇しました。2レース目には五輪金メダリストを抜き去り、さらに差を広げ快心のトップフィニッシュを飾りました。
 いつものように左海面奥の風が地形(海面左にある山)の影響で強く、どのチームも『左にコース取りしたい』分かり易い海面でしたから、スタートでどれだけ飛び出せるかが順位に大きく影響しました。1レース目、少し出遅れたことで左の風を先取りされてしまった反省を2、3レース目には修正できたことが成績に表れたと言えます。

「この条件ではどのチームもコースが分かっているので、とにかくスタートに集中しました。きょうはボートスピードに手応えを感じました」(牧野)
「1レース目にスタートで遅れたことが悔やまれます。きのうと同じ風条件だったので、スタートさえ出られれば前を走れると思い、良いスタートを切ることに集中しました」(高橋)

1309_49erWC-11.jpg▲トップを走る牧野・高橋
 女子は男子の3レース目が始まる頃にクラス旗&D旗(出艇OK)の合図があり、15時にレース海面に到着しましたがここ数日海風は3時間程度で弱くなってしまう傾向があります。案の定、スタートする頃には5~6ノット程度、2レース目では4ノット近くまで弱くなってしまい、少々かわいそうなコンディションでした。レースも3レースはおこなえず、波多江・大熊組(豊田自動織機)のグループは2レース、もう一方のグループは1レースのみだった様で、成績も通算の3レースまでしか発表されていません。
 レース内容はコースも分かっているので、ふたりはスタートから攻める努力をしますが、まだ経験の少ないチームでは少しの差で上位グループには残れません、それでも1上マークは10位程で(フリートの1/3)で回航して行きますが、下マーク近くの混戦で戦略的に迷うことが多く、その結果、順位を落としてしまうことがあります。2レース目にはプロテスト(抗議)され、ペナルティーを実施したため、10位前半から最下位まで落としてしまう局面もありました。通算3レース終了段階で暫定22位に位置しています。
 とにかく、ふたりは日々勉強です。ノビシロはまだまだあります。

【波多江のコメント】
「軽風の2レース、コースが短く風が弱いのでまずはスタートを第一線で切ることを意識しました。今の自分の技術では有利エンドを攻めるリスクよりも、フリーウォーターの位置でフレッシュウィンドをつかんでスタートすることを優先させました。それもあって、2レースとも第一線でスタートはできていますが、まだ少しラインに対して走り出しが遅く、もっとラインを攻めることができるのではないかと思っています。
 徐々にFXのスタートにも慣れてきているので、次のステップではタイミングがあれば有利エンドを攻めていきたいと考えているところです」
 「2レースとも1上マークまでの順位は良いので、大きくシンプルにあすもコースを取っていきます。2日目を終えて思うのは、上マーク、下マークのゲート付近では必ず船が集まりミートが増える時にミートしたらどうするか?の先の判断が上手く行えていないことです。
 2レース目もスターボーが来ていると分かっていながら、冷静な判断ができていません。
 視野を広く、先に目で確認することで先の状況のことまで考える必要がありますね。とくにマーク際での対応はそれを痛感しています。自分の船がスピードを止めず、最短でフィニッシュできるよう、まずは目で周りの状況(マーク、ブロー、対相手)を確認することに注力しようと思っています」

【大熊のコメント】
 「スタートでの少しの出遅れやタックジャイブの動作での艇速のダウンが大きく順位にかかわっていると感じています。まだ4レースですが、レース展開、マーク付近の混戦、ミート時など予想と違うことも多くとまどいもあります」
 「きょうはケースを起こしてしまい、初めてのペナルティーターンもしました。よくも悪くも初めての状況ばかりですので、ひとつひとつチームで吸収しています。走りは悪くないので、落ち着いて周りを見てFXのレースに早く慣れていきたいと思っています」

1309_49erWC-12.jpg▲FX混戦の上マーク
 男子は今日で最初のグループ分けが終了し、あす予選第2ラウンドの上位グループ40艇の中(20艇×2グループ)でゴールドフリート(20艇)に残るためのレースに出場します。これまでの1日30分×3レースでは無く、20分×4レースのレースコースでの戦いですから、やはりスタートが大切です。
女子については、明日も予選シリーズの2グループ×3レースが予定されています。

 あすの戦い次第で男女ともにゴールドフリート進出が決まります。


●日本チーム総合成績2日目終了時
○男子(97艇)
 18位 牧野・高橋組 7-20-16-1-9
○女子(53艇)
 22位 波多江・大熊組 8-18-10-※(※グループでレース数が違うため4レース目は未発表)

●大会公式サイト:http://49er.org/event/2013-world-championships/
●成績サイト(男子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day-1-49er-Overall-Results-after-race-21.pdf
●成績サイト(女子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day1-49erFX-overall-Results-after-Race-2.pdf


1309_49erWC-13.jpg▲FX波多江・大熊、上マーク回航からジェネカーアップ
1309_49erWC-14.jpg▲第4レース、トップフィニッシュを飾る牧野・高橋

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day1



初日 男子 牧野・高橋組 31位
初陣の女子 波多江・大熊組 25位 発進


1309_49erWC-05.JPG▲出艇を待つFX集団
【9月24日、大会初日】
 男子49erの11時スタート予定が風に恵まれず、陸上AP旗からの長い1日となりました。やっと13時過ぎにシーブリーズが入り始め、3時間遅れで男子が3エリアで3グループに分かれてのレースとなりました。
 きょうは3レースを予定していましたが、男子の後に予定されている女子FXの兼ね合いがあり、結局それぞれ2レースが行われました。

 男子1レース目は5~6ノット、225°のコースセット、スタート直前にやや左に風軸が変り、いく分ポートロングのコース展開でしたが、ここマルセイユ湾は海を見て左側につきだす岬に低い山が盛り上がっているため、そこに風のスロットル効果が生まれ左海面有利になっていた様でした。ただし、ダウンウインドではその丘の影響で風がベンドしている気配で、一概にそのままその岸側を走るのが良いのか「走ってみないと分からない」といった状況でした。
 牧野・高橋組は混み合ったリミット下側を避け、中央上寄りからスタートしますが、やや出遅れたため、集団に対し右側を走ることになり1上マークを大きく遅れて回航することになりました。その後、遅れを取った時の「勝負時」をしっかり踏まえ、上位チームに対し逆サイドでチャンスを窺いました。これが奏功し、ジャンプアップして下マークを回航します、その後もけん制しあう上位チームに対しフレッシュな風を掴み一気に7位まで順位を上げることが出来ました。
 2レース目はスタートからの飛び出しもあり、1上マークを混戦のなか6位で回航しますが、ちょっとした判断ミスで後続艇のブランケットにつかまり、アッと言う間に10艇以上にパスされ、痛恨の20位フィニッシュとなりました。こうした少しの判断ミスがこのクラスでは(大きなセールのブランケットで風を失う)順位に大きく影響してしまいます。
 初日は97艇中の総合31位でした。
 「1レース目は1上マークが悪かったので、良い風を捉えチャンスがあれば上位に追いつきたいと思っていましたが、それがうまくできました。2レース目は1マークが良かったのに、マーク回航後のポジションミスをしたことで順位を落としたのは残念です。まだ2レースだけですから明日も頑張りたいと思います」(高橋賢次)

1309_49erWC-06.jpg▲レースに向かう49er
 女子FXは男子のレースの始まりが遅れたあおりで長くハーバーで待機することになりました。男子の2レース目スタートのころにD旗(出艇可)が上がり、いざレース海面に向かいましたが、ここ数日は風が弱いという天気予報どおり男子よりもさらに風が弱くなり、5→3ノットの中2レースをおこないました。
ワールド初出場の波多江・大熊組は470級ではエリート選手ですが、FX(スキフ艇)では新人組とあって、緊張した面持ちできょうの初日を戦いました。
 彼女たちは実質初のFX大会参加ですから、先ずはこのクラスのレースに慣れることを一番に取り組んでいますが、ヨットレースで重要な「スタートを一線で切る事」「風の強い所を走る事」を重点的に指示して、レースに臨んでもらうようにしました。どのヨットでもそうですが、とくにスピード艇は風が相手より少しでも強ければその差は歴然ですから「その重要性を意識してもらうこと」を理解してもらうことが大切です。また、スピード艇の特徴として動作(タッキング・ジャイビング)でのスピードロスが大きいため、「無駄なことはしない」(一手も二手も先を考えた判断をする)を意識して走るようにアドバイスをしました。
 1レース目は良い側サイドからのスタートではありませんでしたが、一線目からのスタートを切ることが出来たので、左海面の良い側サイドまで無駄なタックをせずに行け、1上マークを上位回航できました。そしてダウンウインドでも大きくコースを取り(無駄なことはしない)、初戦を8位シングルでフィニッシュすることができました。
 2レース目はスタートで大きく出遅れてしまったことでフリートの中盤で回航し、途中10位くらいまで順位を上げましたが、接近戦で相手を意識するあまり、無駄なジャイブが多くなり18位フィニッシュ。初日は53艇中の総合25位でした。
 FXはロンドンオリンピック以降に決定された艇種目ですが、きょうのレースで上位を走るチームはFX採用後すぐに活動を始めたチームばかりです。そうした点で波多江・大熊組の2倍の時間を使っているチームだと考えれば、彼女たちの成長はすこぶる早いのではないかと大いに期待が持てます。このふたりが日本に馴染みの無いこのクラスで活躍し、多くの国内選手がチャレンジしたくなるような「目標的チーム」に育ってほしいと強く願っています。

 あすも天気予報は弱めです。両チーム、ゴールドフリートめざし頑張ります。

【補足説明】
 今大会は予選シリーズ3日間、決勝シリーズ3日間の日程で構成されており、男子の場合、97艇の参加艇数を予選シリーズ・3グループ、決勝シリーズ・4グループに分けて各シリーズが行われます。少し複雑な構成ですが、ゴールド(上位)フリートに進出するには、まず予選シリーズ第1ラウンド2日目が終了した段階で、上位40艇に入る必要があります。その後、上位40艇で予選シリーズ第2ラウンドを行い、さらに上位20艇、下位20艇ずつに振分けられ、決勝シリーズが行われます。

●日本チーム総合成績(初日 予選シリーズ第1ラウンド 2レース終了時)
○男子(97艇)
 31位 牧野・高橋組 7-20
○女子(53艇)
 25位 波多江・大熊組 8-18

●大会公式サイト:http://49er.org/event/2013-world-championships/
●成績サイト(男子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day-1-49er-Overall-Results-after-race-21.pdf
●成績サイト(女子):http://49er.org/wp-content/uploads/2013/06/Day1-49erFX-overall-Results-after-Race-2.pdf

1309_49erWC-07.jpg▲牧野・高橋の1レース目上マーク
1309_49erWC-08.jpg▲FXレースに初出場、波多江・大熊
1309_49erWC-09.jpg▲FX波多江・大熊の混戦での上マーク

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

49erWC



2014年49er and 49erFX世界選手権開幕
24日からレース始まる


1309_49erWC-01.jpg▲世界選手権の開催されるヨットハーバー

●開催地 : フランス・マルセイユ
●日程:

9月21 日~29日
 予選:9月24日~26日
 決勝:9月27日~28日
 メダルレース:9月29日(メダルレース+フリートレース)
●日本代表選手:
○49er級 (27か国99艇)
 牧野 幸雄・高橋 賢次組(トヨタ自動車東日本)
○49erFX級(20か国52艇)
 波多江 慶・大熊 典子組(豊田自動織機)-NT外参加
●帯同コーチ:中村 健次(ナショナルコーチ)
●帯同コーチ:石川 裕也(トヨタ自動車東日本)・桑野 安史(トヨタ自動織機株式会社)

●大会公式サイト:http://49er.org/event/2013-world-championships/


【9月20 日・大会前日】
 いよいよ49erと49erFXの世界選手権が、ここフランス・マルセイユで始まります。
マルセイユは地中海に面し、人口ではパリに次ぐフランス第2位の大きな都市です。温暖な地中海性気候と大都市ということもあって治安は非常に悪く、大会運営側から「街中では車のガラスが割られ荷物が盗られたりするので5分でも車を離れる場合は貴重品を置かないように」との安全管理情報がメールで送られてきています。

 さて、今年のワールドは49erが100艇弱のエントリーを得て、これまでの10年間で最大のフリートになりました。一方の2016年リオ五輪から新種目として採用された49erFXも50艇を超えたフリートで初の世界選手権大会となります。
2020年東京五輪でも49erと49erFXは既にスキフの実施種目として決定されていますから、日本でも49erと49erFXの普及を加速しなければならないと強く感じるところです。

1309_49erWC-02.jpg▲49erFXで世界選手権に初出場の波多江・大熊組(トヨタ自動織機)

 日本チームは先日までスペイン・サンタンデールで開催されたプレISAF大会に出場後、そのままマルセイユに移動し、各国の選手と合流しました。この2週間マルセイユはミストラル風(地元でいう強風)が吹き続き、ほとんど練習が出来なかったという話を聞き、プレISAF大会に参加したことが結果的に良かったのではないかと思っている次第です。
 日本からの参加は、49erは2012年ロンドン五輪代表の牧野・高橋組(トヨタ自動車東日本株式会社)、49erFXには波多江・大熊組(トヨタ自動織機株式会社)が今年4月からコンビを結成し初の世界選手権に挑戦します。強豪入り混じる大フリートでの戦いですから、両チームの現力量が試されることになります。
 ひとつひとつを丁寧に、そして『広い視野を持って』『いつものことをきちんとやる』走りを見せてほしいと願っています。

1309_49erWC-03.jpg▲海から見たマルセイユの街
1309_49erWC-04.jpg▲牧野・高橋組(トヨタ自動車東日本)

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

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